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炭素税 神奈川県の県地方税制等研究会が導入検討を促す報告書を松沢知事に提出

2009-04-06 11:02:04 | 温暖化/オゾン層
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4月1日の朝日新聞の「さがみ野」版に掲載された次の記事を読みました。


報告書では、「低炭素社会を目指し、国が全国一律の環境税(炭素税)導入に向けて議論を加速化させる必要がある。県が独自に炭素税を導入することは、議論を促進させるフロントランナーの意義がある」しているそうです。この記事によれば、東京都は厳しい経済状況を踏まえて、導入見送りを決めているそうです。

●県が初めて排出量の速報値を公表 CO2排出量10%増


ともあれ、東京、大阪に続く人口第3位の神奈川県の松沢知事にはこの報告書の提案を前進させるために強いリーダーシップを発揮してほしいと希望しますが、私は知事がこの問題に対する十分な基本認識をお持ちなのか非常に疑問を持っています。およそ1年前に松沢知事が行った次のようなパフォーマンス的な、私には無意味に思える決断を行ったからです。今はやりの「カーボン・オフセット」の一例です。


松沢知事の説明に対して、当時の高村外務大臣が「7月の北海道洞爺湖サミットに向けていい前例になる。同様の取り組みが他の都道府県にも広がることを期待したい」と応じたそうですが、そうなりますと、外務大臣の基本認識も疑わざるを得ません。

カーボン・オフセットについては、2008年2月7日に環境省が公表した「わが国におけるカーボン・オフセットのあり方についての指針」というのがあります。この指針のなかに「カーボン・オフセットが実現されるまでの期間」という項目があります。

●カーボン・オフセット

●カーボン・オフセットが実現されるまでの期間

県の説明では「横浜で開催されるアフリカ会議に伴って排出される1万3000トンのCO2を30年かけて吸収するために約8300万円の予算で県有林の整備や植林を行う」とありますから、県も知事もそして、外務大臣も3ヶ月前に出されていた「環境省のカーボン・オフセットのあり方についての指針」の存在さえ、知らなかったということなのでしょうか。

皆さんは、ここに示された県、知事、外務大臣の「気候変動に関する基本認識」をどう考えますか。私には、「世界に冠たる環境技術や省エネ技術を有し、世界第2位の経済規模を持ち、環境立国をめざす日本」と言ってはばからない「政治家と行政のお粗末な基本認識」が垣間見えたとしか言いようがありません。

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