私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

高尚の手紙の文面、「候」と云う文字が5回使われています。

2013-02-27 17:53:24 | Weblog

 朱印地の宮内芝居の出し物に付いては、役者名に付いては、ある程度詳しくその記録が残っていますので分かりますが、どのような外題が演じられたのかはその記録が残ってはいませんので分からないのですが、これも藤井高尚から真野竹堂に宛てた手紙に中に、それと分かる外題の名前が書き込まれています。その文面の書きぶりが、如何にも、高尚らしいというか、候文の面白い所以であるかもしれませんが、お芝居の外題を紹介する前に、その手紙の書き出しの文面からご紹介します。

 “深冷に御座候処御壮栄之御様子は伝承奉賀候老拙今年は身体衰えて持病にて不快多く其上一人にて俗事文雅事日々競凌兼候事にて自然と御疎遠に打過候義に御座候”

 これが、この手紙の書き出しの言葉なのです。まあ、なんとややこしい手紙文ではありませんか。「伝承奉賀候」とあります。<つたえうけたまわりよろこびたてまつりそうろう>とでも読むのでしょうか。何のことはありません「よかったですね」という内容なのです。それから「病気がちで、その上、色々公私ともに忙しく、御無沙汰している」と云った内容のことです。それだけのことが、このような文面になるのです。昔の人は、このような面倒くさいものをよくもよくも書いていたのだなと思うと、感心することしきりです。しかし、此の文面をくわしく読んでみると、誠に、意味深長な、それこそ、今では廃れてしまった文雅な文面であるようにも思われますが、どうでしょうかね。「候<そうろう>」と云う字が五回もこの短い文面に見られるのです。それだけでも感心事です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿