小野不由美の十二国記シリーズの「図南の翼」を読みました。
十二国記シリーズは、読みたいと思い、数年前にシリーズの作品をほとんど買っていたのに、何故かもったいない気がして読んでいなかった作品です。ある意味で、待望の作品です。
これは、十二歳の女の子が王になることを目指して(実際には王になろうとしない大人を叱咤するために)頑張る姿を描いています。そして、本当に王になる話です。そのサクセスストーリーは、映画「ロッキー」にも通ずる感動的作品です。
ただ、この作家の難点は、それが意図的であることは明白ですが、表現に漢字を多用し、格式的でやや難解的なことです。それが形式美としての難解さなら問題ないのですが、彼女の場合、本当に状況が判りにくい場合があります。三度読まないとおそらく意図する情景は判らないでしょう。
非常に残念です。本当に面白い作家なのに。
だから、もっともっと彼女の作品は読みたいです。