私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

やまとしま見ゆ

2013-06-07 08:10:59 | Weblog

 この歌で一番大切な詞は第三の句“こひくるに”です。そのわけは、こひつヽ来なくともあかしのとに至れば、当然大和の山々は見ることができます。それをこひくればと云って、やまとのしま見ゆと続けることによって、詠んだ人の、いかにか「アア、うれしやようやくここまでたどり着けたか」と云う心の底からの感動が”いはんかたなしと云う余情をしらせたるなり”としております。このような歌の手法は誰が及び付くものですか、人麻呂こそしか言い表わすことが出来ない歌になっているのだと、高尚は強調しております。
 
 どうですが、そう言われてみますとなるほどと感心させられます、この歌の解釈は多くの万葉学者によって、今までに多数九なされていますが、この高尚のように、此処まで深く、その情と詞を結び付けた解説は見たことがありません。その鋭い文学的な解釈には今更ながらに感心されます。
 これは余残事ですが、現在、この高尚の万葉集については、誰も研究した人はいないのが現状ですが、何時の日にかきっと陽の当たる時代が、必ず、来ると思っています。


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