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センチメンタルの色


こちらの、アカデミア橋から見る、夜明けの大運河と、
下の写真、ジョヴァンニ・ベッリーニの色がものすごく似ているなと思ったので載せる
ヴェネツィアの色なのである


前回は典雅なヴェネツィアとの別れを書き、それも真実なのだが、また別の真実がある(笑)

ホテルで世話になったことに心を込めてお礼を述べ、また来年! と白い海鳥(白いコートを着ていたので)のように颯爽と、しかも華麗に去ったつもりだったが、大運河をリアルト橋をくぐったあたりで、ボートの運転手さんに電話が入った。
運転手さんがわたしあてだと言う。

「シニョーラX、お部屋にメガネをお忘れです...」


宿泊初日の夜に、アマン・ヴェニスの名GM、L氏と再会し、一緒に街をはしゃぎながら歩いた時、愛用の白い大判ストールを失くしてしまった。
「もしホテル内で見つかったら」とレセプションに気軽に声をかけたつもりが、ホテルがほとんど総出で探し回ってくれたという痛恨のミスを犯した後だったの!


と、ボートはカ・ドーロの前に停留し、アマンのスタッフがボートを飛ばしてメガネを持ってきてくれるのを待った...
カ・ドーロの正面は、海上からしか眺められないので、まあこんなチャンスもなかなかないと言えばないものの。

水上で2台のボートが船腹をお互いに当てることなくギリギリまで近寄り、メガネの受け渡しをするのはなかなか見応えがあった。
「おお、これが地中海を我が海と呼んで、船を好きなように操った誇り高きヴェネツィア共和国の末裔か!」と感激し、わたしは救出される姫(婆)のような気分になったものである。

夫は呆れていた...


わたしは結構これでもしっかりしている方で、物をなくしたり、壊したり、道に迷ったり、時間に遅れたり、軽犯罪に巻き込まれたりということがない人だったのだけど...


サンタ・マリア・グラリオーサ・デイ・フラーリ聖堂の聖具室にある、
ジョヴァンニ・ベッリーニの『フラーリの祭壇画』
もちろん、実物は輝くように美しい。
ベッリーニ大好き


忍び寄る加齢のせいか、あるいはヴェネツィアがわたしを引き留めているのか。

きっと「忘れ物が多い日本人のシニョーラX」と、ホテルスタッフにあらためて記憶されただろう。

どうせずっと心もあそこに忘れてきているし...
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