goo blog サービス終了のお知らせ 

俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

春光

2025-04-09 | 俳句・春・天文

 

 

川中の鷺にも春の光あり

 

 

 

 

 

 

春光は本来、春の景色や春の有り様をいう言葉だが、麗かな春の眺めが、明るい日差しの降りそそぐなかにあるところから、狭義の春の日光の意に用いられることが多くなった。

 

 

 

 

 

 

春の訪れを待つ心に、明るい空の光こそ最も春を感じさせるからであろう。

 

 

 

 

 

 

春色、春の色、春の匂、春望などという言葉もある。

 

 

 

 

 

 

埼玉県本庄市の若泉公園を訪れた。

満開の桜を観るためである。

そこには、「春光」と呼ぶにふさわしい春の景色が広がっていた。

桜並木の川には白鷺がいて、白鷺にも春の光が降りそそいでいた。

 

 

 

 

 

春光や子を抱く人が川岸に

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花の雨

2025-04-01 | 俳句・春・天文

 

 

長靴を履いてポストへ花の雨

 

 

 

 

 

 

桜の咲く頃に降る雨をいう。

 

 

 

 

 

 

また、眼前に見上げる桜の花に降りそそいでいる雨をいう場合もある。

 

 

 

 

 

 

これから花見を楽しもうとする人には、「花を散らさないでほしい」と祈りたくなる雨でもある。

 

 

 

 

 

 

今日は、花の雨となった。

水溜りが多いので、長靴を履いてポストへと向かった。

 

 

 

 

 

誰(た)もをらぬ道も楽しや花の雨

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花曇

2025-03-28 | 俳句・春・天文

 

 

猫歩く堤のなぞへ花曇

 

 

 

 

 

 

桜が咲く頃の曇天をいう。

 

 

 

 

 

 

桜の咲く頃、冬と夏の季節風の変わり目にあたり、小低気圧が次々と移動する。

なま暖かい曇りの日々が続くと、愁いがちな気分になる。

 

 

 

 

 

 

養花天は雲が花を養う日和のこと。

花曇と同義語。

 

 

 

 

 

 

花曇の暗い空となっていた。

そんな川堤の斜面の草地を、猫がゆっくりと歩いていた。

 

 

 

 

 

養花天夢追ふことを大切に

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の月

2025-03-14 | 俳句・春・天文

 

 

時折の風音ありぬ春の月

 

 

 

 

 

 

古来、秋の月はさやけさを愛で、春の月は朧なるを愛でる。

 

 

 

 

 

 

ただ、朧にならなくとも、親しみやすい明るさと艶なる風情がある。

 

 

 

 

 

 

窓を開けると明るい春満月が出ていた。

だが、時折、天空を渡る夜風の音が聞えた。

 

 

 

 

 

寝る前のボッケリーニや春月夜

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春陰

2025-03-06 | 俳句・春・天文

 

 

春陰や温かきもの自販機に

 

 

 

 

 

 

春の曇りがちな天候をいう。

 

 

 

 

 

 

漢詩に由来する漢語だが、近代以降、季語として使われるようになった。

 

 

 

 

 

 

春は明るいイメージがあるが、「春陰」は憂いを帯びた陰りを感じさせる。

 

 

 

 

 

 

空はどんよりと曇り、春陰となった。

何か温かいものを求め、自動販売機へ向かった。

 

 

 

 

 

春陰やアンテナに鳥一羽きて

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする