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alina cojocaru - alina at sadler's wells




現在イングリッシュ・ナショナル・バレエとハンブルグ・バレエのプリンシパル、Alina Cojocaruのリサイタルへ。技術的にも音楽性も唯一無二のダンサーだ。
共同プロデューサーは彼女のパートナーで元ダンサーのJohan Kobborg 。


ご自分の名前だけで観客席をいっぱいにできるスターダンサーは、ロンドンでしばしばリサイタルを開催する。
彼らは傑出したアーティストとして「最も新しい」「まだ誰も試みていない」「カンパニー内ではできない」、「自分には何ができるか知りたい」にフォーカスした公演をすることが多い(と思う)。

Alina at Sadler's Wellsは、彼女の透明感の源になっているようにすら見える、
あのどこか悲しげな表情...
人間性に対する深い慈愛を表したような...
を、前半3つの短編と後半の『マルグリットとアルマン』にまとめたような公演だった。

限界への挑戦というよりは、彼女を熟知した誰かが(きっと彼女自身とパートナーのJohan Kobborgの存在もあり)構成したのだろう、という感じ。

特にそれを感じたのは、このショーがバレエのリサイタルとしては例外的にチェロとヴァイオリンの奏でるヘンデルのパッサカリアで始まることと、前半の幕間に上映された2つの短くも美しい映像短編によってだ。
映像短編のひとつKievは、アリーナがバレエの教えを受けた師ら(とても年老いた)が写しだされ、彼らとの無声のやりとりがまさに「師を見るな、師が見ているものを見よ」で、たぶん一番よかった。

良かったといえば、『マルグリットとアルマン』のもうひとりの主役と言って差し支えないリストのピアノソナタ。この曲なしでは『椿姫』を題材にしたこの美しい一幕ものは、単なるメロドラマでしかない。


一言で表現すると、いい意味で「女主人による優雅なお茶会」のようなショーだった。
もちろんその優雅さやさりげなさの裏側には何十年分もの絶え間ない努力や精神力や才能があるわけだが。


次にアリーナが踊るのを見られるのは、来年度イングリッシュ・ナショナル・バレエが予定している『ライモンダ』だろうか。
彼女が踊るライモンダ、すごいだろうな...ものすごく楽しみにしている。


Programme:
Reminiscence (Chor. Tim Rushton)
Film - FACES (excerpt, Dir. Kim Brandstrup)
Journey (Chor. Juliano Nunes)
Kiev (Dir. Kim Brandstrup)
Les Lutins (Chor. Johan Kobborg)
Marguerite and Armand (Chor. Frederick Ashton)
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