テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

幕よ、あがれ。

2017-12-08 22:01:45 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぽふゥ! こごえるゥ~のでスゥ!」
「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!真冬突入宣言!)

 こんにちは、ネーさです。
 寒~くなってしまった週末は、
 『午後の紅茶』新CMに合わせてスピッツさんの《楓》を歌いつつ、
 もっと背筋が冷え冷えとする
 サスペンスフルなミステリ作品を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



             ―― ジゼル ――



 著者は秋吉理香子(あきよし・りかこ)さん、2017年10月に発行されました。
 バレエを題材とするフィクションというと、
 映画やコミックを想い浮かべる御方が多いかと思いますが、
 ええ、この作品は小説です。
 御本の表紙にのみバレエの舞台を描いた画があるだけで、
 本文中には、挿絵の一葉もありません。

 文章だけでバレエを描写する、って、
 これは著者・秋吉さんの――

「ちゃれんじィ!」
「ぐるがる!」(←訳:冒険だね!)

 そしてまた、
 劇中の演目に『ジゼル』を選んだところも、
 秋吉さんの挑戦かもしれませんね。

 ちょうど年末のいま、
 『くるみ割り人形』を上演するバレエ団やバレエ学校も
 少なくないはずですのに、
 敢えて『くるみ割り人形』を外し、
 バレエの代名詞ともいえる『白鳥の湖』も外し、
 『ジゼル』を選ぶ……

 しかし、そこには
 深遠な“理由”があるのでした。

「そのォりゆうゥはァ~…」
「がるるぐる!」(←訳:物語にあり!)

 『白鳥の湖』が
 《不滅の愛》を追いかける物語、だとするならば。

 『ジゼル』は、
 これもまた《不滅の愛》を問いかけ、
 また同時に《生と死》を追求する物語です。

 ミステリと相性がよいのは、やはり
 『ジゼル』が内包する《生と死》の物語でしょうか。

「でんとうゥてきィなァ、えんもくゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:人気も高いんだ!)

 クラシックバレエのファンの方々には人気があり、
 ダンサーさんたちにとっても
 踊り甲斐のある演目『ジゼル』。

 しかし、日本屈指のダンサーたちを団員に抱える
 東京グランドバレエ団では、
 『ジゼル』は禁忌の演目とされていました。

 15年前、
 『ジゼル』を上演した際に、
 或る“世間を騒がせる事件”を起こしてしまい、
 それ以降は東京グランドバレエ団で 
 『ジゼル』が演じられることはなかったのです。

 それが、バレエ団の創立15周年記念の公演で……!

「ええッ? ほんとゥにィ??」
「がるぐる!」(←訳:驚愕です!)

 若手の団員、いえ、
 ほとんどヒヨッ子なバレエ団員の
 如月花音(きさらぎ・かのん)さんは
 演目だけでなく、
 出演者リストにも驚きました。

 私の名前がある!
 重要な役をやらせてもらえる!

「わふゥ!やッたでスねッ!」
「ぐるがるるー!」(←訳:晴れ舞台だー!)

 大抜擢の晴れ舞台で、
 ミスなど決してしたくない。

 花音さんに限らず、
 みな、同じ思いでレッスンに励みます、が。

 過去の禍(わざわい)は、
 花音さんたちを放っておいてはくれません。

 様々な不幸が、アクシデントが、
 ダンサーさんたちの身にふりかかります。

「ふゥ~、ぶたいッてェ~…」
「がるぐる!」(←訳:魔物かも!)

 初日の幕は、無事に上がるのか?

 ミステリ好きさん、
 そしてバレエ好きさんにはもちろん、
 バレエ映画好きさんにも愉しめる長編フィクション、
 皆さま、ぜひ、一読を♪



 
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