俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

松の芯

2023-04-25 | 俳句・春・植物

 

 

曇り日も走る人をり松の芯

 

 

 

 

 

 

松の新芽のことをいう。

 

 

 

 

 

 

松は、晩春の頃、枝先に蠟燭のような新芽を幾本も直立させる。

 

 

 

 

 

 

成長が早く、生命力旺盛なさまは、まさに「緑立つ」の語にふさわしい。

 

 

 

 

 

 

陰鬱な曇り日であった。

だが、ジョギングコースには走る人がいた。

 

 

 

 

 

緑立つ音なき午後の駐屯地

 

 

 

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花水木

2023-04-24 | 俳句・春・植物

 

 

青空の似合ふ花なり花水木

 

 

 

 

 

 

ミズキ科の落葉小高木。

北アメリカ原産。

花が同族のヤマボウシに似、大正四年にアメリカから渡来したので、アメリカ山法師ともいう。

 

 

 

 

 

 

四月頃、葉の出る前に小枝の先に白色または紅色の四枚の大きな苞葉に包まれた花をつける。

苞葉の先端がへこんでいる点が、日本の山法師と異なる。

その中心に緑黄色の小花が集まる。

 

 

 

 

 

 

園芸品種には、総苞が淡紅色のベニバナハナミズキがある。

 

 

 

 

 

 

街路樹の花水木が満開となっていた。

見上げていると、この花は青空が似合う花だなあとつくづく思った。

 

 

 

 

 

すれすれに自転車通り花水木

 

 

 

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竹の秋

2023-04-23 | 俳句・春・植物

 

 

蹲踞に落つる水音竹の秋

 

 

 

 

 

 

竹は三~四月に地中の筍を育てるために、一時的に葉が枯れたように黄ばんでくる。

 

 

 

 

 

 

その状態が他の落葉樹の秋の様子と似ているので、「竹の秋」という。

 

 

 

 

 

 

陰暦三月の異名ともなっている。

 

 

 

 

 

 

庭園に大きな蹲踞があり、筧から水が落ちてかすかな水音がしていた。

回りの竹は黄ばんで、竹の秋となっていた。

 

 

 

 

 

直売の野菜に人や竹の秋

 

 

 

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小手毬の花

2023-04-22 | 俳句・春・植物

 

 

こでまりや乳母車の児深眠り

 

 

 

 

 

 

バラ科の落葉低木。

中国原産。

日本には江戸時代中期に渡来したとされる。

 

 

 

 

 

 

四~五月頃、白色五弁の小花を丸く集まってつける。

花を手毬状につけるのでこの名がある。

 

 

 

 

 

 

庭や公園に植えられ、切り花としても利用される。

 

 

 

 

 

 

道端に小手毬が咲いていた。

その前を乳母車が通ったが、赤子はぐっすりと眠っていた。

 

 

 

 

 

小手毬の花八方に揺れてをり

 

 

 

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都忘れ

2023-04-21 | 俳句・春・植物

 

 

道端に屈みて都忘れかな

 

 

 

 

 

 

キク科の多年草。

本州以西の山地に自生する深山嫁菜の園芸品種。

 

 

 

 

 

 

江戸時代から観賞用として栽培され、花壇や庭などに植えられるが、切り花や鉢植えにも利用される。

 

 

 

 

 

 

四~五月頃、小菊に似た花をつける。

淡い青紫色の舌状花と黄色の筒状花から成る。

花色は紫紺が多いが、赤紫、紺、桃、白などもある。

 

 

 

 

 

 

川に沿った散策路の傍らに都忘れがたくさん咲いていた。

立ち止まって屈み、夕日を受けている都忘れを眺めた。

 

 

 

 

 

業平を想ひて都忘れかな

 

 

 

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