俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

行く年

2012-12-31 | 俳句・冬・時候


行く年や雑木林に空透けて

暮れゆく年。「年末」や「年の瀬」という慌ただしさを感じさせる語とは違い、「行く年」には過ぎてゆく年を惜しみ、振り返る心持がこめられている。今年も早大晦日となってしまった。行く年を惜しみ、外に出てみた。すると、雑木林もすっかり葉を落とし、向こうの空が透けて見えるほどであった。

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年逝くや富士山(ふじ)の裾野に日の入りて


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冬夕焼

2012-12-30 | 俳句・冬・天文


湖の縁にふたりや冬夕焼(ふゆゆやけ)

冬に見られる夕焼。夏の夕焼とは違い、冬のものはしばしの間で、たちまち薄れてしまう。さいたま市の彩湖に行った。ここは荒川第一調節地で公園として整備されている。たまたま夕暮時に行ったので、湖面に映る冬の夕焼が見られた。その湖に一組のカップルがいて、男性は女性をモデルにして盛んに写真を撮っていた。二人のシルエットがまた絵になった。

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冬茜富士山(ふじ)黒々と現れて


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塩鮭

2012-12-29 | 俳句・冬・人事


塩鮭を切る包丁を選びけり

塩漬にした鮭。生鮭の腹部を開き、内臓などを取り出したあと、腹腔などに塩を詰め、回りにも塩を撒いて積み上げる。甘塩をして鮭を縄で巻いたものを新巻という。歳暮の贈答品として多く用いられる。塩鮭を買ってきたが自分で切るのは大変である。先ず、切れそうな包丁選びから始めた。

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新巻を提げ帰る気はなかりけり


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ずわい蟹

2012-12-28 | 俳句・冬・動物


荒海を見てきて選ぶずわい蟹

クモガニ科の蟹。山陰地方では松葉蟹、北陸地方では越前蟹と呼ばれる。日本海、ベーリング海などの寒流域に分布。長い脚を持ち、甲は丸みのある三角形。雄の方が雌より大きい。冬は美味。日本海の荒波を見たあと、水産物専門店でずわい蟹を選んだ。脚が思いのほか細く感じた。

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「安いよ」と越前蟹を売る男


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枯蘆(2)

2012-12-27 | 俳句・冬・植物


枯蘆の倒るるほどの風なりし

寺泊の浜に枯蘆が見られた。日本海から吹き付ける強風で、枯蘆は倒れるようにして靡いていた。厳しい自然がそこにはあった。

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枯蘆を吹く風に声奪われぬ


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