私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

貴賤・清濁を併せ持つ町「宮内」

2012-10-25 10:53:11 | Weblog

 熊治郎が市頭として活躍した 宮内ですが、その町名を見てみますと、庭瀬分になるのですが南から東山、片山、三日市、辻小路、熊の小路、大吉野、中吉野、新地、城の内、馬場、白畑など12町に分かれ遊郭が全町に置かれており、特に、宮内の遊郭を象徴する角行燈が軒を並べておったのだそうです。なお、宮内の遊郭が他所の遊廓とことなる点は、これら沢山の遊郭が並んでいる町中に、吉備津神社の社殿が姿を見せ、更に、その社頭として仕える七十五社家の私邸が厳めしいい門扉を、此の町並みの中に姿を見せていたのです。清濁を併せ持つこの宮内でなければ見ることが出来ない独特の雰囲気を兼ね備えていたといわれております。そんなんことからも、この宮内の遊郭が全国に知れ渡り、多くの文人墨客も訪ねております。

 「おみかけしなかったのですが、昨日はどこかに」
 「あ、・・・・そうです。ちょっと宮内に」

 こんな会話が岡山の城下の武士でも、普通なら、公の席では憚られるよな「宮内」と言う言葉も堂々と口にすることが出来たのだと言われています。例へ、宮内の遊郭で、一晩、遊んだとしても、何処か、その町中に有る社家でも訪ねたかのような顔が出来るからだと言われています。
 「貴賤の別なく自由にこの宮内は利用されていたのですよ」
 と、この宮内の自慢を街の古老は、さも心地よさそうにお話になられておりました。