俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

春近し

2024-01-31 | 俳句・冬・時候

 

 

飼主に先立つ犬や春隣

 

 

 

 

 

 

春がすぐそこまで来ていることをいう。

 

 

 

 

 

 

冬も終わりの頃になると暖かい日もあり、目にふれる樹木の姿、日の光にも春の気配が漂う。

 

 

 

 

 

 

同種の季語に「春待つ」があるが、こちらは主観的で、春を待ちわびる気持ちが強い。

 

 

 

 

 

 

犬の散歩をしている人がいた。

犬が先立って飼い主をぐいぐいと引っ張っていた。

それを見て、春がそこまで来ていることを感じた。

 

 

 

 

 

春近し夕日の中の立ち話

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒紅梅

2024-01-30 | 俳句・冬・植物

 

 

寒紅梅禅寺の森抜けてきて

 

 

 

 

 

 

寒中に咲く濃い桃色の花の梅をいう。

 

 

 

 

 

 

紅梅はバラ科の落葉高木。

中国原産。

 

 

 

 

 

 

観賞用に庭木とされるほか盆栽にも仕立てられる。

 

 

 

 

 

 

禅寺の広い森の間を抜けてくると、農家の庭に寒紅梅が咲いていた。

青空に映えて美しかった。

 

 

 

 

 

自転車の少女寒紅梅ちらと

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬深し

2024-01-29 | 俳句・冬・時候

 

 

冬深し畑の向かうに富士見えて

 

 

 

 

 

 

一年で最も寒さの極まる時期のことをいう。

 

 

 

 

 

 

自然も人の暮らしもすっかり冬一色である。

 

 

 

 

 

 

「冬深む」は、冬が深くなるという意味で、慣用的に用いられている。

 

 

 

 

 

 

畑の向こう側に富士山が望められた。

はっきりと見えるので、一層冬が深くなった感がした。

 

 

 

 

 

真冬日の幹の黒影うねりをり

 

 

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名の木枯る

2024-01-28 | 俳句・冬・植物

銀杏

 

 

銀杏枯れいよよ深まる空の紺

 

 

 

 

 

 

欅、銀杏、櫟、蔦など、一般に名をよく知られた落葉樹が、冬に葉を落としきって枯木となることをいう。

 

 

 

鬼胡桃

 

 

 

「名の木枯る」とは詠まず、「欅枯る」「銀杏枯る」などと、それぞれの木の名を冠してつかう。

 

 

 

 

 

 

 

似たような季語に、「枯木」「冬木の桜」「枯柏」「枯欅」などがあるが、混同しないように使いたい。

 

 

 

 

 

 

葉をすっかり落とした銀杏があった。

空はいよいよ紺色を深くした。

 

 

 

 

 

枯櫟夕日当たれば夕日色

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒暮

2024-01-27 | 俳句・冬・時候

 

 

歩ききし方振り返る寒暮かな

 

 

 

 

 

 

冬の夕暮をいう。

 

 

 

 

 

 

冬の暮とおおむね同義だが、硬質な言葉の響きが、柔らかな冬の暮とは異なる印象がある。

 

 

 

 

 

 

春の暮、秋の暮のような伝統的本意はないが、寒さの厳しいなかでのしみじみとした情感はある。

 

 

 

 

 

 

散策をして、歩いてきた道を振り返ると、いつの間にか寒暮となっていたことよ。

 

 

 

 

 

山見つつ寒暮の坂を下りけり

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする