Digital photo's diary

自称「暇人」によるデジタル写真日記。

嘘のような本当の話 その2 夜逃げ

2023年11月05日 | デジタル写真
下宿での生活は楽しかったのか辛かったのか・・・・。
何れにせよ50年以上もたった今でもはっきり覚えているので強烈だったことは確かな様です。
同年代の別の学校の先生と電電公社(今のNTT)社員と私の3人の入居人でした。
旅館のばあさんは金の亡者で、何かというとお金の話が出ます。
私が居ない間に部屋に入っていた形跡があります。
証拠はありませんが、物の配置が変わっていたので間違いないかと。
今だったら監視カメラを設置しましたね。
彼方此方を探って電気製品を見つけると電気製品1つに付き下宿代が+100円になります。
内緒で電気毛布とヘアドライヤー・ラジカセを使っていたのが見つかってしまい下宿代が少しUPしました。
私のいた部屋は4畳半くらいの部屋で私が入る前までは布団を仕舞っておく布団部屋だったそうです。
押し入れも収納棚も何もありませんでした。
階段を上ってすぐの所なので酔っ払っていたりすると落ちてしまいそうなところです。
襖で出来たドアと、北側にちっちゃなガラス窓があるだけでした。
自分の布団と段ボールの箱2つの荷物を置くと部屋一杯と言った感じです。
ばあさんがフランスベットの販売員になったらしく下宿代を安くするからベットを買ってくれとしつこく言われました。
こんな狭い部屋にベットは物理的に入らないでしょうに・・・・・。
朝晩2食付きでしたが食事のメニューは毎日同じで ご飯・味噌汁・生卵1個・漬物だけでした。
或る日、夜食を食べていたら途中から急にご飯が冷たくなりました。
他の2人は特に変わりは無かったそうです。
3人で理由を推理していたら原因が分かりました。
その日の朝、バスの時間に間に合わないので私だけ朝食に殆ど手を付けずに出て行きましたが他の二人はちゃんと食べて行ったそうです。
つまり、残った朝飯の上に夕飯を少しだけ盛り付けて出したようです。
勿論対応策を考えました。
ばあさんに直接言うと別に変な事をされそうなので、食べないで残した時には味噌汁をかけてぐちゃぐちゃにしておきました。
案の定、その後冷めたい夕飯は出なくなりました。
ここに居たら何れ病気になるか仕事を辞めなくてはならなくなりそう・・・と思って約8か月後の冬に夜逃げしました。
前もってばあさんに話すと、やれ違約金だの何だのとややこしくなりそうなので友人に頼んで未だ暗い時間に車で迎えに来てもらいました、
前の日に荷物は纏めておいて、下宿のばあさんが寝ているうちにサヨナラです。
こんな劣悪な環境で生活していたせいか、住処や食べ物に関して全くこだわりはありません。
先日入院した時に病室が快適に覚えたのも、病院食がやたらと美味しいと感じたのもこの時の経験が刷り込まれていたからかも知れませんね。