ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

見本とどく

2010年11月11日 18時43分34秒 | 雑記
「空白の五マイル」の見本ができあがり、先日、家に届いた。実物が届くと、やはり違う。なんだか感慨深い。

ごりごりの冒険ものなので、読者層のすそ野が狭いのは確実である。だが、売れなければ書き手としての未来が閉ざされてしまうので、なんとか売り上げを伸ばしたいものだ。中身はさておき、鈴木成一デザイン室が装丁を担当してくださり、一見すてきな出来栄えになっているので、ジャケ買いしてくれる人が続出することを期待している。

→アマゾンで予約受付中。発売は17日!

一応、自分でも隙をみては営業活動を展開する予定にしており、とりあえず今日は、北極遠征用のテント購入のために立ち寄ったICI石井スポーツ登山本店様で営業活動を行う。今後、地平線会議、チベット語講座「カワチェン」、弟の油そば店「武蔵野アブラ学会」などで独自の販売促進活動をおこなうことにしている。


スリーピング★ブッダ
早見 和真
角川書店(角川グループパブリッシング)


早見和真「スリーピング・ブッダ」を読む。著者の早見くんとは、実はまんざら知らない関係ではないことを、最近知った。私が以前つとめていた新聞社で同期入社する予定だったのだが、大学の成績の都合だか、家庭の都合だかで卒業できず、入社を断念したのである。断念までの間に何度か飲み会で顔を合わせてことを覚えている。その後は売れっ子ライターとして活躍し、デビュー作の小説「ひゃくはち」がベストセラーとなり作家生活を送っていたらしい。

ブッダは彼の第二作で、永平寺をモデルにしたと思われる寺で修行生活に入った若き二人の僧をめぐる青春小説。テーマは、生きることとは何か、良い人生とは何か、おれたちはどう生きたらいいんだろう、という、服部文祥、コーマック・マッカーシー顔負けの直球ど真ん中小説である。読者をぐいぐい引き付ける文章なので、一気読みできる。うらやましい限りだ。ひゃくはちも面白かった。

ひゃくはち
早見 和真
集英社


コメント (8)
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