私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

永思其功

2010-01-26 22:35:22 | Weblog
 永忠の業績について、池田章政侯の著した後楽園の碑文の文字に随って、記してきましたが、此の碑文の最後に、四言の、16句の詩が見えます。
 
 何故、章政侯が、此の碑文の最後に、唐詩にみられるような一般的な五言や七言の詩でなく、わざわざ、中国の古代堯の時代に用いられていた四言の詩を、此の碑文に入れたのかは不明なのですが、多分、後楽園にある「井田」など古い中国(周時代)の風習・制度を取り入れた、永忠の企画に対して、特別なる敬意を現わして、唐詩ではない、それ以前の中国古代の詩の形式を、敢て、取り入れて、作詩したのではと考えられます。

 なお、これも蛇足になるのですが、中国における最初の詩は、堯帝の時の歌だとされている
 ・日出而作 日入而息 鑿井而飲 耕田而食・・・・
 があります。
 また、魏の曹操の詩だと言われています、
 ・対酒当歌 人生幾何 譬如朝露 去日苦多 慨当以慷・・・
 の四言の詩も見ることが出来ますと。
 これからも分かるように、中国での殷や周といった古い時代の歌には四言の詩が多く見られます。
 
 さて、後楽園にある章政侯の碑文にある詩です。

 新田怱々 無年不豊 倉安之水 灌漑四通 社倉遺法 以救民窮 造舩牧馬 軍須立供
 況創学校 興礼譲風 凡百事業 輔我先公 施至今日 余沢何空 宰此土者 永思其功