goo

初冬のオニオン・スープ




夫が家で仕事をしていたので、ランチに彼の好物のオニオン・スープを作った(食べかけ失礼)。

今月は休暇に始まり、わたしと娘の誕生日などイベントが続くため、西へ東へ奔走してくれる彼をねぎらったのである。彼はこういうポーズにたいへん弱くイチコロだ。冷たい針のように降る雨を見ながら、うっとりと「世界は美しく、僕はその世界で一番幸せだ」と言う。
わたしはそこですかさず先日「偶然」見かけたジュエリー(をサンタクロースが持って来たらいいのになあ)の話をした。

「フラニーとゾーイ」の
“God damn it," he said, "there are nice things in the world- and I mean nice things. We're all such morons to get so sidetracked. Always, always referring every goddam thing that happens right back to our lousy little egos.” Behind him, just then, Franny blew her nose with guileless abandon”
『「チキショウ、この世にはきれいなものもありやがるわい」彼は言った。「本当にきれいなものだ。脱線するのは、ぼくたちがみんなバカだからさ。いつも、いつも、すべてを薄汚いエゴのせいにする」
ちょうどそのとき、彼の背後で、フラニーが虚心坦懐に鼻をかんだ。』(野崎孝訳)

という一節を思い出しながら。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )