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sir andras schiff




パリから帰って来た理由は、ロンドンで二夜に渡ってアンドラーシュ・シフ卿が弾き振りをするから...

しかもシューマンとブラームスの組み合わせ。


Orchestra of the Age of Enlightenment
András Schiff conductor, piano

Schumann: Konzertstück in F for 4 horns & orchestra, Op.86; Symphony No.4
Brahms: Piano Concerto No.1

Schumann: Symphony No.3 (Rhenish)
Brahms: Piano Concerto No.2


一夜目が終了。

シューマンの『4本のホルンと管弦楽のための小協奏曲』『交響曲第4番』、ブラームス『ピアノ協奏曲第1番』

舞台の上には1860年にドイツ(ドレスデンかライプチヒか忘れてしまった)で製作されたピアノが(写真上。男性はシフじゃないよ)。
マホガニーのテーブルの上で真珠を転がしたような音がする。

1859年ハノーファーで、作曲者ブラームス自身のピアノ、ヨーゼフ・ヨアヒムの指揮で初演された『ピアノ協奏曲第1番』は酷評された。
が、シューマンの悲劇的な死への追悼としての第1楽章、鎮魂歌として『ベネディクトゥス』を含む第2楽章を、ロマン主義の時代に彼らが実際使っていた楽器で聞いてほしい、とシフからの説明があった。


いや、ものすごいヴィルトーゾだった。
あの曲をいとも軽々と、時に観客の方を見て微笑みながら。まるで子供にピアノを弾いて聞かせて反応を楽しむおじいさんのよう。

この曲が、シューマンの死を偲んでいると知ったらば、あの感激屋のシューマンはきっと泣いて喜んだことだろう。
そう思ったら、美しさに泣けた。ほんとうに美しかった。


二夜目が終了。

シューマン『交響曲大3番』、ブラームス『ピアノ協奏曲第2番』

今夜もシフのお話があり、この方は英国ではよくマスタークラスを開いているように、教えることが好きなのかな、と思った。

『ピアノ協奏曲2番』の第2楽章のスケルツォはショパンである、とおっしゃるのになるほどと思い、そう思って聞いたらシフの演奏は本当にショパンのようだった。そして何よりもこの1860年生まれのピアノで聞くと、明るい基調が際立ち、ブラームスの意図はこういう明るさだったのかと感じた。1番も好きだが、2番、好きすぎる。

ほんとうにすてきな2日間だった!
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