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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

園芸科学科最後のメンバー

2021年11月21日 | 園芸科学科
フローラは2015年から環境システム科に移籍することになります。
ここで発表しているのは園芸科学科最後のメンバー。
2011年に活動を始めたサクラソウの救出活動は、
その後、自生地の保全活動へと舵を切っていました。
彼女たちは保全生態学の権威である当時東大の鷲谷先生や
筑波大学の先生方からアドバイスをいただき精力的に活動を推進。
その活動が青森県に認められ、日本で初めて開催されたアジア国立公園会議での
発表を依頼されます。もちろん唯一の高校生発表者。それも英語での発表です。
さらに農業クラブでは、この活動をプロジェクト発表と意見発表の2つで披露。
いずれも青森県大会で最優秀。大活躍しました。
確か東北大会の会場となった仙台にフローラは
2〜3年生全員12名ぐらいの大所帯で乗り込んだのを覚えています。
これには理由があります。翌年、環境システム科に完全移籍することになっていたチームは
3年生は園芸科学科、2年生は環境システム科という不思議なメンバー構成。
そのため園芸科学科時代に作り上げた「やるなら楽しく精一杯」という流儀を
この大会を通してバトンタッチしたいという願いがあり
学科こそ違いますが、春から同じ目標に向かって一緒に活動してきたからです。
園芸科学科最後のフローラにとって有終の美を飾るにふさわしい活動でした。
なおここで説明している園芸科学科最後の女子メンバーは筑波大学に進学。
フローラ2人目の筑波大生誕生となりました。
このように園芸科学科時代は頼もしいお姉さんが多く、
グイグイ引っ張ってくれたものです。
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中身より見た目

2021年11月17日 | 園芸科学科
名久井農業高校の第1農場。奥に名久井岳が見えます。
ここはリンゴ畑。木と木の間に白っぽいシートが敷かれています。
これは反射シート。当たり前ですが、お日様は果実より上にあるため
下の部分はどうしても日陰になり、色づきが悪くなります。
そこで光を反射させ、きれいな赤に着色させるために
シルバーのシートを敷くのです。広大な果樹園に設置するのはもちろん、
シートの本数も相当な数なので保管もたいへんではないでしょうか。
さて20年ぐらい前の昔話をひとつ。
リンゴは袋を被せてきれいな赤色にする有袋栽培より
光をたくさん浴びた無袋栽培の方が美味しいのはご存知だと思います。
また無袋栽培は気の遠くなる数の果実1個1個に
袋をかける手間がとコストが不要なので農家も大助かりです。
しかし当時は無袋栽培がまだ多くの方に認知されていないため
理解してもらおうと、生徒と東京でアンケートをしたことがあります。
するとびっくり。美味しいけどちょっと赤黒い無袋リンゴと
味はちょっと落ちるがきれいな赤い有袋リンゴのどちらが好きかという
問いに対して返ってきた答えのほとんどが後者。
リンゴは味より色と答えたのです。
東京ではリンゴは高級品。贈答用として利用されることが多く
見た目重視と考えていたようです。
おやつがリンゴという青森県のリンゴ農家とは真逆の答え。
想定外の答えに複雑な顔をしていた生徒の顔を今も覚えています。
20年経ちサンふじという言葉も認知されてきた令和の今、
同じ問いをしたらどんな答えが返ってくるのでしょう。
ちょっと興味あります。
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真打登場

2021年11月15日 | 園芸科学科
ここは名久井農業高校が誇る果樹園。
第1農場といわれる馬淵川のほとりにある広大な農場です。
ご覧ください。たくさんのリンゴがたわわに実っています。
これは晩生のふじ。日本が世界に誇る最高品種です。
なぜなら甘みと酸味のバランスが絶妙。誰もがおいしく感じます。
さらに保存性も高いという農家にとってもありがたい特性があります。
今、青森県はこのふじの収穫が始まっています。
最初に収穫されるのは無袋のふじ。通称サンふじです。
この後、袋を被せて育てた有袋のふじが収穫されますが
同じふじでも栽培法で特徴が大きく変わります。
サンふじは光をたくさん浴びるため色が赤黒くなりますが
甘く蜜が入ることもあります。美味しいさを求めるならサンふじです。
しかし有袋は鮮やかな真っ赤が特徴。美しさを求めるならこちらです。
では保存性はどちらが高いのでしょう。こちらは有袋に軍配。
有袋は無袋より未熟なので貯蔵庫で追熟させながら
夏まで出荷することができます。
その昔、害虫の大発生から果実を守るために考えられた有袋栽培ですが
色づきと保存性を高める技術として手間がかかりますが今も行われています。
ちなみにふじという名で販売されている多くは有袋。
無袋はサンふじと表記される場合が多いのでぜひ食べ比べしてください。
寒い中、名農でも収穫真っ最中です。
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多肉植物

2021年11月14日 | 園芸科学科
園芸科学科の草花温室の入り口にある寄せ植えです。
まるでハボタンのようですが、葉がサボテンのような多肉植物。
きれいな花はありませんが、見事な葉の造形美をみせています。
全体を眺めると葉と葉の間が、まるで蜂の巣のように
同一の立体図形を隙間なく並べた形に見えます。
このような構造をハニカムコア(蜂の巣)といいます。
自然が作ったこの構造は、軽量で高強度、高剛性だといわれています。
また表面積が広い、衝撃吸収性が高い、さらには断熱性能があるなど
優れた性質をもっていることが明らかになっています。
最近、このハニカムコアという言葉をよく耳にする分野があります。
それが宇宙開発。宇宙ステーションや人工衛星では
電力を供給するため30m以上の巨大な太陽光パネルを広げています。
しかしパネルを広げたまま打ち上げ基地からロケットを飛ばすことはできません。
そこで小さく折りたたんで宇宙に向かい、
定位置に着いたら昆虫が羽化するかのようにパネルを展開していくのです。
その折りたたみ方がハニカムコア。強度を保ったまま小さくたためるからです。
どのようにすればうまく折りたためるか。
この研究はハボタンなど植物の自然の造形を参考にしながら
皆さんも遊んだことのある折り紙を使って行われているそうです。
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シクラメンの季節

2021年11月13日 | 園芸科学科
先日、園芸科学科の草花温室を覗いて見ると
ご覧のとおり、たくさんのシクラメンで埋め尽くされています。
いつもであれば名農祭で販売され、高品質であることから
ほとんどなくなってしまうのですが、残念ながら今年は
名農祭が一般開放されなかったため残っているようです。
さてチームフローラフォトニクスは、
園芸科学科時代からシクラメンの実験案があり、
毎年春になると今年こそは取り組もうと
農場の先生に苗提供のお願いをするのですが
なぜかまだ1度も行動を起こしていません。
毎年、新しい別の実験が入ってくるので後回しになってしまうのです。
またこのように名農であれば、いつでもシクラメンが手に入るという
余裕があるからかもしれません。
そんなことで今年も眺めるだけで終わってしまいました。
フローラハンターズのラストチャンスは来年の夏。
後悔しないよう来年こそは試してみたいものですが、
果たしてどうなることやら。ところで先日、名農の農場に直接来て、
シクラメンを買い求めているお客様がいらっしゃいました。
気になる方はぜひお問い合わせください。
もしかしたら手に入るかもしれません。
南部町は晩秋から初冬に静かに移行しています。
シクラメンを本格的に楽しめる季節となりました。
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