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Brugge Style
品があるとは習慣が美しいということだ。
わたしは口うるさい母親である。
娘の挨拶の仕方、姿勢、食事の仕方、話し方など、言いたいことはたくさんある。
...あ、お帰りにならないで。先日と同じ記事じゃないんですよ!
それで娘を非難する時にも「全く品がない」とか「下品な○○を今すぐ止めなさい」とか、「品」をうんぬんすることが多い。自分でも嫌になるほど「品のある」とか「もっとエレガントに」などとばかり言っていると思う。本当に品のないことである。
娘は小さい頃から言われ続けていたせいで自己流に解釈しているのだろう、「品ってどういう意味?品ががあるってどういうこと?」と質問して来たことはない。どんな解釈をしているのか恐ろしくて今更聞けない(笑)。
実はそう言うわたし自身が「品があるとはどういうことか?」と自問し続けてきた。
いちよう大人なので自分なりの回答を持ってはいるのだが...
もう先々週のこと、わたしの回答はおおよそ正しかったのだ、という出来事があった。
ハーフタームで休暇中の娘が学校のお友達の家族に一日お世話になることになった。もちろん待ち合わせ場所まで余裕を持って送って行きご挨拶をするつもりでいた。
しかし駐車するつもりだった駐車場に空きがなく、コインの持ち合わせもなく(英国の駐車場の大半は未だに小銭でしか支払えない)、カードか携帯の使える駐車場まで回るため10分ほど遅刻しそうな状況に。娘にお友達に電話連絡をするように言ったら、「メルアドしか知らない...」と情けないことを言う。それで「申し訳ありませんが10分遅れます」という連絡もできないまま猛ダッシュで待ち合わせ場所へ。
結果から言おう。わたしは少しも品のよい母親ではなかった。
まず、遅刻自体もいけないが、遅刻をすると言い訳をせずにはおられなくなるのがいけない。言い訳ほど品のないことはない。
それから常に小銭を用意しておくというごく基本的なことのできていなさ。
さらに、走ったせいで息が切れ、ぜいぜい言うことなしには話せないありさま。「まあもっと落ち着いて話せよ」と自分で自分に突っ込みを入れるほどの慌てよう。
また初対面のお母様がキャロル・ブケ似の美人で、全力で走ったせいで乱れに乱れた自分の髪(その日に限ってまとめておらず、英国は強風に見舞われていたのである)が気になってしょうがなく、挙動不信だったこと。警察に職務尋問されている山姥でももっと落ち着いているにちがいない。
おまけにいつも持っている名刺を補充し忘れていて、携帯の番号を交換するためにメモ帳の端をやぶって使うはめに。
「品があるとは習慣が美しい人のこと」
「いざという時にはふだんやっていることしかできない」
この2点が「品があるとはどういうことか」に対してわたしが出した答えだった。
わたし自身が母や祖母から口酸っぱく言われていた「気取るのは家の中だけで」を言い替えただけなのだが、つくづく先達はいいことを言うじゃないか、その通りだよ、と思った。
わたしの普段が、習慣が、美しいならば、どんなに慌てる場面でも「地」が出ないはず...というか、遅刻するなよ(笑)!
修行が足りませんな。
(ほとんど内容に関係がないが、写真はanswer.com よりキャロル・ブケー。タメイキ)
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