俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

冬の月

2009-12-31 | 俳句・冬・天文


自転車に蹤(つ)いてきにけり冬の月

寒々と冴えた月。冬の月は冷たく煌々と照り、見る人の心も冷え冷えとしてくる。自転車を走らせていると、月がずうっとついてくる。これはどの季節の月でも同じだが、冴え冴えとした冬の月にこそ人を追いかけてくる感じが強くした。

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独り言(ご)つ冬満月を仰ぎゐて


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年の夜

2009-12-31 | 俳句・冬・時候


年の夜や家々の灯と満月と

大晦日の夜のこと。「除夜」ともいい、夜半十二時頃から除夜の鐘が打ち鳴らされる。古い年を送り、新しい年を迎える。年の夜に丘に登ると、年を送る家々の灯が明るく点り、満月が煌々と照らしていた。人には誰にも会わず、ひとり年を送っていた。

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丘に立ち除夜の灯近く遠くせり


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冬の雲(3)

2009-12-30 | 俳句・冬・天文


冬雲の張り出してきし池の上

全くの晴天だったのが、遠くの方に白い雲がいくつか浮かんだかと思うと、いくらもしないうちに大きな雲が張り出してきて太陽を隠すまでになった。冬の雲は棉のように白いのはよいが、黒々として空を覆うようになると一瞬にして寒くなる。そこが他の季節の雲とは異なっているといえる。

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散策の日を隠したる冬の雲


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寒椿

2009-12-29 | 俳句・冬・植物


散策の艶なるときや寒椿

冬季に咲く椿。「冬椿」ともいう。早咲きの種類である場合と暖地で野生の藪椿が早く咲く場合とがある。園芸種の「寒椿」と呼ばれる八重咲きのものは山茶花で、ここでいう「寒椿」とは別種。冬季で花がほとんどない中、寒椿を見つけた時は艶なる感じがした。

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雲流れ再びの日矢冬椿


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枯蘆(3)

2009-12-28 | 俳句・冬・植物


枯蘆の日に輝けば足らひけり

朝はよく晴れていたが、次第に雲が多くなってきた。枯蘆は雲っていると冴えない色で、写真に撮っても見栄えがしない。あきらめて帰ろうとしたとき、俄に晴れてきた。もう一度走って枯蘆のところに引き返した。日に輝く枯蘆は殊のほか美しかった。

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身を隠すには枯蘆と決めにけり


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コメント (2)
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