九段の山種美術館から市ヶ谷駅に向かう途中で、わき道にちょっと気になるお店を見つけました。遠目にも白木の入り口がすがすがしく、最初は和のうつわやお香のお店かなと思いました。
なかなか歩かないところだから何のお店だか行ってみようと思い道を曲がると、そこは茶巾寿司、ちまき寿司の福槌というお店でした。
本店は赤坂にあるようです。
せっかくなので家族のお土産にと思い店に入ってみました。十二畳くらいの小さなお店です。
折り詰めに入った見本がショーケースに並んでいたので、てっきり出来合いのものをすぐ包んでくださるのかと思っていたら、注文後、椅子にかけるようすすめられ、お茶のサービスが。
ゆっくり休みながら、折り詰めが出来上がるのを待ちます。板前さんがくるくると笹の葉を巻いてちまきを包む手さばきが美しく、見惚れました。
このお店は茶巾寿司の元祖で、皇室や表・裏千家御用達だとか。茶巾寿司は中身は粉海苔などを混ぜこんだものにちょこんと栗が一粒のせてあるもので、それほど凝ったものではありません。ちまきは数種類から鯛と鱒を選びました。いやみのないおいしさです。もともと「有職」という宮内庁御用達のお店が倒産した後、元社員の職人さんが勤めていた寿司岩出資で「福槌」が設立され歴史ある味がよみがえったそうです。そしてまた「有職」の商標が使えるようになった由。いろいろ事情があるようです。
配色がきれいで、ちまきを解く楽しさもあるので、家で食べるというよりも行楽に持っていくのがよさそうだなと思いました。
来春、お店近くの千鳥が淵でお花見をされる際にはお勧めします。
ちなみに、お寿司に添えたのは上から
・厚揚げと油揚げの中間(名称不明)を炙ったもの。しょうが醤油で
・帆立のお刺身(レモンを添える)
・豆腐の肉そぼろあんかけ(牛ひき肉をねぎと炒め白だし、白しょうゆと水を加え、水で溶いた片栗粉を混ぜいれ、とろみがついたら豆腐をいれて温める。青ねぎのみじん切りを添える)
です。同時並行で3品作ると15分で支度が整います。
この日は重要文化財である、竹内栖鳳作「班猫」を見に行きました。
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