河童の歌声

歌声喫茶&キャンプ&ハイキング&写真&艦船

剣沢小屋の雪崩事故

2023-09-03 19:56:02 | 登山




岩と雪の殿堂と言われる、北アルプス剣岳(2999メートル)
その近くに在るのが剣沢小屋(赤い屋根)です。

この小屋で1930年(昭和5年)に泊り客6人全員が死ぬという有名な事故がありました。
東京帝国大学スキー山岳部の、
窪田他吉郎(30)田部正太郎(27)スキー仲間の松平日出男(29)土屋秀直(21)
現役の慶応大学生の土屋以外は、みな東大を卒業していました。
彼等は地元の山岳ガイド佐伯福松と、佐伯兵次を伴っての入山でした。
彼等の目的は、厳冬期の剣岳登頂と、写真や16ミリカメラでの撮影が目的でした。
窪田と田部はパーティーのリーダー格であり、経験も豊富でした。



この日、彼等の後を追う様に、一人の登山者が神戸からやって来ました。
後に不世出の単独行者として名を馳せる、加藤文太郎でした。
しかし、まだ24歳だった加藤は有名になる前で誰にも、顔も名前も知られてはいませんでした。

東大グループ6人は翌日から剣沢小屋に泊まりましたが、
剣沢近辺の写真撮影やスキー練習の動画を撮る彼等からは、
見ず知らずの加藤に周囲をウロウロされるのはとても迷惑に感じていました。
また、剣岳登頂を目指す彼等に、今夜は皆さんと一緒にこの小屋に泊めて欲しい。
できれば貴方たちのパーティーに入れて貰えないだろうか、と加藤は言います。

4人の登山者たちは、それまで散々、見ず知らずの加藤に、
自分達の行動範囲をチョロチョロされる事にかなり苛立っていました。
それで、リーダーはハッキリと加藤に言います。
「君は一人だからパーティーというものが分からないだろうが、
パーティーの中に知らない人が一人でも居る事は不愉快なんです。
お気の毒ですがそれはお断りします」

加藤文太郎という人は、生来の内向的な性格に加え、口下手でした。
初対面の挨拶もなく、明確な意思表示もせずに、
黙って付いて来られたら誰だって不愉快です。
仕方なく加藤は剣岳を近くまで登り、帰りに彼等に挨拶をして帰って行きました。

これが生きた彼等6人を見る最後になろうとは・・・

帰宅予定日になっても帰らない6人が、遭難したのは確実になり、
捜索隊が剣沢へ行きましたが、
捜索隊は、ある異変に我が目を疑いました。剣沢小屋が影も形も無くなっていたのです。
それは雪崩によって小屋自体が崩壊してしまったのでした。
しかし、6人の内の一人は雪の下で9日間も生きていた事が後に分かりました。
彼は苦しい息の下で、手帳に遺書を書き残していたのでした。

剣岳は、私は一度も行った事がないので、地形的な事はよく分からないのですが、
再建した剣沢小屋は、その後も雪崩の被害を受け、場所を替えて再建してもまた雪崩被害に。
その後も理想的な場所には悩まされているみたいです。



私も、2005年7月に上高地から岳沢、紀美子平経由で、
前穂高岳から奥穂高岳へと登った事がありますが、
その途中にある岳沢ヒュッテには雨天停滞もあって2泊しました。
しかし、翌年1月に岳沢ヒュッテは雪崩によって崩壊してしまい、
その3か月後には、岳沢ヒュッテ小屋主の上條岳人さんが、
上高地で荷揚げ中のトラックに轢かれて亡くなるという悲劇に見舞われてしまいました。

話は単独行の加藤文太郎に戻りますが、
私も歌声喫茶で、昔の仲間の非常識により、
折角の楽しい飲み会に水を差されたという苦い経験があります。
仲間内で楽しくやってる空気を読む事くらいは、理解しないと嫌がられますね。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いくら釣りが好きだと言っても・・

2023-09-03 10:46:16 | 日記
私の写真学校時代の友人には釣り好きが多いのです。



大物釣りがしたいと、鹿児島から吐噶喇列島まで釣りに行った男。

渓流釣りがしたいと、福島県会津若松に引っ越して行った男。



千葉の外房に、丁度この大きさくらいの舟を持っていた男。
彼は毎週の如くそれで、釣り三昧をしていたとか。
釣り好きの人というのは、信じられないほどの、釣りバカが多いみたいですね。



ある時、静岡県の田貫湖キャンプ場へ行った時、
もう夕暮れで、間もなく日没になるという薄暗い時間でしたが、
どこからやって来たのか一人の男性釣り客が現れ、おもむろに釣り糸を垂れ始めたのです。
あと30分もすれば真っ暗になるという時間にです。
私はその男をしばし眺めてしまいました。
「何だってこんな時間になってから釣りなんか始めるんだ?」
私は彼の心境が全く理解できなかったのです。



また、ある時は道志川のキャンプ場に行きました。
道志川の本流の脇にはこういった水溜まりがあります。
そこで釣りをしていたのなら、まだ解ります。

しかし、その男が釣り糸を垂れたのは・・・
何と妻が水遊びの為に、石を並べてダムを造った小さな水溜まりだったのです。
よく見ると、そこには1センチか、精々2センチくらいの魚(あれを魚って言うのか?)
そんなゴミみたいな(お魚ちゃん)に釣り糸を垂れていたのです。

私と妻は、もう唖然として吹き出しそうになりました。
「な、な、何なんだ~こいつは」
あれは、今でも理解できない世界七不思議でした。

いっくら魚好き、釣り好きと言ったって、やっていい事と悪い事があるだろう!
まったく~。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする