Digital photo's diary

自称「暇人」によるデジタル写真日記。

アヒルを釣る

2023年12月19日 | デジタル写真
最近ではあまりやってないようですが、昔は写生大会と言うのがありました。
お弁当や飲み物などを持って校外に行き一日を使って風景写生をするという行事です。
教室から放たれた子供たちはリードを外された犬と同じです。
現着するや否や遠足気分で真面目に絵を描いてる子はほんの僅か。
大半は隠し持ってきたボールなんかで遊んでいます。
お昼の時間に何やら騒がしい声がしたので子供たちの集まっている所に行ってみました。
今でも忘れはしないS君というお調子者が青ざめた顔で池の畔に立っています。
周りの子に「どうしたの?」と聞いたら黙って指を指した方を見たら池の真ん中の噴水みたいな所でアヒルがもがいています。
聞く所によるとお調子者のS君が持ってきた釣りの仕掛けにお弁当のサンドウイッチを餌にして池の鯉を釣ろうとしたらアヒルが食いついてきたので驚いて釣り糸を放してしまったとの事でした。
アヒルは池の真ん中の噴水まで泳いで行き、釣り糸が絡んで動けなくなってしまったとか。
S君はオロオロするばかりです。
この際、突っ張り連中だったら、とっちめてやろうと思ったのですがS君はお調子者ではあっても至って普通の子です。
とりあえず「このままじゃあのアヒルは明日までには死んでしまうよな!」と優し目に言っただけでしたが、Sくんも責任を感じたのかズボンの裾を捲くりあげて池の中に入っていきました。
池といっても水深は30~40cm程度なので溺れる心配は有りません。
噴水まで行って釣り針を外し、巻き付いていた釣り糸を解き無事にアヒルを救出したようです。
しかし、学校に戻ってから保健室に来たSくんの顔や腕にはアヒルにつつかれたおびただしい数の傷跡が生々しく残っていたそうです。
アヒルも必死だったんでしょうね。
まあ、私がとっちめなくても代わりにアヒルがやってくれたようです。
次の年から写生大会時の注意事項にゴミは持ち帰る。枝や花を折らない。の後にアヒルを釣らないとつけ加えようかとも思いましたが、こんな事は滅多にある事じゃないですからね。
そんなS君も、もう50歳を過ぎる歳になってると思うけど今頃どうしてるかな・・・・。