Digital photo's diary

自称「暇人」によるデジタル写真日記。

シリーズ1  お堀の鯉を釣る

2023年12月16日 | デジタル写真
入院シリーズ、嘘のような話シリーズと、ブログ開設以来のアクセス数がありシリーズが終わってからもその数を維持しています。
ふざけたような話に興味を持った訪問者の方達が次のシリーズを期待してのアクセス数だと思っています。
柳の下のどじょうでは無いですけど、釣りに纏わる話題なら捨てるほどあるので暫くはシリーズ3として投稿しますのでお楽しみください。

家内が突然「お父さんはT先生を知ってる?」と聞いてきました。
「知ってるけどT先生が何か?」と聞いたところ、免許更新の認知症判断テストに引っかかり病院で調べてもらったら認知症と診断され、今は施設に入っているとの事でした。
T先生といえば私が新採用で赴任した某中学校で出会ったのが最初で私と同じ山平交流を終えて帰ってきたばかりの人でした。
面倒見が良くて、私が山に行くとなった時にも「行けば楽しい事もあるから心配しなくて大丈夫だよ」と励ましてくれました。
4年間の山の生活が終わって平地の中学校に戻り、初めて職員室に入った際に私の方を見てニコニコ笑っている人がいました。
4年ぶりでしたが当時と全く変わりのないT先生でした。
私が4年間山に行っている間に釣りに目覚めたらしく、お昼休みなどよく釣りの話をしたり、使っていない釣り道具などを「これあげるよ」なんて言って良くしてくれました。
ただ、かなり豪快と言うか変わっている所があって、こんな事も有りました。
Sさん、ちょっと付いて来て・・・と後を付いていったら学校隣にあ。城之内公園のお堀跡に連れて行かれました。
「此処は、お祭りの時にニジマスを放流して、子ども達にニジマスの掴み取りを体験させたんだけど、取り残したのが大分いるので釣ってしまおう」という事でした。
「面白そうですね。やってみますか」と言ったのですが、話を聞いているうちに狙いはニジマスじゃなくてお堀にいる錦鯉のようでした。
「幾らなんでもお堀の鯉はマズいんじゃないですか」と言うと「この鯉は近所の人が飼い切れなくなってお堀に放したやつだから誰のものでも無いから大丈夫だよ」と、手に持っていた食パンをちぎっては投げて「ほら、すぐに食いついてくるから釣り針を仕込んで投げれば一発で釣れるよ!!」と、やる気満々です。
流石に私はやりませんでしたが、まあ、そんな感じの人でした。
それから20年以上も経った紅葉のきれいな時期だったと思います。
奥日光の小田代原に写真を撮りに行った時、いつものように赤沼茶屋に車を止めて、支度をしてさあ出発しようと思ったその時です・・・・。
向こうの方から長い髪を後ろで縛って、髭をお臍の辺りまで伸ばして手には魔法使いが持っているような長い杖を持った仙人みたいな人が近づいてきました。
変に関わるとヤバいな・・・と、目を背けたら、私の方に近寄ってきて「間違ってたら御免なさいよ、もしかしてSさんじゃ無いですか?」と話しかけてきました。
「ええ、そうですけど旦那さんはどちらさんですか?」と聞いたら「俺ですよ、Tですよ、前に一緒だった」と・・・。
こんな事ってあるんですね。
退職してやる事が無いから時々ここに来て山歩きしているとか。
いやー、俺も毎週のように来てるんですよ。もしかしたら今迄にも何処かの山の中で会ったことがあるかも知れませんね・・・なんて、20年ぶりの再開に花を咲かせたのが最後でしたね。

城之内公園