花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

世界にひとつだけの花

2021年04月24日 | 学校
今満開のクリスマスローズをアップで撮影しています。
中央に雌しべとたくさんの雄しべがよく見えます。
よく見ると雄しべの奥の方というか、雄しべの基部のあたりに
何やら短い花弁のようなものがぐるりと着いています。
実はこれがクリスマスローズの本当の花弁です。
このように申し訳程度についているものをシングル、
もう少し大きくはっきり花弁のように見えるのをセミダブル、
そして八重咲きをクリスマスローズではダブルといいます。
もちろん人気は豪華なダブルやセミダブルですが、シンプルなシングルもきれいです。
さて一見ピンクの花弁のように見える部位は、本当はガク片。
花弁と違ってガク片はちらないので、クリスマスローズは長期間楽しめるのです。
この花弁、これまたよく近づいて見ると小さなそばかすのような斑点が見えます。
この花はちょっとわかりにくいのですが、これをスポットといいます。
スポット同士の距離が短くなると重なり合って点ではなくベタ塗りのようになります。
これをブロッチといいます。またこの花にはありませんが、花弁のようなガク片の
縁だけきれいに色がつく花もあります。これはピコティーといいます。
クリスマスローズが人気なのは、花色はもちろん、スポット、ブロッチ、ピコティーなどの
組み合わせがどの個体も違うから。つまり自分だけの花を楽しめるのです。
愛好家は人工受粉をしてさらに新しい個体を作り出し楽しんでいます。
江戸時代、変異したサクラソウや朝顔が庶民の間で大ブームになったといわれていますが
このクリスマスローズも同じ。日本原産の植物ではありませんが、
楽しみ方がどことなく日本人にあっているのかもしれません。
そんなクリスマスローズですが近年、バイオテクノロジーによって
メリクロン苗が供給されるようになりました。
これはクローンですから、どのような花が咲くか事前にわかります。
欲しい花を確実に手に入れられるので便利ですが、思ったより騒がれませんでした。
やはり愛好家は世界にひとつだけの花の方を愛しているのかもしれません。

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