俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

敗荷(やれはす)

2017-10-31 | 俳句・秋・植物




敗荷の傾きてなほ留まれり



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晩秋に、蓮池や蓮田を覆っていた大きな葉が風などで破ら

れた蓮をいう。







秋が深まると共に、蓮の葉は枯れ、茎も折れて無残な姿と

なる。







葉が破れた蓮が傾いていたが、そのまま留まっていた。






敗荷の水に映りて風もなし



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2017-10-30 | 俳句・秋・植物




窯元の柿や昼の日存分に



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柿は日本に約九百種あり、外国でもKAKIとして通用する

日本を代表する果物。







柿は本来は渋く、渋の成分であるタンニンが凝固して水に

溶けなくなると甘く、凝固しないままだと渋い。







窯元の裏庭に柿がたわわに生っていて、昼の日差しが存分

に当たっていた。。






焼物の町に煙突柿の秋



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鰯雲

2017-10-29 | 俳句・秋・天文


旧閑谷学校


頼山陽来し学び舎や鰯雲



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巻積雲または高積雲のことで、小さな雲片がさざ波のように

集まり、空一面に広がる。







鰯の群れのように見えるので鰯雲、魚の鱗のように見える

ので鱗雲、鯖の斑紋のように見えるので鯖雲などと呼ぶ。







旧閑谷学校を訪れた。

ここは、岡山藩主池田光政が庶民の教育を目的として寛文

十年(1670年)に設立した郷学である。







また、この講堂は学校建築として唯一国宝に指定されてい

る。

ここには、頼山陽、大塩平八郎、横井小楠などが来遊して

いるという。

折しも、旧閑谷学校の上に鰯雲が出ていた。




備前焼窯元の煉瓦煙突


窯元の煙突赤しいわし雲



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秋の暮

2017-10-28 | 俳句・秋・時候




気のつけば人影のなし秋の暮



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秋の夕べ、夕暮時をいう。







秋季の終りを意味する「暮の秋」とは区別する。







清少納言の『枕草子』には、「秋は夕ぐれ」とある。

秋のしみじみとした情緒は夕暮にこそある。







古来多くの詩歌に詠まれ、中でも『新古今和歌集』の三夕

の歌は殊に名高い。







岡山城の見学に時間を費やしたので、後楽園には閉門五時

の十五分前に入り、急いで中を見て回った。

日が暮れてきて辺りを見回すと、誰もいなくなっていた。






繊月を弓手に帰る秋の暮



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穭(ひつじ)

2017-10-27 | 俳句・秋・植物




穭穂のすつくと濃かり風もなく



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稲を刈ったあとの切り株から、みどりの芽が再び萌え出た

ものをいう。







それが田一面に広がったものが「穭田」である。







晩秋の田の面を青く彩るが、結実はしない。







穭の穂が青々としてすっくと伸びていたが、風がなく揺れて

はいなかった。






穭田の映す夕空ありにけり



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