山羊のひとり言

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悪禅師

2012-06-14 13:01:01 | 本と雑誌
永井路子の直木賞受賞作「炎環」の第Ⅰ章「悪禅師」は、頼朝の弟である(幼名・今若)阿野全成の物語です。頼朝を陰で支え、他の弟たちと異なり頼朝に疎まれないように振る舞い、でも、いつかは実権を夢見た、男の生き様を描いています。
永井路子の筆致は、まるで、ドキュメンタリーを見るようで、知るはずもない全成の生きざまが、まるで今、そこにあるように、目の前に広がります。
小説が真実のように感じさせられる作品です。