テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

 ― 光を描く筆 ―

2013-12-24 21:23:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪さァいれんとないとぉ~♪」
「がるる!♪ぐーるーるるる♪」(←訳:虎です!♪ホーリーナイト♪)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、聖なる夜といえど、敢行します読書タイム!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



 
          ―― わたしの好きなクリスマスの絵 ――



 著者はフェデリコ・ゼーリさん、画像の日本語版は2013年11月に発行されました。
 伊語原題の『La mie nativita』とは、
 『わたしのキリスト降誕祭』という意味だそうです。

 イタリア美術史の研究者フェデリコ・ゼーリさん(1921~1998)による
 《降誕祭絵画傑作集》は
 ……地味です。

 けれど、比類なく神々しい!

「さんたさんがァ、いませんよゥ!」
「ぐるーるがる!」(←訳:ツリーもない!)

 サンタクロースおじさんもトナカイさんも、
 満艦飾のクリスマスツリーも、
 この御本には出てきません。

 ここにあるのは、
 静かで厳粛な、
 《降誕祭》の図像です。

 現在、私たちが目にしている、
 きらきらツリーに代表されるクリスマスの在り様は、
 アメリカ(新大陸)風のクリスマスであって、
 ヨーロッパ、ことに、ほぼカトリック教国であるイタリアのクリスマスとは
 ずいぶん違うものなんですよ。

「ふむふむゥ、このごほんのなかにに、あるのはァ~」
「がるるるぐる!」(←訳:むかしの聖夜!)

 ジングルベルはないけれど、
 イルミネーションもないけれど、
 ここでは、
 東方の三博士と、
 彼らを導く星と、
 聖なる存在を迎える喜びに
 出会えます。

  

 表紙を飾っているのは、
 著者・ゼーリさんが“オランダのカラヴァッジョ”と呼ぶ
 ヘリット・ファン・ホントホルストさんこと
 通称ゲラルド・デッレ・ノッティさん(1590~1656)の
 《幼子イエスの礼拝》。

 他にゼーリさんが選んだのは、
 ジョットさん、
 ピエトロ・ディ・ジョヴァンニさん、
 アントニオ・アッレーグリさんこと通称コレッジョさん、
 ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケスさん……

「あたたかなァ、ひかりィ!」
「ぐるるるる!」(←訳:黄金色の光!)

 賑々しいクリスマス絵本や画集の海の中では
 あまり目立たない小さな御本、
 かもしれませんが、
 絵画をじっくり眺め、
 柱本元彦さんが訳された
 ゼーリさんの文章を味わえば、
 きっと、思われることでしょう――

「こういうッ、くりすますもォ!」
「がるぐる!」(←訳:いいなあ!)

 皆さま、ぜひ一読を。



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