薄墨の雲より出でぬ後の月
陰暦九月十三日の夜の月をいう。
名月に対して後の月という。
この夜が十三夜。
名月とともに二夜の月といって月見をするが、秋も深まり、十五夜の華やかさはなく、そのもの寂びた趣を楽しむ。
枝豆や栗を供えて祀るため、豆名月、栗名月ともいう。
薄墨色の雲に隠れていた後の月が、ぐんぐんと顔を出してきた。
久々に美濃より電話十三夜
薄墨の雲より出でぬ後の月
陰暦九月十三日の夜の月をいう。
名月に対して後の月という。
この夜が十三夜。
名月とともに二夜の月といって月見をするが、秋も深まり、十五夜の華やかさはなく、そのもの寂びた趣を楽しむ。
枝豆や栗を供えて祀るため、豆名月、栗名月ともいう。
薄墨色の雲に隠れていた後の月が、ぐんぐんと顔を出してきた。
久々に美濃より電話十三夜
振返る秋の夕日を眩しみて
秋分を過ぎると太陽は次第に南下する。
日差しも衰え、目に見えて日暮れが早くなる。
だが、美しい秋の夕日には郷愁を感じさせるものがある。
振返って秋の夕日を見た。
夕日は眩しかった。
一万歩歩いてきたり秋没日
ジェット機の高くて小さし鰯雲
気象学でいう巻積雲のことで、晴天に広がるさざ波に似た小さな雲片の集まりをいう。
鰯が群れるように見えるので鰯雲、鱗のように見えるので鱗雲、鯖の斑紋のように見えるので鯖雲などと呼ばれる。
この雲は前線付近に発生しやすく、雨が降る前兆とされる。
この雲が現れると、鰯が大量に獲れるという。
全天に鰯雲が現れていた。
その下を一機の旅客機と見られるジェット機が飛んできた。
機体は高く、小さく見えた。
そのため、鰯雲の一片が大きいことも分かった。
歩くこと始めて五年鰯雲
幾度も仰ぎ雲間のけふの月
陰暦八月十五日の月をいう。
いわゆる仲秋の名月である。
今年は十五夜と望月が重なり、次回は七年後という。
一年中でこの月が最も澄んで美しいとされる。
穂芒を指し、月見団子や新芋などを供えて月をまつる。
今夜は仲秋の名月。
だが、雲が張り出して流れ、雲間から時々顔を出す月を拝した。
今度は見られるかと、何度も窓から空を仰いだ。
名月を小樽のひとも見をらむか
東福寺方丈八相の庭
方丈の庭の砂紋や秋日影
秋の日の光、日差しをいう。
通天橋
秋の日は澄んでいて明るい。
だが、秋分を過ぎると日差しは次第に衰えてくる。
東福寺の方丈にある八相の庭には、海を表す砂紋が見られる。
その砂紋に秋の日が差していた。
東福寺開山堂(常楽庵)の伝衣閣(でんねかく)
秋日濃し常楽庵の伝衣閣