ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

日曜日にスライドトーク

2010年11月23日 22時44分15秒 | お知らせ
日曜日にカワチェンでスライドトークを予定しているが、予想以上に予約者数が少ないらしい。ということで改めて告知します。

11月28日(日曜)午後3時~5時(会場午後2時40分)
場所 東京都品川区小山4-9-15 唯称寺2F  東急目黒線 目黒から2駅目 武蔵小山駅より徒歩3分
参加費 千円
定員 80人
※前日の27日までにこちら(http://cart05.lolipop.jp/LA02190902/)にて申し込み受け付け中。

ツアンポー峡谷探検の模様、現地のモンパ族の風俗、慣習、聖地ベユル・ペマコの伝説などについて、スライドを交えてお話します。詳しくはカワチェンのホームページ(http://www.kawachen.org/event.htm)まで。

わたしの本「空白の五マイル」の販売と、サインもいたします。定価より少しお安めにできると思いますので、ぜひいらっしゃってください。

   *   *

探検部後輩Aと、その友人のY子さんが本が欲しいと言って、わざわざ西武池袋線東長崎駅まで来てくれた。二冊ご購入。どうもありがとうございます! せっかくなので駅前の居酒屋で軽く飲み、売上金を消費させていただいた。


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人体冷凍

2010年11月23日 00時52分22秒 | 書籍
人体冷凍  不死販売財団の恐怖
ラリー・ジョンソン,スコット・バルディガ
講談社


たまたま神保町の本屋の台車の上にあったラリー・ジョンソン、スコット・バルディガ「人体冷凍 不死販売財団の恐怖」という本を衝動買いした。恐ろしい本を買ってしまったものである。アメリカには、死後の人体を液体窒素で冷凍保存し、後世に復活させるアルコー延命財団という非営利組織があるらしく、この本はその財団の幹部ラリー・ジョンソンによる衝撃の内部告発だ。

とにかく内容が、このブログで書くのが憚られるほどえぐい。財団の会員が死ぬと、財団はその頭部を切断し、特殊な医学装置につなぎ、液体窒素でマイナス196度に冷凍保存する。だが彼らは狂信的なカルト的人体冷凍保存至上主義者で、時には殺人も辞さないというのである。口絵には手術の模様を映した写真が掲載されていて、非常にグロテスクである。財団のメンバーは明らかに倫理観が欠如した社会不適合者ばかりで、マイケル・ペリーなる人物は……、いや書くのはやめておこう。

著者は長年、救急救命士として活躍してきたが、新たな刺激を求め、この財団に仕事を変えた。だがこの財団のずさんな手術の方法や、薬品や人体の管理の仕方を見るうちに正体を知るようになる。冷凍保存をするために会員を殺害した例すらあったことも突き止め、その証拠集めに奔走し、最後は財団から命を狙われる。

驚くのは、内容が恐ろしくグロテスクなのに、著者の文体がとてつもなくユーモラスなことだ。こんな内容の本を、こんなに面白く書けるなんて、この著者の頭はいったいどうなっているのだろう。

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