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2011年4月に読んだ本

2011年05月01日 17時39分39秒 | 本と雑誌
4月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4341ページ

県庁おもてなし課県庁おもてなし課
甘々の男女のやりとりも魅力だけれど、男同士の何気ない会話も有川浩の魅力のひとつ。掛水の部屋に転がり込んだ吉門との会話はとても印象的だった。普段ハードカバーは図書館と決めているけれど、今回は購入。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:04月02日 著者:有川 浩
江戸のエロスは血の香り江戸のエロスは血の香り
江戸期の、男色や異性装、結婚・恋愛にまつわる随筆集。以前に比べると江戸礼讃といっった感は薄れ、バランスの取れた内容。豊富な史料から江戸期の性愛感やその移り変わりを面白く描いている。(☆☆☆☆☆)
読了日:04月05日 著者:氏家幹人
「ワタクシハ」「ワタクシハ」
網羅的にいろんな視点が描かれてはいるが、読後感は「それで?」って感じ。テーマには惹かれたが、物語を通して何かを描き出そうという思いは伝わらなかった。主人公の青臭さは年齢的に許容できるが、それが相対化されてない点は気になった。今の若者の実態かもしれないが……。(☆☆☆)
読了日:04月05日 著者:羽田 圭介
ゴーストハント3 乙女ノ祈リ (幽BOOKS)ゴーストハント3 乙女ノ祈リ (幽BOOKS)
リライトによって旧版と異なる結末に導かれるのではと毎回思わせる手管はさすが。次とその次はシリーズの中でも特にお気に入りなので今から楽しみ。(☆☆☆☆☆)
読了日:04月05日 著者:小野 不由美
戦後日本漢字史 (新潮選書)戦後日本漢字史 (新潮選書)
今でこそ廃れた感のある漢字廃止論。暴論のように感じてしまうが当時はその必要性を信じる者が多かったのだろう。字体については良くも悪くも定着してしまったので今更元に戻すことは無理だろう。今後は字体の多様性をどう認め、印刷やコンピュータ&Web上でそれを表現できる環境を整えていくのかが大切だと思う。(☆☆☆)
読了日:04月09日 著者:阿辻 哲次
遠まわりする雛 (角川文庫)遠まわりする雛 (角川文庫)
読んでしまうほどには魅力がある。それを認めた上で、相変わらず千反田以外のキャラクターには苦々しさばかり感じられる。「ガキ」っぽさが受け入れられないのはこちらが歳を取ったせいなのか。(☆☆☆)
読了日:04月11日 著者:米澤 穂信
ふたりの距離の概算ふたりの距離の概算
恩田陸『夜のピクニック』を彷彿とさせる内容だが、テイストはかなり異なる。連作短編的でありながら、全体を引っ張る展開の巧さはシリーズ1冊ごとに向上しているように感じられる。「ガキ」っぽさは健在だが、終章の存在によって読後感はスッキリしたものになった。(☆☆☆☆☆)
読了日:04月12日 著者:米澤 穂信
盤上のアルファ盤上のアルファ
少年マンガの背負うものが重く大きいほど強いというスタイルは面白いけれど厚みは感じられない。ただ厚みを求めればこの作品の良さはいきてこないと思うのでこれはこういうものといった感じ。静の存在がアクセントになっていて良かった。将棋はあくまでも素材って扱いだけど、娯楽性重視ならそれも当然。もう少し熱ければ高評価だったんだけど、表紙に負けてるかも。(☆☆☆☆)
読了日:04月18日 著者:塩田 武士
八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
わずか数時間で移動できるようになっても残る東西の食文化や気質の違いが良いアクセントになっている。今後どのように話を膨らませていくのか気になるところだ。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:04月19日 著者:高田 郁
羽月莉音の帝国 5 (ガガガ文庫)羽月莉音の帝国 5 (ガガガ文庫)
前巻の引きである不安要素がなし崩しになっているけれど、それでも構わない話の展開の速さやスケール感の大きさが面白い。莉音があまり活躍していないにもかかわらず、勢いだけでぐいぐい引き込まれる。余計なツッコミは控えて、この勢いに身を任せていればとても心地良い作品と言えるだろう。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:04月19日 著者:至道 流星
“江戸”の人と身分〈4〉身分のなかの女性 (〈江戸〉の人と身分 4)“江戸”の人と身分〈4〉身分のなかの女性 (〈江戸〉の人と身分 4)
「商家と女性」に記された西谷家さくの日記は様々な想像をかき立てられる。19歳のさくは、父が病に倒れ、夫とは離縁の処理を行っていた。母と妹と共に家を守りながら半年ほど日記を残している。それはあくまでも雑務の内容を記したものではあるが、幕末期の庶民の有り様が思い起こされる。誰か小説化でもしてくれないものか(笑)(☆☆☆☆☆☆)
読了日:04月20日 著者:
階段途中のビッグ・ノイズ階段途中のビッグ・ノイズ
王道の青春バンド物語。だけど、王道すぎて途中で読む気力が減退した。最後もお約束通りに終わった感じ。このジャンルは『BECK』があるから・・・。小説で音楽ものは不利なだけに何かもう少しひねりが欲しかった。(☆☆☆)
読了日:04月26日 著者:越谷 オサム
花散らしの雨 みをつくし料理帖花散らしの雨 みをつくし料理帖
じんわりとくる作品。それなりに大変な出来事が起きてはいるが、それが日常の延長線上にしっかりと位置付けられている。悲劇のあとも人生は続く。料理が何かを解決してくれるわけでもない。でも、料理がパワーを与えてくれる、そんな作品だ。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:04月26日 著者:高田 郁
想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
さじ加減の巧さが澪の料理のように作品全体から伝わってくる。健気に頑張っている者に幸せになってもらいたいという読み手の気持ちに応えながら、数々の厳しい試練を主人公に与えるのはエンタテイメントの基本ながらその兼ね合いはとても難しい。そこが絶品だからつる家の暖簾をくぐってしまうのだろう。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:04月29日 著者:高田 郁

読書メーター




3月よりは増えたもののなかなか目標の月20冊には遠い。図書館の返却期限に追われる一方で、積読本を減らすことができないでいるのが心苦しいところだ。毎回書くことだが、今月こそはもう少し読みたいと思う。

有川浩は安定した面白さで☆7つ。『ゴーストハント』は旧作を読んでいるため☆5だが、質は高い。
「みをつくし料理帖」シリーズは1冊4話収録の連作短編形式だが、どれもよくまとまっている。評価は迷ったが☆6とした。主人公が真面目すぎるのが難だが、味の範疇とも言えるだろう。
『盤上のアルファ』『「ワタクシハ」』は書店で見かけて図書館に予約というパターンで読んだ本。表紙やテーマのインパクトに比べると内容は物足りない感じだった。
読書メーターで見かけて借りた『階段途中のビッグ・ノイズ』も期待ほどではなかった。青春ものだが、内容的にどうしてもコミックとの比較になってしまう。小説として描く意味があるのかどうかは気になってしまう。

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