ボイシー日記

手がふさがっていては、新しいものは掴めない。

小沢章友「龍之介地獄変」。

2011-05-12 15:26:38 | 
小沢章友の「龍之介地獄変」を読んだ。
図書館で「龍之介地獄変」というタイトルを見て、
つい手に取ってしまった。
知らない作家だったけど、一気に読めて面白かった。

芥川龍之介が自殺する前の3日間の話を、
たくましい妄想力(?)で書き上げている。
芥川龍之介と彼のドッペルゲンゲル、そして
作品にでていたさまざまな人物が登場する。
「父」にでていたロンドン乞食、「南京の基督」の金花、
「邪宗門」の堀川の若殿など。
私生活の友人・女人関係も、事実と想像力を交えて描かれている。
たとえば帝国ホテルで自殺未遂となった平松麻素子とのことや
映写技師の妻であった秀しげ子との事など。

いってみれば、年譜やエピソードをもとに、
勝手に、死ぬ最後の3日間でオールスター登場!
みたいな流れの小説なのだが、それはそれで楽しめた。
この本で、初めて知ったという事も多く、参考になりました。

文章、セリフなどもほとんど作品からのもので、
もう忘れていたストーリーなども、あらためて思い出された。
「沼」などという小品から書かれているモチーフもあり、
再度、芥川を読みたい衝動にかられた。
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