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Brugge Style
テキサス共和国
たった今、アメリカのテキサス州から10時間の飛行でロンドンへ戻って来た。
洗濯物を電光石火で仕分け、シャワーを浴び、トーストを焼いてコーヒーを入れた。
アメリカへ行くのは2年半ぶりだった。
友人家族が至れり尽くせり世話をしてくれたおかげが大きいが、アメリカ南部、期待以上にとても楽しかった。
ニューヨークやロサンゼルスといった世界都市よりも、ヒューストンくらいの地方都市の方が好みかもしれない。
人がよりフレンドリー、食べ物はおいしいく(ステーキハウス万歳)、天気はよく、緑豊かな自然は美しく...
駐車場を探し回る必要などひとつもなく、スペースの大きさやそれが無料なこと、高速道路の車線の広さ、どこまでも続く一本の道路、トイレの広さ、スーパーマーケットの大きさ、豊かな品揃え...
大きいことはいいことだ! 大きいことはすなわち豊かさだ! です。
写真はヒューストンはバイユーのいわゆる「邸宅」美術館で、ヒューストンの名士(美術館やオーケストラを設立した一家)の元お宅。アーリー・アメリカン以来の家具コレクションを収めている。この家族が設立したファイン・アート・ミュージアムも想像以上によかった。メムリンクのとても素敵な絵があった。
このアメリカの独特の懐かしいような、そして同時に新しいような雰囲気。
凛々しい独立心と、そして同時に何かから切り離されて寂しいような雰囲気。
これはどういうものなのだろう(これをアメリカの美と呼んでもいい)。
ヒントになるおもしろい話を思い出した。
川北稔『世界システム論講義』によると、「『アメリカ人』のアイデンティティは、砂糖入り紅茶とそれにまつわる文化-茶の作法から、ティー・タオルやカップ、スプーン、砂糖壺など-の、『イギリス生活文化』を真似ることでいったん統合され、今度は、これを『共同して』拒否することによってかたちづくられたのである」「『イギリス商品』が植民地の各地にくまなく行き渡り、その消費がひとつに統合された価値観で結びついていたからこそ、それをボイコットすることで全体の強化されることになったのである」
明日からはドイツへ行く。
デュッセルドルフとケルンへは夫の仕事関係で、そしてエッセンへはクリスティアン・ツィマーマン(Krystian Zimerman)のピアノ・リサイタルを鑑賞に行くのです...