Digital photo's diary

自称「暇人」によるデジタル写真日記。

プールで魚釣り

2023年12月17日 | デジタル写真
初めて小学校に赴任した時の事です。
1、2年生に新たに生活科と言う授業が新設されることになりました。
私が行った小学校は県の推進指定校になっていて、事もあろうに小学校の事は全く知らない私が研修主任という大役を任されました。
色々と話を聞いていたら私の特技が活かせるかもと思って嫌々ながらも引き受けました。
推進指定校になっていたので相当額の特別予算が付いていたようです。
暫くすると頼みもしないのに高価な水槽が10台程が届きました。
何でもこの辺に住んでいる小魚や水生昆虫を飼育して生活科の授業に役立てるなんて低レベルの事から始めようと言う事らしいです。
しかし、餌をあげたり水換えなんかは担当の私がやることになってしまいましたけど・・・・。
1,2年生を担任している女の先生なんかは"魚臭いのは苦手で・・・・。"と全くやる気はありません。
他には鶏やうさぎなどの小動物を飼育する小屋を建て10羽くらいのチャボと文鳥などの小鳥を飼育していました。
で、これらの世話は飼育委員と言うのが居て基本その子たちがやってはくれていたのですが、金網の補修などはこれまた私の仕事です。
当時は私の子達も小学生だったので家でも熱帯魚を飼ったり、アヒルや烏骨鶏なんかも飼っていたので全然苦ではなかったですけどね・・・・。
ある日釣り好きの校長に呼ばれて「この学校の子は釣りも知らない子が多いんだよね・・・・・私が全部段取りするからS先生が教えてあげてよ」という罠にまんまと引っかかってしまい"良いですよ!"と即答してしまいました。
数日後、校長が「準備万端だから明日にでも始められるよ」と言って私を連れて行ったのが学校のプールでした。
学校のプールは時期が終わっても地域の防火用水としての役割上、水は抜かないで張ったままにしておくのが決まりのようです。
シーズンOffの期間は消毒用の塩素は入れないし、水も動かなくなるので底や側面に藻が生えてしまいます。
校長に言わせると鯉は藻を食べるので一石二鳥だとか変な理屈を付けてましたけどね。
なんでも町の魚業組合に掛け合って軽トラ1杯ほどの魚を持ってきてもらったとかで、かなりの数の鯉や鮒が泳いでいました。
早速、釣りをやってみたい子を集めて放課後にプールで魚釣りです。
私が本気を出せば何匹かは釣れるとは思いますが、釣り竿を持った事のない子供じゃまず無理だと思います。
結局全く釣れないままに翌年のプールの時期を迎える事になります。
プール開きの前に高学年の児童が水着になってデッキブラシ片手にプール清掃をするのですが、足元には鯉や鮒が泳いでいて清掃どころではなくて、先ずは泳いでいる鯉や鮒の掴み取りです。(捕まえた魚は子供たちが家に持ち帰ったのかな・・・・??)
普段は嫌々ながらやっている子供たちもその日だけはワイワイキャーキャー言いながら実に楽しそうにプール清掃をしていました。
終わった頃に校長が様子を見にやって来て、まだ底のほうが綺麗になっていないなんて"いちゃもん"を付けてきます。
「ブラシだけだとなかなか落ちないんですよ」と言ったら、何を思ったのか学校に備え付けてあった非常時に使う消火用のホースを持ってきて放水を始めました。
かなりの水圧なので、見る見るうちに綺麗になりましたけど、後で消防署から「こんな事にホースを使うな」と、怒られたらしいです。
"ざまーみろ"ですよね。
でも型破りの校長だったので面白かったのは確かです。
この校長は他にも色んなエピソードがあります。
もう亡くなっている人なので近いうちに紹介しますよ。