俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

晩春・春深し

2024-04-21 | 俳句・春・時候

 

 

晩春や悟りの窓は円き窓

 

 

 

源光庵(京都市北区)

 

 

 

春を三分した初春、仲春、晩春の三番目のこと。

 

 

 

源光庵本堂

 

 

 

二十四節気の清明(四月五日頃)から立夏(五月五日頃)の前日まで、陽暦の四月に相当する。

四月も半ばを過ぎると、春もそろそろ終りという気分が強くなる。

 

 

 

源光庵本堂内の血天井

 

 

 

「春深し」は桜の季節を過ぎると、風物の様子にどことなく春も盛りを過ぎたと感じられる頃のことをいう。

写真は、伏見桃山城の遺構であり、慶長五年七月(1600年)徳川家康の忠臣・鳥居彦右衛門元忠一党千八百余人が、石田三成の軍勢と交戦したが、武運拙く討死し、残る三百八十余人が自刃して相果てたときの恨跡。(源光庵のリーフレットより)

 

 

 

 

 

 

源光庵の円形の窓は「悟りの窓」といい、角形の窓は「迷いの窓」という。

それぞれ円型は大宇宙を表現し、角型は人間の生老病死の四苦八苦を表しているという。

窓の景色からは晩春が感じられた。

 

 

 

 

 

春深し足跡残る血天井

 

 

 

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麗か

2024-03-30 | 俳句・春・時候

 

 

麗かや親子がボール遊びして

 

 

 

 

 

 

すべてのものが春光を浴びて、明るく気持ちよく見えるさまをいう。

 

 

 

 

 

 

心地よい温度のみならず、光線の明るさが中心にあるといえる。

 

 

 

 

 

 

「長閑(のどか)」に似ているが、長閑はもっと心理的な要素が含まれているように感じられる。

 

 

 

 

 

 

今日は風もなく、穏やかで、少し暑いくらいであった。

正に麗らかな一日で、公園では親子がボール遊びをしているのがあちこちで見られた。

 

 

 

 

 

公園の芝に自転車うららけし

 

 

 

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春寒(はるさむ)

2024-03-02 | 俳句・春・時候

 

 

春寒し川辺の石に石叩き

 

 

 

 

 

 

早春の寒さのことをいう。

 

 

 

 

 

 

「余寒」や「冴返る」と同じであるが、すでに春になった気分が強い。

 

 

 

 

 

 

「料峭」は春風が寒く感じられることをいう。

 

 

 

 

 

 

今日は気温が低く、春寒しという感があった。

川に行くと、川辺の石に鶺鴒がいて尾を振っていた。

 

 

 

 

 

料峭や帽子目深きジョガーゐて

 

 

 

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冴返る

2024-02-21 | 俳句・春・時候

 

 

イヤホンはシベリウスなり冴返る

 

 

 

 

 

 

立春を過ぎて暖かくなりかけた頃に、また寒さが戻ってくることをいう。

 

 

 

 

 

 

再びの寒気によって、心身の澄み渡るような感覚が戻ってくる。

 

 

 

 

 

 

早春の寒さという点では「余寒」「春寒」と似ているが、「冴え」という言葉からは、色や光のより感覚的な働きがある。

 

 

 

 

 

 

散策するときはイヤホンをつけて音楽を聴いている。

シベリウスの曲を聴き、冴え返った感が更に深まった。

 

 

 

 

 

寒戻る木を映しゐる潦(にはたづみ)

 

 

 

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雨水

2024-02-19 | 俳句・春・時候

 

 

黒雲の速き流れも雨水かな

 

 

 

 

 

 

二十四節気の一つで、陽暦二月十九日頃に当たる。

 

 

 

 

 

 

降る雪が雨に変わり、積もった雪や氷が解けて水となるとの意から、雨水という。

 

 

 

 

 

 

雨水直前の朔日が旧正月(春節)であり、旧正月の日付を決める基準である。

 

 

 

 

 

 

雨水の今日は曇り、一時雨も降った。

黒い雲の流れが速いのも雨水であると思った。

 

 

 

 

 

雨水かな浅瀬を鯉の泳ぎゐて

 

 

 

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