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選挙だ!




友達が言った。
「与党は支持してないけれど、他に投票先がない」と。

わたしは言った。
「政党を選ぶのは結婚相手を選ぶのと同じ。自分の理想にぴったりあった究極の男性なんかどこにもいないでしょう。だいたいのところで自分が育てるつもりで選ぶのだよ」と。


今日、6月10日はベルギーの総選挙投票日だ。

興味をお持ちの方が多いとは思わないが、ベルギーの総選挙では以下の3つの選挙が同時に行われるのが一般的だ。

連邦議会選挙:ベルギーの連邦議会(下院)の議員を選ぶ。
地域議会選挙:ベルギーの各地域(北のフランダース:オランダ語圏、南のワロン:フランス語圏、ブリュッセル首都圏地域)の議員を選ぶ。国会に相当。
欧州議会選挙:欧州連合の欧州議会のベルギー代表を選ぶ。

夫と娘はすでに期日前投票を済ませた。
彼らは権利を行使する気満々で盛り上がるが、ベルギーでは投票の権利を棄権すると罰金が発生する(日本もそうすればいいのに)。

わたしにはもちろん選挙権はない。

ベルギーには政党が非常に多く、政権の形成は複雑で、常にめちゃくちゃ時間がかかる。今回も予想が難しい選挙だ。
争点は移民問題、ウクライナとガザ、インフレなどの経済政策、気候変動と環境政策、エネルギー政策、社会福祉と健康政策、安全保障、外交政策など...
右翼、右派ポピュリストが勢力を伸ばしているのは他の欧州の国と同じだ。
今回は史上初めて伝統ある3大政党が議席を失うのでは、とさえ言われている...

20世紀に欧州がリベラルでオープン・マインディッドだったのは、経済的に右肩上がりで、福祉が厚く、病気になっても失業しても高齢になっても生活の心配をする必要がなかったからかなあ、と思う。




そして、来月7月4日には英国の総選挙が行われる。

こちらにもわたしは選挙権がない。ちなみに夫と娘には地方議会の選挙権がある(うらやましい)。

14年続いた保守党はほとほと人気がなく、ベルギーとは違って労働党政権交代は確実視されている。
今に始まったことではなくとも最近の首相の失態のあれこれはもうコメディ・ショウ。

英国は沈みゆく泥船。
英国が、かつて「大英」だったのは、植民地や奴隷を使ってきたからにすぎない。

上い書いたベルギーと同じような問題を抱え、プラス欧州離脱(サプライチェーンの混乱や労働力不足)、国民健康サービス(英国は医療は無料)の崩壊などとリストは続く。

わたしが生活していて特に感じるのは、英国が20世紀後半からインフラ、教育、医療、地域経済にカネを使ってこなかったことだ。

インフラ、教育、医療、過疎地経済に投資しても、短期間でのリターンつまりカネがカネを産まないため、そういうセクターに投資するのを怠ってきた。
そして外国資本を誘致し、多くの現金が流れ込んだことが大きいかと。

現金の増加は一時的に経済を活性化させる効果がある。一方で、過剰な貨幣供給はインフレ(物価の上昇)を引き起こす。
外国資本の誘致は経済成長に貢献する一方で、外国投資家への配当が増えると国内にカネが残りにくくなるという側面がある。これは英国に限らず、多くの国が経験している現象だ。
実際、英国の水道会社は外国投資家への配当が膨らみすぎて先日破綻した。水道会社ですよ?! 社会的インフラをプライヴェートにするなよ...
外国投資家の存在は、企業が配当を優先して従業員の賃金や再投資を抑制してしまうのだ。

トリクルダウンなぞは起きない。




それから7月7日は東京知事選。

こちらもわたしには選挙権はないものの、めちゃくちゃ注目しています。
わたしは特に、不必要な再開発を繰り返すことによってカネを産み続けるというやり方には反対。繰り返す。トリクルダウンは起きない。

7月4日に英国で保守党が大敗するのが少しは影響するかしら!!
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