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イオニア海の神々の黄昏




ギリシャのペロポネソス半島は、東をエーゲ海(東はトルコ)、西をイオニア海(西はイタリア)、南は地中海(ずっと南はリビア)に囲まれている。

地を行くより海を行く方が断然早く、古代から交易や交流、移動が盛んだった。

例えば、ギリシャ神話の神々は、どこか遠くに起源を持ち、さまざまな文化のさまざまな神の姿が習合されている。

美の女神アフロディーテは、シュメール(メソポタミア)のイシュタール神、エジプト、フェニキア(レバノン)のアスタルテー神など、オリエント的な地母神と金星神としての性格を持つ。

そのこころは、豊穣と繁殖を司る神である。

「原始女性は太陽であった」(平塚らいてう)は本当なのである。

しかし、定住化など社会構造が変化するなかで、家父長的な男神(ゼウスやヤハウェ(エホバ)、エンリルやマルドゥク)がトップを奪う...

こういう話を解きほぐす海辺の夕暮れが好き。
(定住化の話は盛り上がり、娘に「ママ、声が大きい」と注意される始末)




当然、文化的な汽水域では食べ物もおいしくなる。

先日も、「ギリシャ料理は身体にいい」という話を日本の友人とメールでしたのだったが、オリーブオイル、野菜、ヨーグルト、チーズ、豆、果物、魚介、脂を落とすように焼いた肉、ワイン...バランスよく食べたら理想的。

わたしは揚げ物に目がないので全く理想寄りではない...
このひなびたローカルなビーチに立つ、紙のテーブルクロスが敷かれたレストランで、おやつ代わりに食べた、ホタルイカよりも小さいイカ(スペインではポルポと呼ぶやつ)と海老の唐揚げが忘れられない。
新鮮でパリパリで、海老の頭から尻尾まで食べた。

ギリシャ語で小さいイカはGonos、海老はGaridaki。
われわれはギリシャ語は読めず、ウェイター氏は甲殻類の違いを説明できるほど英語が達者ではなく、グーグルで調べても「小さい魚」としか出てこず、往生したしたが、大正解だった。今度は紙のテーブルクロスに絵を描いて見てもらおう。

どこでも必ずサービスしてくれるデザートのメロンやスイカの美味しいことよ。

観光客などひとりもいない、ゆったりしたレストラン。

そして、ビーチでいつまでも遊ぶ、子供のシルエットがどんどん濃くなっていく、夕焼けの美しさよ。

古代ギリシャ人も同じ夕焼けを見ていたのだろう。
豊穣と、天災も人災もないこんな日を寿いで。

旅は続く。
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