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9月9日のブログで、
21世紀の安全保障の概念は軍事的側面だけでなく、さらに広く「経済活動から必然的に生じる環境的側面」へと展開していかなければなりません。戦争やテロがなくなり、世界に真の平和が訪れたとしても私たちがいま直面している環境問題に終わりはないからです。その象徴的存在が「気候変動問題」であり、「生物多様性の保全問題」と言えるでしょう。
と書きました。
これら2つの問題は「増加する人口とそれに伴う経済活動の拡大」と「有限な地球の許容限度」との関係の厳しさを示しています。「気候変動問題」が先進国と新興国や途上国、あるいは先進国間での思惑の違いから十分な成果があげられないままに、それでも、一定の共通認識が国際社会で共有されるところまできましたが、もう一つの「生物多様性の保全問題」はどうでしょうか。
気候変動問題は1997年に「京都議定書」が策定され、現在に至っていますが、「生物多様性の保全問題」については、来月に名古屋市で開催される「生物多様性条約第10回締約国会議(国連地球生きもの会議=COP10)」で、「名古屋ターゲット」と「生物資源の利益配分」についての国際ルールとなる「名古屋議定書」の策定が期待されています。
今日は、来月名古屋市で開催される「COP10」の議論についてまとめておきます。
次の記事が示しますように、「生物多様性条約」は、1972年の「第1回国連人間環境会議」(ストックホルム会議)の20周年に当たる1992年に開催された「地球サミット」(環境と開発に関する国連会議)で、「気候変動枠組み条約」と共に署名されたものです。ですから、署名からすでに18年が経っています。
9月4日の朝日新聞に掲載された記事「いちからわかる 地球いきもの会議」によりますと、「生物多様性条約には193カ国・地域が参加しており、10月に開催される生きもの会議はその総会で、150カ国以上の閣僚が出席する国際会議だ。開催国・日本の環境相が議長になる。会場では自然保護に携わるNGOや企業も、取り組みを紹介するイベントを開く。政府は、期間中に約8千人の来訪を見込んでいる」とのことです。
まったくの余談ですが、私がこの記事を読んだときに真っ先に思い出したのが2008年5月20日の朝日新聞が「会議で出るCO2相殺 1万1300トン 30年かけ吸収」という見出しで報じた松沢成文・神奈川県知事のお粗末な「CO2削減対策」と、その説明を聞いた当時の高村外務大臣の認識でした。
本題に戻ります。5月11日の朝日新聞は、この条約が2002年に掲げた「2010年目標」が達成されず、失敗に終わったと報じています。
生物多様性条約には、次の図が示すように、
①生物多様性を守る
②生態系の恵みは、回復が追いつく範囲で利用していく
③植物や微生物などの生物資源(遺伝資源)を採取して利用したときは、その利益を原産国にも適切に配分する
という3つの目的があります。
来月10月に名古屋市で開催される「COP10」で話し合う基本テーマは2つあります。
1つは2020年までに達成すべき世界目標「名古屋ターゲット」(条約事務局の原案では、世界の海に占める海洋保護区の割合や増すべき資金の規模など20項目の目標が挙がっている)をまとめること。
もう1つは目的の3番目「生物資源(遺伝資源)の利用と利益分配」(ABS:ABSは植物や微生物などの遺伝資源を使って開発した商品の利益を、資源提供国にも還元すること。これまでは任意の国際ガイドラインで各国の国内法に従い事前契約を結ぶように求められていた)のための国際ルール「名古屋議定書」を策定すること
さて、10月に開催されるCOP10のルーツは1992年の「地球サミット」であったことがわかりました。それでは、18年前の地球サミットおよびその後の国際社会での日本の振るまいや環境問題に対する基本認識はどのようだったのでしょうか。次の関連記事をご覧ください。
このブログ内の関連記事
1992年の地球サミット:「環境問題をリードしてきた国」と「そうでなかった国」(2007-12-04)
私の環境論4 21世紀も「人間は動物である」(2007-01-14)
私の環境論5 動物的な次元から逃れられない人間(2007-01-15)
明日は、地球サミットの前年、つまり、1991年当時のスウェーデン政府の環境に対する基本認識を探ってみます。
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21世紀の安全保障の概念は軍事的側面だけでなく、さらに広く「経済活動から必然的に生じる環境的側面」へと展開していかなければなりません。戦争やテロがなくなり、世界に真の平和が訪れたとしても私たちがいま直面している環境問題に終わりはないからです。その象徴的存在が「気候変動問題」であり、「生物多様性の保全問題」と言えるでしょう。
と書きました。
これら2つの問題は「増加する人口とそれに伴う経済活動の拡大」と「有限な地球の許容限度」との関係の厳しさを示しています。「気候変動問題」が先進国と新興国や途上国、あるいは先進国間での思惑の違いから十分な成果があげられないままに、それでも、一定の共通認識が国際社会で共有されるところまできましたが、もう一つの「生物多様性の保全問題」はどうでしょうか。
気候変動問題は1997年に「京都議定書」が策定され、現在に至っていますが、「生物多様性の保全問題」については、来月に名古屋市で開催される「生物多様性条約第10回締約国会議(国連地球生きもの会議=COP10)」で、「名古屋ターゲット」と「生物資源の利益配分」についての国際ルールとなる「名古屋議定書」の策定が期待されています。
今日は、来月名古屋市で開催される「COP10」の議論についてまとめておきます。
次の記事が示しますように、「生物多様性条約」は、1972年の「第1回国連人間環境会議」(ストックホルム会議)の20周年に当たる1992年に開催された「地球サミット」(環境と開発に関する国連会議)で、「気候変動枠組み条約」と共に署名されたものです。ですから、署名からすでに18年が経っています。
9月4日の朝日新聞に掲載された記事「いちからわかる 地球いきもの会議」によりますと、「生物多様性条約には193カ国・地域が参加しており、10月に開催される生きもの会議はその総会で、150カ国以上の閣僚が出席する国際会議だ。開催国・日本の環境相が議長になる。会場では自然保護に携わるNGOや企業も、取り組みを紹介するイベントを開く。政府は、期間中に約8千人の来訪を見込んでいる」とのことです。
まったくの余談ですが、私がこの記事を読んだときに真っ先に思い出したのが2008年5月20日の朝日新聞が「会議で出るCO2相殺 1万1300トン 30年かけ吸収」という見出しで報じた松沢成文・神奈川県知事のお粗末な「CO2削減対策」と、その説明を聞いた当時の高村外務大臣の認識でした。
本題に戻ります。5月11日の朝日新聞は、この条約が2002年に掲げた「2010年目標」が達成されず、失敗に終わったと報じています。
生物多様性条約には、次の図が示すように、
①生物多様性を守る
②生態系の恵みは、回復が追いつく範囲で利用していく
③植物や微生物などの生物資源(遺伝資源)を採取して利用したときは、その利益を原産国にも適切に配分する
という3つの目的があります。
来月10月に名古屋市で開催される「COP10」で話し合う基本テーマは2つあります。
1つは2020年までに達成すべき世界目標「名古屋ターゲット」(条約事務局の原案では、世界の海に占める海洋保護区の割合や増すべき資金の規模など20項目の目標が挙がっている)をまとめること。
もう1つは目的の3番目「生物資源(遺伝資源)の利用と利益分配」(ABS:ABSは植物や微生物などの遺伝資源を使って開発した商品の利益を、資源提供国にも還元すること。これまでは任意の国際ガイドラインで各国の国内法に従い事前契約を結ぶように求められていた)のための国際ルール「名古屋議定書」を策定すること
さて、10月に開催されるCOP10のルーツは1992年の「地球サミット」であったことがわかりました。それでは、18年前の地球サミットおよびその後の国際社会での日本の振るまいや環境問題に対する基本認識はどのようだったのでしょうか。次の関連記事をご覧ください。
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明日は、地球サミットの前年、つまり、1991年当時のスウェーデン政府の環境に対する基本認識を探ってみます。
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