

北海道で長距離バスと4トントラックが正面衝突し、5名が死亡するという大事故がありました。
バスの後ろを走っていた車のドライブレコーダーを見ると、
バス側に非はなく、ブレーキを全く踏む事なく突っ込んできたトラックに100%の非があります。
この国道は片側1車線の、直線部分の多い道路だという事ですが、
死亡事故の多発する危険な道路でもあるみたいです。
トラック側から見ると、それまでの直線から緩やかな左カーブへとなっています。
トラックはそのカーブに合わせて左ハンドルを切るべき所を、
全くハンドルを切らずに真っすぐのままにバスに突っ込んで行くのが、
ドライブレコーダーには写っています。
原因は、トラックの運転手が何らかの病気で意識を失っていた、という見方もありますが、
もっと単純に一瞬、居眠り状態だったと考えるのが普通だと思います。
脇見運転というのもありますが、
あのカーブで衝突するまで脇見運転をし続けていたとは思えません。
ブレーキ痕が全く無いというのは、脇見ではなく、居眠りと考えるのが普通だと思います。
運転経験のある方には、多少なりとも経験があると思うのですが、
それが例え高速道路といった時速100キロ以上で走行中であろうが、
ドライバーが居眠り運転をするというのは、ある事なのです。
また、目は確かに開けているのに、頭の中の意識が眠ってしまうという事もあるのです。
トラックドライバーが亡くなってしまったので、原因解明はほぼ不可能になってしまいましたが、
私は、一瞬の居眠りではないかと思っています。
以前のブログにも書いたと思うのですが、
車を運転していて、最も怖いのがこのパターンです。
つまり対向車がセンターラインを越えて自車に突っ込んで来る事です。
これは、アッと思った時はお終いなんです。
もう避けようがない、死ぬ瞬間を経験するのです。
私も若い時にこれを経験した事があります。
片側1車線道路(国道246号・御殿場)で、緩やかな左カーブを曲がったら、
真正面、目の前に追い越し中の大型トラックが進んで来てたのです。
もう急ブレーキなど踏んでも絶対に衝突は避けられません。
一瞬頭の中に、血まみれで病院に担ぎ込まれる自分の姿が浮かびました。
ブレーキを踏む時間など全くなく、
私は左に急ハンドルを切って、1メートルの段差を落下して、他人の家の庭に飛び込んで行きました。
木の切株にぶつかって車は止まりましたが、勿論、車は全損。
私は車内に頭をぶつけたり、腕をぶつけたりの軽い打撲傷でしたが、
後になって時間が経ってから、恐怖心が沸き上がってきて体が震えました。
ただ、人間は最後まであきらめたらダメで、
何とかして、どうにかして回避できる行動を取らなかったら、死ぬだけです。
あの瞬間、バスの運転手がやれた事は、左に急ハンドルを切る、それだけです。
しかし、彼はそれをしませんでした。
と言うか、ドライブレコーダーを見ると、出来なかった。
たった1秒間に、それをするかしないかを決定しなければなりません。
それをするかしないか、出来たか出来なかったかは、運命でしょう。
本当に、彼のその瞬間の気持ちを、経験した事のある私は理解できます。
あの恐怖の感覚は・・それは恐ろしい。
そういった経験があるので、
私は右側車線を走るのはあまり好きではありません。
高速道路の右側、追い越し車線を、いい気になってカッ飛んでいく車を見ると、
「あぁ、あいつはな~んにも分かっていない」と思うのです。
もし、対向車線から車が飛び込んできたら、もう死ぬだけです。
だから多少なりともそれを回避できる時間的余裕のある、左側を走っていたいのです。
高速道路のセンターライン上に樹木の植え込みなどがあって、
対向車線の車の動きが全く見えないのって、本当に恐い。
ある程度であっても、対向車線の車の動きを感知していたいのです。
あのね、事故で死んだ人間の形って本当に汚いんですよ。
そして血や肉やあらゆる臓物の匂いって、臭いんですよ。
あの匂い、血まみれで原型のなくなった人間のゴミの様な姿。
あれを一度でも見たら、もう、いい気になってブッ飛ばすなんて出来ません。
本当に交通事故は悲惨です。
亡くなられた人は本当に気の毒です、どうか安らかに、合掌。