パンツの話

６年前に煙草をやめてから８キロ肥った。
これだけ肥ると、てきめんにまずズボンが入らなくなる。

２０代は５９キロというマラソンランナー並に細かったのが、
３０歳を越えて初めて６０キロ代になった。
それは嬉しかった。

一番細かった時はウェストサイズ７６センチとかのズボンを穿いていた。
無理すれば７３センチのズボンだって穿けない事はなかった。
みんなそういった時代というのはあったんですね。
その頃は胸囲のサイズとウェストサイズの差が１５センチあったのです。
あの頃は理想的体型だったよな～。
最初からデブやってる人だって居るけど、
大体は私みたいな経過を辿って、段々と情けない体型に行きついたのですよね。

現在のウェストサイズは公表できないんです。
言いたくないのです。
公表すると世間から袋叩きにされかねないんです。

体重が６５キロの時代というのが長かった。
禁煙したのもそこからだったのです。
タンスを開けるとズボンが吊り下げてありますが、
その時代のズボンがまだ・・未練たらしくぶら下がっているんです。
（もう、およしなさいよね、アンタそりゃね無駄ってもんでっせ）
とかいうツブヤキが何処からか聞こえてはくるんですが、
（俺は絶対痩せてやる、元の体形に戻してやる）
っていう悪あがきをやっているんですね。
（もう無理だって、やったって無駄だって）
内心は殆ど絶望感に打ちひしがれているんですが・・

ズボンがそ～ゆ～状態に伴って、
パンツにもその影響が波及する訳ですね。
そりゃま、当然ではありますが。



若い頃、私はブリーフ型パンツを穿いていました。
それも、必ず水色のタオル地の物だけでした。
今、思うと何でそれが最高だと思っていたのか全然分からないのですが。



それが何時からだったか、トランクス型と言われるパンツに替わりました。
その原因は・・そんな事知らん・・けどそうなっていたんです。

話は変わりますが、
昨今の風潮として、昔はズボンと言っていた物体をしてパンツと言う。
ズボンがパンツだったら、由緒正しきパンツは、ど～すりゃいいの？
パンツをズボンとでも言うのかね～、アンタ。
ま、それはとも角、
あ、パンツの話だったんだよな～。

私はパンツを何枚持っているかとタンスを覗いたら、
凡そ１５枚前後みたいでした。
それも最近何枚か捨てたのです。
つまりＭサイズのがきつくなっていたんです。
近頃はＬを通り越してＬＬの方がラクチンなんですね。

しかし、女ってやつは・・
女房のタンスを開けるとパンツ（女性の場合はパンティーか・・）
それが売るほどあるんです。
（アンタは一体パンツ屋さんでも始めるの？）
ってくらい山の様にあるんですね～。

しかしだね～、パンツとパンティーの境界線は如何に？
パンツと言うと汚らしい野郎のイメージなんですが、
パンティーっとなると途端に何故か顔に微笑みが浮かんだりするんですね～。

そう言えば、昔、女性用パンティーを買いに行った事がありました。
あれは中野駅の丸井だか何処かのデパートでした。
当時付き合っていた台湾の女性に贈ろうと、
デパートのパンティー売り場に単身突撃したんです。

「パ・パ・パンティー下さい」
頬を真っ赤に染め、鼻の穴をふくらまし、
息も絶え絶えの若きイケメン男性の、この私の勢いに、
売り場の、これもうら若き女性店員は、
事態の只ならぬ雰囲気に気おされ、圧倒され、気絶しそうになったのです。

仕方なくとゆ～か、微笑ましくとゆ～か、
若い彼女は、自分が選ぶ艶めかしいパンティーが、
飛行機に乗って台湾に飛んで行く事も知らず、
見ず知らずの、その女性の身になって、
甲斐甲斐しくパンティー選別作業に没頭してくれたんです。

ホント一生懸命だったよな～、あの時の店員さんは。
ピンクやら黄色やら真っ赤やら、
レースのひらひらした、ホンマモンの（パンティー）を選んでくれたんです。
鼻の穴ふくらました若き男性の俺は、
も～頭にかぶりたくなるくらいの絶品パンティーだったんですね。

ホント言うと、台湾の彼女より、
俺はこっちの女性の方がいいや・・とは思わなかったけどね。
しっかしだね～、あのピンクのレースひらひらの艶めかしい１０枚のパンティーが、
飛行機に乗って大空を羽ばたいているシーン、
想像するだけで・・ウフフ