俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

南瓜の花

2018-05-31 | 俳句・夏・植物




花南瓜ほまち畑めく段畑に



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ウリ科の一年生果菜。

アメリカ大陸原産。

江戸時代にポルトガル船によって豊後にニホンカボチャが

伝えられたのが最初。

六月頃、黄色の大きな花をつける。







右端の径が出津(しつ)教会から出津救助院へとド・ロ神父

が毎日通っていた道(上から下へ)で、左側の小さな段畑に

南瓜の花が咲いていた。




ド・ロ神父像



ド・ロ神父は、外海(そとめ)の貧しい人々に私財を投じて

索麵やスパゲッティの作り方を教え、工場を作ったり、教会

を建てたりして人々の暮らしを豊かにした。

今でもド・ロ様と呼ばれて敬愛されている。




旧出津救助院



ド・ロ神父が女性の自立支援のための作業場として1883年

(明治16)に建て、織物、縫物、索麵などの食品加工

を行った施設である。







木造二階建ての一階は作業場、二階は修道女の生活の場

で、左の大時計(フランス製)が15分に一回鐘を鳴らし、そ

の都度作業の手を止めて祈っていたという。

この時計は現在も動いており、15分に一回の音を聞いた。

それは、「チン」と一回鳴るだけのものであった。






ド・ロ様と今も慕はれ花南瓜



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ゼラニューム

2018-05-30 | 俳句・夏・植物




キリスト像の上の晴間やゼラニューム



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フウロソウ科の多年草。

南アフリカ原産。







品種が多く、世界で最も多く栽培されている花の一つ。

日本に渡来したのは幕末の頃とされる。

観賞用に栽培される。







五~六月頃、長い花柄の先に、赤、白、桃色、絞りなどの

五弁花を多数つける。




出津教会



長崎県外海にある出津(しつ)教会を訪れた。

1879年、ド・ロ神父が赴任し、出津教会の設計に着手、

1882年に完成した。

この教会にはステンドグラスがなく、窓は透明ガラスの片開

窓となっている。

また、出津教会は大野教会とともに世界遺産候補に指定

されている。







朝の雨が上がり曇であったが、ここにきてキリスト像の上だ

けがぽっかりと雲が空いて、青空が覗いていた。

手を広げるキリスト像の前の道端に、ゼラニュームが真っ赤

に咲いていた。






ゼラニューム信仰の地を歩きゐて



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百合

2018-05-29 | 俳句・夏・植物




白百合や御手を広げてマリア像



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ユリ科の多年生球根草の総称。







北半球の亜寒帯から亜熱帯にかけて90種以上が分布し、

また観賞用に多く栽培されている。

初夏から秋にかけて大輪の花を咲かせる。

花色は、赤、桃、白、橙、紫など様々。




黒崎教会


長崎の外海(そとめ)の教会を巡った。

その一つ、黒崎教会は川原忠蔵という日本人により施工され、

1920年に完成した煉瓦造の建物。







庭には白百合が沢山咲いていた。

建物の前のマリア像は御手を広げて、信者を受け入れる

ポーズをとっていた。




大野教会



大野教会はド・ロ神父が考案した「ド・ロ壁」という石組により

造られており、1893年に完成した建物。

この教会の下の草地に次の百合が咲いていた。






海青く俄に霽れて百合の花



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梅雨きざす

2018-05-28 | 俳句・夏・時候




長崎の夜景潤むや梅雨きざし



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梅雨の始まる気配が感じられることをいう。







長崎の稲佐山にバスで上って夜景を観賞した。

長崎は、香港、マカオとともに世界新三大夜景都市に認定

されている。

空は梅雨曇のような状態で、街の灯が潤んで見えた。




枯松神社


キリシタン神社への磴梅雨兆す




祈りの岩


梅雨きざすオラショ口伝の岩陰も



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初夏

2018-05-27 | 俳句・夏・時候




禅寺の参道の木や夏はじめ



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初の初めで、立夏を過ぎた五月に当たる。







新緑の頃のすがすがしい季節である。







木々の緑を渡る風に、太陽のきらめきに、いかにも夏の初め

のこころよさがある。







神奈川県鶴見の総持寺を初めて訪れた、

ここは曹洞宗の本山、禅寺である。







鶴見駅から近いにもかかわらず、大木が茂り、静かである。

作務僧が緑蔭で地蔵の頭巾や前垂れを新しいものと替えて

いた。

初夏の感じがした。






初夏や鐘楼を掃く僧のゐて



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