山羊のひとり言

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名もなき毒

2010-11-30 12:26:48 | 本と雑誌
題名の「名もなき毒」の毒とは何なのか?終盤に、その意味が判り衝撃を受けます。
吉川英治嘗受賞作品である、この小説は、ありふれた日常の中にドラマを構成しています。非日常的なのは、主人公が大財閥の娘を妻にしていることだけ。その設定は、物語のテーマに繋がる重要な要素でもあり、ドラマ性を盛り上げる要素であり、構成の巧さに感心します。そして、終盤の、非日常的事件。更に、毒の正体。物語に引き込まれ、考えさせられます。
最後に、主人公が「丘を登って」何処に向かって行くのか、色々想像が出来る余韻が何とも言えません。


名もなき毒

2010-11-26 07:57:19 | 本と雑誌
宮部みゆきの評判の作品「名もなき毒」を読み始めました。
「誰か」の杉村三郎の続編と言えます。まだ序盤ですが、連続する毒殺事件と、トラブルメーカーのアルバイト社員・原田いずみの事件が、どう収斂していくのか予測不能です。
楽しみです。


邪魔3

2010-11-23 09:53:02 | 本と雑誌
奥田英朗の「邪魔」を読み終えました。
面白い。けれど、主人公達の生き方、堕ちていく有様が切な過ぎて、読むのが辛くなる程です。結末もハッピーエンドとは言い難い。それでも、爽やかとも言える読後感です。それは、最後の方で登場人物の言葉を借りて、「皆さんは、このような人生を送らないで、幸せを見つけて下さい」という作者の暖かいメッセージを感じるからかもしれません。
記憶に残る傑作です。