ボイシー日記

手がふさがっていては、新しいものは掴めない。

石割透編「芥川竜之介書簡集」。

2011-06-01 15:33:05 | 
石割透編「芥川竜之介書簡集」を読んだ。
で、そのなかの斎藤茂吉宛の手紙に
「このごろ半透明なる歯車あまた右の目の
視野に廻転する事あり」という一文があり、
ちょっと前「芥川龍之介の死」で書いた
歯車の話は間違っていたのに気づきました。
彼自身、眼科の奇病「閃輝暗点」の発作に
しばしば悩まされていて、
目の中で歯車がまわる話をまわりの人にしていた。
たいへん失礼しました。

ほかにも、親しい友人への手紙には、
内外の芸術に関する厳しい意見があり
あの人の絵はしょうもないとか、
あの人の小説はぜんぜんだめとか。。
妥協を許さないというか、理想が高いというか、
完璧主義が垣間みれました。
自然主義作家の田山花袋などは、
自然主義を標榜しながら自然主義の小説を書けていなくて
それはまるで、ハゲた男が毛生え薬の広告を
しているようだと書いていたり。
けっこうおちゃめな手紙もあります。
コメント
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