雲切れて溝蕎麦に差す夕日かな
タデ科の一年草。
水辺や湿地に群生する。
八~十月頃、茎の先端に白、薄紅、淡緑などの細かい花を固まってつける。
今年は暑すぎた所為か、十月になって咲き出した。
葉の形が牛の額に似ているところから、別名「牛の額」ともいう。
川べりに溝蕎麦が群生していた。
曇っていた雲が切れて、溝蕎麦に夕日が差してきた。
溝蕎麦や少年犬に曳かれゐて
雲切れて溝蕎麦に差す夕日かな
タデ科の一年草。
水辺や湿地に群生する。
八~十月頃、茎の先端に白、薄紅、淡緑などの細かい花を固まってつける。
今年は暑すぎた所為か、十月になって咲き出した。
葉の形が牛の額に似ているところから、別名「牛の額」ともいう。
川べりに溝蕎麦が群生していた。
曇っていた雲が切れて、溝蕎麦に夕日が差してきた。
溝蕎麦や少年犬に曳かれゐて
ツマグロヒョウモン(雄)
川縁の草に執して秋の蝶
モンキチョウ(雌)
秋に見られるすべての蝶をさしていう。
秋にはせせり蝶や蜆蝶など、地味な蝶が多く目につく。
晩秋になると蝶の数も減り、飛び方も弱々しくなる。
秋の蝶が飛び回っていた。
その蝶は時々川縁の草の花に止まり、執しているように見えた。
モンキチョウ(雌)
秋蝶の草に隠るることもよし
畑の上を惜しむかに舞ふ帰燕かな
春に渡ってきた燕が、秋に南方へ帰ってゆくことをいう。
秋に、電線や蘆原などに燕の一群が集まっているのを見かける。
これは、南方へ帰る準備なのである。
「燕帰る」等はその燕を見送る気持ちを感じさせる季語である。
燕の群れがいつの間にかいなくなると、淋しく感じられる。
数羽の燕が畑の上を惜しむかのように舞っていた。
正に帰燕であった。
電線に胸の白さの秋燕
夕暮の川を離れぬ蜻蛉かな
トンボ目の昆虫の総称。
大きな複眼の頭部と左右二組計四枚の網模様の翅のつく細長い胴、腹部を持つ昆虫。
夏から秋遅くまで様々な種類が見られる。
成虫、幼虫ともに肉食で他の昆虫を捕食する。
日本の古称「あきつしま」は蜻蛉の古名「あきつ」に因む。
夕方の川には蜻蛉が沢山群れをなして飛んでいた。
そして、川から離れる様子はなかった。
我が回りまはる蜻蛉や畑道
みんみん蟬
秋蟬の声の強きが哀れなり
油蟬
立秋を過ぎても鳴く蟬のことで、特定の種類をさすものではない。
油蟬
法師蟬や蜩は秋になって鳴くので秋の蟬とされているが、夏から引き続き鳴く油蟬やみんみん蟬などもまだ多い。
にいにい蝉
秋の蟬は季節を感じ取るのか、澄んだ響きのある声で鳴く。
みんみん蟬
秋の蟬は鳴き方が淋し気になると言われているが、まだ秋になったばかりなので、最後の力を振り絞るかのように大きな声で鳴いていた。
それがかえって哀れであった。
法師蟬
文人の兼好が好き法師蟬