テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 怖さを、見る・語る ~

2020-08-08 22:00:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ざんしょォおみまいィもうしあげまスゥ~!」
「がるる!ぐるるがるるぐるる!」(←訳:虎です!今日もアチチでした!)

 こんにちは、ネーさです。
 残暑きびしいこの季節の風物詩といえば……
 はい、そうです、
 《怪談》です!
 そこで本日の読書タイムは、
 怖~い題材の絵画ばかりを集めたこちらのアートブックを、
 さあ、どうぞ~♪

  



     ―― 奇想の国の麗人たち ――



 編者は中村圭子(なかむら・けいこ)さん、
 2020年6月に発行されました。
 『絵で見る日本のあやしい話』と副題が付されています。

「ひゅゥ~どろろんッ?」
「ぐるぅ!」(←訳:出たぁ!)

 あやしくも怖ろしい伝説や伝承、
 怪談や噂話、と聞いて
 私たちが思い浮かべる図像は、
 北斎さんの妖物でしょうか、
 応挙さんの幽霊がでしょうか、
 それとも
 百鬼夜行の素朴な怪物たちでしょうか。

 編者・中村さんは、

  《日本人が長年語り続けてきた、
   伝説や古典文学を、
   その物語にまつわる絵画とともに紹介します》

 と、御本冒頭の『はじめに』で述べています。

「うむゥ! こてんぶんがくゥ、こわいィでス!」
「がるぐるるるがっるる!」(←訳:鬼もオバケもいっぱい!)

 第一章『異類の怪』
 第二章『地獄と極楽』 
 第三章『霊魂の物語』
 第四章『両性具有の神』
 第五章『日本の古典はボーイズラブの宝庫』

 と、5つの章に分けられた本文には、
 中世の絵巻物から、
 現代の作品まで、
 《怪》なる物語についての解説と図版資料が
 多数掲載されています。

 最もクラシカルかつトラディショナルな
 “怖いおはなし”は、
 狐や蛇、
 蜘蛛や鬼たちが登場する
 第一章の『異類の怪』かしらね?

「ううッ、くもッ!」
「ぐるるがぅるるるるがるるる!」(←訳:オバケじゃなくてもヤダよう!)

 新奇さを感じさせる
 第四章と第五章で目立つているのは、
 高畠華宵さんの美しいモノクロイラストの数々です。
 
 源氏物語の『夕顔』の巻を題材にした
 歌川国貞(二代目国貞)さんの浮世絵や、
 平家の怨霊について解説されている
 第三章『霊魂の物語』も、
 活字マニアさんの興味を惹くことでしょうが――

「びッくりィしちゃッたのはァ~…!」
「がるぐるる!」(←訳:これだよね!)

 第一章『異類の怪』の、
 《きつねの嫁入り》。

 本文10ページから11ページにかけて、
 着物のお写真が載っていて、
 これにはもう私ネーさ、引っくり返りましたよ。

 1920年代に制作されたという、
 着物に描かれた《狐の嫁入り》……

 えええ?
 着物の絵柄に《狐の嫁入り》を選ぶの?
 なぜそんなオーダーを?
 注文主さんは誰なの??

「こッちにもォ、ありまァ~ス!」
「ぐるるるる!」(←訳:舌切り雀だ!)

 48ページから49ページにかけては、
 《舌切り雀》の図柄の着物が……

 これ、三つ紋が入っているから
 割と格が高いものよね……?
 フォーマルなお着物に《舌切り雀》、って、
 いったいどういうことなの?
 ああ、やっぱり注文主さんの意図が分からない……

「えェ~とォ、たぶんッ?」
「がるるるるぐるるる?」(←訳:お金持ちの気まぐれ?)

 怖い絵、多数。
 悲劇あり、
 嘆きの涙なり、
 けれど、どこかに
 ほんのちょっぴり可笑しみも潜んでいそうな
 《あやしい》物語と、絵画。

 アート好きさんに、
 歴史好きさん、
 とりわけ挿し絵好きな活字マニアさんに
 熱~くおすすめしたい一冊です。
 ぜひ探してみてくださいね~♪




    では、週末恒例のオマケ画像も、ここで!
   
    猛暑日には、これですこれ!
    『ウィルキンソン』!
   
    あ、レモンフレーバーも美味しいわよね♪
    「うゥ~んとォ、ひやしてェ~」
    「ぐるるる~っる!」(←訳:ごくごく~っと!)
    たっぷり水分補給して、
    どうか皆さま、穏やかな連休を♫
    

 
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