Digital photo's diary

自称「暇人」によるデジタル写真日記。

エピソード6   宿直

2023年11月09日 | デジタル写真
今は死語になっているようですが私が若い頃には宿直と言う業務がありました。
宿直と言うのは夜間勤務の形態で、ザックリ言うと学校に誰かが泊まって非常事態に備えて待機している事です。(男性だけ該当)
今ではセコムなどで対応しているようですが、当時は職員が当番で泊まってセコムのように見回りなんかをしていた訳です。
夕方と夜の10~11時、明け方の4~5時位の3回、校舎内を懐中電灯片手に見回ります。
誰も居ない夜中の学校は怖いですよ!!
特に理科室に置いてあった人体模型は懐中電気で照らすとボーッと浮かびあがり何度見ても気味が悪いので明るいうちに見えない場所に移動しておきました。
意地の悪い先輩から「夜中に誰も居ない音楽室でピアノの音が聞こえた」なんて脅かされたりしました。
年配の先生方は自分の家に帰りたいので宿直を嫌がります。
なのでほぼ毎日の様に頼まれて宿直をしていました。
私は独り身だったので何処で寝ても関係ないですから・・・・。
しかも、宿直をすると良い事が沢山あります。
一番は宿直手当と言うのが支給される事です。
夜間手当なので昼間の手当てより割が良かった筈です。
私はほぼ毎日宿直していたので宿直手当だけで給料には手を付けずに生活出来たと思います。
贅沢はしませんでしたし、何よりも超田舎なのでお金を使う所も無かったのでお金には苦労しませんでしたね。
宿直を代わると先輩方が気を使ってくれて、夕食は近くの食堂から出前が届きました。
下宿にはテレビも、電話も無かったのでテレビを見ながら彼方此方の友達や実家に電話をかけるのが楽しみでしたね。
8時頃になると決まって窓ガラスにチラチラと懐中電灯の光が写ります。
宿直室の窓をトントンと叩く音が聞こえ、開けると出前を持った食堂のおばちゃんが「アレー今日もS先生ですか・・・。〇〇先生から頼まれて夕飯をお持ちしました」と言って窓から夕食の入った岡持ち(おかもち)を渡されます。
食堂が近かったのでどんぶりの蓋を開けると未だ湯気が立っています。
温かいご飯がタダで食べられて、テレビが見られて電話も掛けられ、お金までもらえるのですから宿直は私の生活にとってなくてはならないものになってしまいました。
いっその事、家財道具を運び込んでここに住み着こうか・・・・とも思ったのですが、それは決まりで駄目だと言われました。
所が良い事ばかりでもありません。
凍結した理科室の水道管が夜中に破裂したらしく目が覚めたら廊下が川になっていた事も有りましたし、一度だけですが夜中に泥棒に入られた事もありました。
当時は給食費や修学旅行の積立金など巾着袋みたいのに入れて職員室の机の中に入れておくのが当たり前でしたし、OHPみたいな高価な教育機器なんかもありましたからね。
でも、被害はありませんでした。

これが人体模型です。