「SFファン度調査 SF本の雑誌オールタイムベスト100版」というサイトがある。以前紹介してもらっていながらまだ読んでいない『SF本の雑誌』に掲載されたオールタイムベスト100の作品を読んだかどうかチェックするCGIで、これまでの投稿者の票数も見ることができる。
折角なのでブログのネタとしてベスト100を取り上げてみたい。
1. 『万物理論』グレッグ・イーガン
グレッグ・イーガンが国内で翻訳されるようになったのは1999年から。その頃にはほとんどSFを読まなくなってしまっていたので、これまで読む機会はなかった。1999年からスタートした『SFが読みたい!』では、『宇宙消失』『祈りの海』『万物理論』『ディアスポラ』の4作が海外部門1位を獲得している。
2. 『ソラリス』スタニスワフ・レム
1965年刊行の『ソラリスの陽のもとに』という早川書房版のタイトルの方が馴染みだが、著名なタイトルの割に手を出す機会が無かった。1972年と2002年に映画化もされているがどちらもちゃんとは見ていない。東欧系SF作家の作品ということでやや身構えてしまうせいだろうか。2004年に国書刊行会から出版されたせいか、「SFファン度調査」では読者数順7位と高い位置を占めている。
3. 『マイナス・ゼロ』広瀬正
もちろんその名は知っているが、これまた読んだことがない。いつも読まねばと思いつつ手を出していない作家の一人だ。1970年の作品だが2008年に再刊されている。
4. 『故郷から10000光年』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
J・ティプトリー・ジュニアは『愛はさだめ、さだめは死』『たったひとつの冴えたやりかた』『老いたる霊長類の星への賛歌』の3冊を所有。その全てを読んでいるとも言い難く、関心の高さが実際の読書に結び付いていない。
5. 『虚航船団』筒井康隆
読もうとした覚えはあるが読んだ記憶はない。筒井作品は30冊以上所有しているが、初期の短編集が多い。長編で好きなのも『七瀬ふたたび』で初期の作。好きな作家ではあるが、優等生的読者ではなかったのは明らかだ。
6. 『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター
所有しているのは『分解された男』だけだが、読んだはず。借りて読んだ本というのは時間が経って記憶が曖昧になると読んだかどうか分からなくなるから困る(笑)。機会があればちゃんと読み直したい作品だ。読者数順でも5位に入っている。
7. 『ユービック』フィリップ・K・ディック
フィリップ・K・ディックは代表作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『高い城の男』を読んでいる。だが、『ユービック』というタイトルは記憶にない。
8. 〈ハイペリオン〉四部作 ダン・シモンズ
『ハイペリオン』上巻の半分を読んだところで止まってしまっているので読んだうちには入らない。長く積読だったのをようやく読み始めたのに……。読まねばと思うほど読めないものだ。
9. 〈十二国記〉小野不由美
小野不由美のファンだが、あえて言おう。『十二国記』って本当にSFのオールタイムベストで9位に入るべき作品なのか?私自身は『図南の翼』は何度も繰り返し読んだほど好きだが、本編(『図南の翼』は番外編的)の方はそれほど評価していない。世界観の独創性は他のファンタジーと比較して突出してはいるが、物語の展開が遅々として進んでないためそれが十分に物語にフィードされているかも微妙に思う。ちょっと祭り上げられすぎているようなのが気になってしまう。
10. 『百億の昼と千億の夜』光瀬龍
所有しているが、読んだかどうか不明。萩尾望都によるコミックは読んでいる。光瀬龍では『たそがれに還る』は読んだ記憶があるが……。
11. 『火星年代記』レイ・ブラッドベリ
既読。もちろん小説も素晴らしいが、映像化された作品も素晴らしかった印象が残っている。映画だったと思っていたら総計5時間というTVドラマのようだ。深夜にTVで放映されたものをたまたま見て引き込まれたことがあった。ブラッドベリでは『十月はたそがれの国』といった短編集も懐かしい思い出だ。
12. 『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス
1962年のヒューゴー賞受賞作というSFの古典。名前は知っているが読んだことはない。
13. 『時は準宝石の螺旋のように』サミュエル・R・ディレイニー
ディレイニーは『バベル-17』を苦労して読んだ記憶が。『時は準宝石の螺旋のように』はあのサンリオ文庫版しかないのね。サンリオ文庫というとどうしても翻訳のひどさが思い出されてしまうけれど、本書は大丈夫だったのかな。
14. 〈新しい太陽の書〉五部作 ジーン・ウルフ
邦訳されたのが1986年だから知っていても良さそうなのだが、ジーン・ウルフはほとんど知らない作家。「新しい太陽の書」も記憶に無い。
15. 『消滅の光輪』眉村卓
眉村卓はジュブナイルSFの印象も強いが、持っているのは『EXPO'87』『滅びざるもの』の2冊。『消滅の光輪』の属する「司政官」シリーズは読んだ記憶が無い。
16. 『虐殺器官』伊藤計劃
作品への評価はともかく、読んだばかりの作品。現在『ハーモニー』を読んでいるところ。
17. 『鼠と竜のゲーム』&『シェイヨルという名の星』コードウェイナー・スミス
コードウェイナー・スミスは『ノーストリリア』『鼠と竜のゲーム』を所有しているが未読。いつか、きっと、読む、はず。
18. 『伝奇集』ホルヘ・ルイス・ボルヘス
幻想文学の短編集。私がSFファンだった頃はSFの文脈で取り上げられた記憶がないのだけれど。もちろん、読んでいない。
19. 『ストーカー』アルカジイ&ボリス・ストルガツキー
ソ連のストルガツキー兄弟の作品でタルコフスキーによって映画化されているが、共に見ていない。
20. 『アラビアの夜の種族』古川日出男
古川日出男は『ベルカ、吠えないのか?』の著者として知ってはいたが読んだことはなかった。しかし、つい最近「ウィザードリィ」小説との関わりで本書の存在を知り図書館に予約を入れたばかり。シンクロニシティってことで(笑)。第23回日本SF大賞受賞作。
21. 『レ・コスミコミケ』イタロ・カルヴィーノ
イタリア文学者だというが全く知らない。幻想文学短編集。
22. 『兇天使』野阿梓
野阿梓は『武装音楽祭』を所有・読了。耽美系はいいがちょっととっつきにくさも感じる作家。
23. 『時間封鎖』ロバート・チャールズ・ウィルスン
『SFが読みたい!』2008年版1位。最近の海外SFは情報不足だが、読むよう教えてもらった作品で機会をうかがってはいる。
24. 『ヴァーミリオン・サンズ』J・G・バラード
バラードで所有しているのは『結晶世界』のみで一応読んだ覚えが。スティーヴン・スピルバーグによって映画化された『太陽の帝国』は劇場で見た。「スペキュラティブ・フィクション」「インナースペース」等独創的な作風だがそれだけに難解でもあった。『ヴァーミリオン・サンズ』は短編集で未読。
25. 『エイダ』山田正紀
私にとって山田正紀と言えば『神狩り』。その衝撃は今も強く残っている。その後、初期作品を中心に読んだがさほど印象に残るものはなかった。1994年刊行の『エイダ』についてはよく知らない。
26. 「結晶星団」(短篇)小松左京
小松左京と言えば映像化された代表作『日本沈没』『復活の日』を読んだことがない。もちろん映画はTVで見たことはあるが。『果てしなき流れの果に』『日本アパッチ族』『エスパイ』といった初期の長編や『首都消失』は読んでいる。ただ、私も小松左京の代表作と問われると短編を挙げたい。私の場合は「夜が明けたら」を挙げるだろうが。
27. 『あなたの人生の物語』テッド・チャン
薦められて読んだ本だが素晴らしい内容だった。SFとはアイディアであるというその本質に改めて気付かせてもらった作品。寡作であることがこれほど残念な作家もいないだろう。
28. 『ボッコちゃん』星新一
持っているのはそう多くはないが、所有している本である。借りて読んだ分も含めればかなりの量のショート・ショートは読んだと思う。その中でも「おーい でてこーい」のインパクトは強烈だった。最相葉月の『星新一 一〇〇一話をつくった人』も必読の一冊だろう。
29. 『戦闘妖精 雪風・改』神林長平
改訂版ではない『戦闘妖精・雪風』は読んだ。所有は12冊だが、『あなたの魂に安らぎあれ』も借りて読んだ。SFらしいSFだけに、SFを離れた身としてはちょっととっつきにくいが。
30. 『産霊山秘録』半村良
所有しており、たぶん読んだはず。半村良では『石の血脈』の方が印象に残る。また、非SFながら『下町探偵局』も好きな作品だった。短編では「収穫」が思い出深い。
31. 『九百人のお祖母さん』R・A・ラファティ
R・A・ラファティはこの1冊だけ所有しているが積読状態。
32. 『スノウ・クラッシュ』ニール・スティーヴンスン
邦訳が1998年なのでほとんど知らない作家・作品である。
33. 『闇の左手』アーシュラ・K・ル・グィン
所有は3冊だが読んだのは本書のみだと思う。ストーリーなどはほとんど覚えていないが強烈なインパクトを受けたということは記憶している。読み返したい作品のひとつだ。
34. 『アド・バード』椎名誠
第11回SF大賞受賞作。椎名誠は恐らく1冊も読んだことがない。評判は聞いているが、なんとなく機会がなかった。SF周辺作家って哀しいくらい読んでなかったりする。
35. 『マルドゥック・スクランブル』冲方丁
『天地明察』を図書館に予約したばかりだが、冲方丁もまだ読んだことがない作家だ。『マルドゥック・スクランブル』も書架に2巻と3巻はあるのに1巻がない。予約を入れれば済むことだがつい他の本を優先してしまっていた。ちゃんと腰を据えて読みたいと思っている作家なのだが。第24回日本SF大賞受賞作。
36. 『上弦の月を食べる獅子』夢枕獏
夢枕獏は「キマイラ・吼」シリーズや「魔獣狩り」シリーズなど初期の作品を読んでいる。『上弦の月を食べる獅子』も初期の作品であり、早川書房の「新鋭書下ろしSFノヴェルズ」から刊行されていたので、もしかしたら借りて読んだ可能性もある。第10回日本SF大賞受賞作。
☆調べてみたら、「新鋭書下ろしSFノヴェルズ」刊行予定ではあったものの、最終的にはこのレーベルではない形で出版された模様。だとしたら、読んでない可能性が高そうだ。
37. 『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』コ ニー・ウィリス
コニー・ウィリスは『ドゥームズデイ・ブック』を読了。時間旅行を扱った非常に刺激的な作品だった。同一シリーズと言える本書は読んでみたい本としてずっと思っている。読みやすいとはいえ海外SFはどうしても手に取るのを躊躇する傾向が……。
38. 『シャングリ・ラ』池上永一
2009年TVアニメ化され、それは数話見た。世界観などはやや類型的とはいえ興味深かったが、ヒロインの造形に難が感じられて途中で見なくなった。原作は未読なのでアニメの出来だけで判断はできないと思っている。
39. 『闘技場』フレドリック・ブラウン
取り上げられているのは2009年に刊行されたボクラノSFという福音館書店のレーベルの短編集。フレドリック・ブラウンは長編『火星人ゴーホーム』、短編集『未来世界から来た男』の2冊を所有。共に読んでいるはず。
40. 『ブルー・シャンペン』ジョン・ヴァーリイ
『へびつかい座ホットライン』のタイトルはうろ覚えながら、著者の名はすっかり記憶の外にあった。当然、本書についても初耳。1994年刊行の短編集だという。
41. 〈ナイトウォッチ〉三部作 上遠野浩平
上遠野浩平と言えばデビュー作でもある『ブギーポップは笑わない』が代表作。ブギーポップシリーズはこの第1作は読み、2作目辺りで止まったと思う。ほとんどが積読だが、13冊を所有し、うち一冊はナイトウォッチシリーズ第1作『ぼくらは虚空に夜を視る』である。未読だけれど。
42. 『銀河ヒッチハイク・ガイド』ダグラス・アダムス
本書及びシリーズ第2作『宇宙の果てのレストラン』を所有、読了。このような破天荒なバカ話は大好きだ。読んだのは昔だが、そんな印象は今でも残っている。
43. 『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン
サイバーパンクSFが喧伝され頑張って読んだ。黒丸尚の翻訳は印象的だった。作品の内容はさっぱり覚えていないが。
44. 『メンタル・フィメール』大原まり子
持っているが恐らく読んではいない。大原まり子は『一人で歩いていった猫』『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』辺りが印象的だったが、積読作品も多い。
45. 『象られた力』飛浩隆
勧められてはいるが、まだ読んだことのない飛浩隆。第26回日本SF大賞受賞作。
46. 『リングワールド』ラリイ・ニーヴン
所有・読了。内容は覚えていないが、幸運の遺伝子を持つヒロインという魅力的な設定は覚えている。ラリイ・ニーヴンは最もSFらしいSFを書く作家というイメージを持っているが、それが読もうという気に繋がらないのが哀しいところだ。
47. 『異星の客』ロバート・A・ハインライン
ハインラインは代表作も多いが、中でも『夏への扉』は忘れがたい作品だろう。その『夏への扉』や『人形つかい』あたりは読んでいるが、『異星の客』は未読。というかタイトルも覚えがないような作品だったりする。
48. 『デカルトの密室』瀬名秀明
瀬名秀明はデビュー作にして代表作の『パラサイト・イヴ』を持ってはいるが読んでいない。もちろん、他の作品に至ってはタイトルもほとんど知らない状態。
49. 『グランド・ミステリー』奥泉光
奥泉光は名前は聞いたことがある程度なので、その著書についてはさっぱり分からない。ミステリ畑の印象があるが。
50. 『太陽風交点』堀晃
徳間文庫の本書は所有。読んでいるはず。堀晃と言えば、現在本人のHPで公開されている「梅田地下オデッセイ」が読みたくて古本屋漁りをしたこともあった。
さすがに100冊は大量なので、半分に分ける。以下、パート2に続く。
以前、蔵書リストを作った。今回、それを参考にしていたが、どうも抜けが気になった。約3年前の作成なので、その後さほど増えてはないが、本の置き場所を探す時にも利用しており、少しずつ置き場所を変更しているせいかその点でも作り直しの機運は高まっている。とはいえ、一朝一夕にできるものでもないので、今年の目標程度にしておこう。
SF本の雑誌 (別冊本の雑誌 15) 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2009-07-02 |
折角なのでブログのネタとしてベスト100を取り上げてみたい。
1. 『万物理論』グレッグ・イーガン
グレッグ・イーガンが国内で翻訳されるようになったのは1999年から。その頃にはほとんどSFを読まなくなってしまっていたので、これまで読む機会はなかった。1999年からスタートした『SFが読みたい!』では、『宇宙消失』『祈りの海』『万物理論』『ディアスポラ』の4作が海外部門1位を獲得している。
2. 『ソラリス』スタニスワフ・レム
1965年刊行の『ソラリスの陽のもとに』という早川書房版のタイトルの方が馴染みだが、著名なタイトルの割に手を出す機会が無かった。1972年と2002年に映画化もされているがどちらもちゃんとは見ていない。東欧系SF作家の作品ということでやや身構えてしまうせいだろうか。2004年に国書刊行会から出版されたせいか、「SFファン度調査」では読者数順7位と高い位置を占めている。
3. 『マイナス・ゼロ』広瀬正
もちろんその名は知っているが、これまた読んだことがない。いつも読まねばと思いつつ手を出していない作家の一人だ。1970年の作品だが2008年に再刊されている。
4. 『故郷から10000光年』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
J・ティプトリー・ジュニアは『愛はさだめ、さだめは死』『たったひとつの冴えたやりかた』『老いたる霊長類の星への賛歌』の3冊を所有。その全てを読んでいるとも言い難く、関心の高さが実際の読書に結び付いていない。
5. 『虚航船団』筒井康隆
読もうとした覚えはあるが読んだ記憶はない。筒井作品は30冊以上所有しているが、初期の短編集が多い。長編で好きなのも『七瀬ふたたび』で初期の作。好きな作家ではあるが、優等生的読者ではなかったのは明らかだ。
6. 『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター
所有しているのは『分解された男』だけだが、読んだはず。借りて読んだ本というのは時間が経って記憶が曖昧になると読んだかどうか分からなくなるから困る(笑)。機会があればちゃんと読み直したい作品だ。読者数順でも5位に入っている。
7. 『ユービック』フィリップ・K・ディック
フィリップ・K・ディックは代表作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『高い城の男』を読んでいる。だが、『ユービック』というタイトルは記憶にない。
8. 〈ハイペリオン〉四部作 ダン・シモンズ
『ハイペリオン』上巻の半分を読んだところで止まってしまっているので読んだうちには入らない。長く積読だったのをようやく読み始めたのに……。読まねばと思うほど読めないものだ。
9. 〈十二国記〉小野不由美
小野不由美のファンだが、あえて言おう。『十二国記』って本当にSFのオールタイムベストで9位に入るべき作品なのか?私自身は『図南の翼』は何度も繰り返し読んだほど好きだが、本編(『図南の翼』は番外編的)の方はそれほど評価していない。世界観の独創性は他のファンタジーと比較して突出してはいるが、物語の展開が遅々として進んでないためそれが十分に物語にフィードされているかも微妙に思う。ちょっと祭り上げられすぎているようなのが気になってしまう。
10. 『百億の昼と千億の夜』光瀬龍
所有しているが、読んだかどうか不明。萩尾望都によるコミックは読んでいる。光瀬龍では『たそがれに還る』は読んだ記憶があるが……。
11. 『火星年代記』レイ・ブラッドベリ
既読。もちろん小説も素晴らしいが、映像化された作品も素晴らしかった印象が残っている。映画だったと思っていたら総計5時間というTVドラマのようだ。深夜にTVで放映されたものをたまたま見て引き込まれたことがあった。ブラッドベリでは『十月はたそがれの国』といった短編集も懐かしい思い出だ。
12. 『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス
1962年のヒューゴー賞受賞作というSFの古典。名前は知っているが読んだことはない。
13. 『時は準宝石の螺旋のように』サミュエル・R・ディレイニー
ディレイニーは『バベル-17』を苦労して読んだ記憶が。『時は準宝石の螺旋のように』はあのサンリオ文庫版しかないのね。サンリオ文庫というとどうしても翻訳のひどさが思い出されてしまうけれど、本書は大丈夫だったのかな。
14. 〈新しい太陽の書〉五部作 ジーン・ウルフ
邦訳されたのが1986年だから知っていても良さそうなのだが、ジーン・ウルフはほとんど知らない作家。「新しい太陽の書」も記憶に無い。
15. 『消滅の光輪』眉村卓
眉村卓はジュブナイルSFの印象も強いが、持っているのは『EXPO'87』『滅びざるもの』の2冊。『消滅の光輪』の属する「司政官」シリーズは読んだ記憶が無い。
16. 『虐殺器官』伊藤計劃
作品への評価はともかく、読んだばかりの作品。現在『ハーモニー』を読んでいるところ。
17. 『鼠と竜のゲーム』&『シェイヨルという名の星』コードウェイナー・スミス
コードウェイナー・スミスは『ノーストリリア』『鼠と竜のゲーム』を所有しているが未読。いつか、きっと、読む、はず。
18. 『伝奇集』ホルヘ・ルイス・ボルヘス
幻想文学の短編集。私がSFファンだった頃はSFの文脈で取り上げられた記憶がないのだけれど。もちろん、読んでいない。
19. 『ストーカー』アルカジイ&ボリス・ストルガツキー
ソ連のストルガツキー兄弟の作品でタルコフスキーによって映画化されているが、共に見ていない。
20. 『アラビアの夜の種族』古川日出男
古川日出男は『ベルカ、吠えないのか?』の著者として知ってはいたが読んだことはなかった。しかし、つい最近「ウィザードリィ」小説との関わりで本書の存在を知り図書館に予約を入れたばかり。シンクロニシティってことで(笑)。第23回日本SF大賞受賞作。
21. 『レ・コスミコミケ』イタロ・カルヴィーノ
イタリア文学者だというが全く知らない。幻想文学短編集。
22. 『兇天使』野阿梓
野阿梓は『武装音楽祭』を所有・読了。耽美系はいいがちょっととっつきにくさも感じる作家。
23. 『時間封鎖』ロバート・チャールズ・ウィルスン
『SFが読みたい!』2008年版1位。最近の海外SFは情報不足だが、読むよう教えてもらった作品で機会をうかがってはいる。
24. 『ヴァーミリオン・サンズ』J・G・バラード
バラードで所有しているのは『結晶世界』のみで一応読んだ覚えが。スティーヴン・スピルバーグによって映画化された『太陽の帝国』は劇場で見た。「スペキュラティブ・フィクション」「インナースペース」等独創的な作風だがそれだけに難解でもあった。『ヴァーミリオン・サンズ』は短編集で未読。
25. 『エイダ』山田正紀
私にとって山田正紀と言えば『神狩り』。その衝撃は今も強く残っている。その後、初期作品を中心に読んだがさほど印象に残るものはなかった。1994年刊行の『エイダ』についてはよく知らない。
26. 「結晶星団」(短篇)小松左京
小松左京と言えば映像化された代表作『日本沈没』『復活の日』を読んだことがない。もちろん映画はTVで見たことはあるが。『果てしなき流れの果に』『日本アパッチ族』『エスパイ』といった初期の長編や『首都消失』は読んでいる。ただ、私も小松左京の代表作と問われると短編を挙げたい。私の場合は「夜が明けたら」を挙げるだろうが。
27. 『あなたの人生の物語』テッド・チャン
薦められて読んだ本だが素晴らしい内容だった。SFとはアイディアであるというその本質に改めて気付かせてもらった作品。寡作であることがこれほど残念な作家もいないだろう。
28. 『ボッコちゃん』星新一
持っているのはそう多くはないが、所有している本である。借りて読んだ分も含めればかなりの量のショート・ショートは読んだと思う。その中でも「おーい でてこーい」のインパクトは強烈だった。最相葉月の『星新一 一〇〇一話をつくった人』も必読の一冊だろう。
29. 『戦闘妖精 雪風・改』神林長平
改訂版ではない『戦闘妖精・雪風』は読んだ。所有は12冊だが、『あなたの魂に安らぎあれ』も借りて読んだ。SFらしいSFだけに、SFを離れた身としてはちょっととっつきにくいが。
30. 『産霊山秘録』半村良
所有しており、たぶん読んだはず。半村良では『石の血脈』の方が印象に残る。また、非SFながら『下町探偵局』も好きな作品だった。短編では「収穫」が思い出深い。
31. 『九百人のお祖母さん』R・A・ラファティ
R・A・ラファティはこの1冊だけ所有しているが積読状態。
32. 『スノウ・クラッシュ』ニール・スティーヴンスン
邦訳が1998年なのでほとんど知らない作家・作品である。
33. 『闇の左手』アーシュラ・K・ル・グィン
所有は3冊だが読んだのは本書のみだと思う。ストーリーなどはほとんど覚えていないが強烈なインパクトを受けたということは記憶している。読み返したい作品のひとつだ。
34. 『アド・バード』椎名誠
第11回SF大賞受賞作。椎名誠は恐らく1冊も読んだことがない。評判は聞いているが、なんとなく機会がなかった。SF周辺作家って哀しいくらい読んでなかったりする。
35. 『マルドゥック・スクランブル』冲方丁
『天地明察』を図書館に予約したばかりだが、冲方丁もまだ読んだことがない作家だ。『マルドゥック・スクランブル』も書架に2巻と3巻はあるのに1巻がない。予約を入れれば済むことだがつい他の本を優先してしまっていた。ちゃんと腰を据えて読みたいと思っている作家なのだが。第24回日本SF大賞受賞作。
36. 『上弦の月を食べる獅子』夢枕獏
夢枕獏は「キマイラ・吼」シリーズや「魔獣狩り」シリーズなど初期の作品を読んでいる。『上弦の月を食べる獅子』も初期の作品であり、早川書房の「新鋭書下ろしSFノヴェルズ」から刊行されていたので、もしかしたら借りて読んだ可能性もある。第10回日本SF大賞受賞作。
☆調べてみたら、「新鋭書下ろしSFノヴェルズ」刊行予定ではあったものの、最終的にはこのレーベルではない形で出版された模様。だとしたら、読んでない可能性が高そうだ。
37. 『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』コ ニー・ウィリス
コニー・ウィリスは『ドゥームズデイ・ブック』を読了。時間旅行を扱った非常に刺激的な作品だった。同一シリーズと言える本書は読んでみたい本としてずっと思っている。読みやすいとはいえ海外SFはどうしても手に取るのを躊躇する傾向が……。
38. 『シャングリ・ラ』池上永一
2009年TVアニメ化され、それは数話見た。世界観などはやや類型的とはいえ興味深かったが、ヒロインの造形に難が感じられて途中で見なくなった。原作は未読なのでアニメの出来だけで判断はできないと思っている。
39. 『闘技場』フレドリック・ブラウン
取り上げられているのは2009年に刊行されたボクラノSFという福音館書店のレーベルの短編集。フレドリック・ブラウンは長編『火星人ゴーホーム』、短編集『未来世界から来た男』の2冊を所有。共に読んでいるはず。
40. 『ブルー・シャンペン』ジョン・ヴァーリイ
『へびつかい座ホットライン』のタイトルはうろ覚えながら、著者の名はすっかり記憶の外にあった。当然、本書についても初耳。1994年刊行の短編集だという。
41. 〈ナイトウォッチ〉三部作 上遠野浩平
上遠野浩平と言えばデビュー作でもある『ブギーポップは笑わない』が代表作。ブギーポップシリーズはこの第1作は読み、2作目辺りで止まったと思う。ほとんどが積読だが、13冊を所有し、うち一冊はナイトウォッチシリーズ第1作『ぼくらは虚空に夜を視る』である。未読だけれど。
42. 『銀河ヒッチハイク・ガイド』ダグラス・アダムス
本書及びシリーズ第2作『宇宙の果てのレストラン』を所有、読了。このような破天荒なバカ話は大好きだ。読んだのは昔だが、そんな印象は今でも残っている。
43. 『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン
サイバーパンクSFが喧伝され頑張って読んだ。黒丸尚の翻訳は印象的だった。作品の内容はさっぱり覚えていないが。
44. 『メンタル・フィメール』大原まり子
持っているが恐らく読んではいない。大原まり子は『一人で歩いていった猫』『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』辺りが印象的だったが、積読作品も多い。
45. 『象られた力』飛浩隆
勧められてはいるが、まだ読んだことのない飛浩隆。第26回日本SF大賞受賞作。
46. 『リングワールド』ラリイ・ニーヴン
所有・読了。内容は覚えていないが、幸運の遺伝子を持つヒロインという魅力的な設定は覚えている。ラリイ・ニーヴンは最もSFらしいSFを書く作家というイメージを持っているが、それが読もうという気に繋がらないのが哀しいところだ。
47. 『異星の客』ロバート・A・ハインライン
ハインラインは代表作も多いが、中でも『夏への扉』は忘れがたい作品だろう。その『夏への扉』や『人形つかい』あたりは読んでいるが、『異星の客』は未読。というかタイトルも覚えがないような作品だったりする。
48. 『デカルトの密室』瀬名秀明
瀬名秀明はデビュー作にして代表作の『パラサイト・イヴ』を持ってはいるが読んでいない。もちろん、他の作品に至ってはタイトルもほとんど知らない状態。
49. 『グランド・ミステリー』奥泉光
奥泉光は名前は聞いたことがある程度なので、その著書についてはさっぱり分からない。ミステリ畑の印象があるが。
50. 『太陽風交点』堀晃
徳間文庫の本書は所有。読んでいるはず。堀晃と言えば、現在本人のHPで公開されている「梅田地下オデッセイ」が読みたくて古本屋漁りをしたこともあった。
さすがに100冊は大量なので、半分に分ける。以下、パート2に続く。
以前、蔵書リストを作った。今回、それを参考にしていたが、どうも抜けが気になった。約3年前の作成なので、その後さほど増えてはないが、本の置き場所を探す時にも利用しており、少しずつ置き場所を変更しているせいかその点でも作り直しの機運は高まっている。とはいえ、一朝一夕にできるものでもないので、今年の目標程度にしておこう。
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