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アーカイブ(公開論文集)
10月17日のブログで次のように書きました。
私の環境論が他の多くの日本の専門家の議論と異なるのは、 「環境問題」と「経済(活動)」 を最初から関連づけて考えていること、そして、環境問題の解決のためには 「民主主義の考え方」と「その実践」 が必須なこと、具体的には環境問題の解決は、従来の公害とは違って技術的な対応だけでは不十分で、経済社会の制度の変革をともなうこと、21世紀に主な環境問題を解決した「エコロジカルに持続可能な社会」の創造のためには、さまざまな「政策」とそれらの政策を実現するための「予算措置」が必要なこと、つまり、環境問題の解決に当たって「技術の変革」と「政治と行政のかかわり」を強く意識していることです。
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スウェーデンの国会議員の投票率の推移(2007-01-09)
なぜ、先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑧ 国の方向を決めた政治的選択(2007-08-25)
なぜ、先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑨ 省益に左右されない意思決定システム(2007-08-26)
なぜ、先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑩ 地方分権:国と地方の役割分担(2007-08-27)
今度は、過去最低を更新!(2007-08-27)
20世紀の安全保障の議論は「軍事的側面」に特化されていましたが、21世紀の安全保障の概念は軍事的側面だけでなく、さらに広く「経済活動から必然的に生じる環境的側面」へと展開していかなければなりません。戦争やテロ活動がなくなり、世界に真の平和が訪れたとしても私たちがいま直面している環境問題に終わりはないからです。その象徴的存在が「気候変動問題」といえるでしょう。
そして、10月17日から11月8日までに朝日新聞に「経済危機の行方 世界は」のタイトルのもとに10人の識者へのインタビュー記事が掲載されました。11月8日以降は、記事掲載がありません。このまま終わってしまうのかどうか不明ですが、とりあえず、これまでに掲載された記事を、ここで後日必要な時に参照しやすいようにまとめておきましょう。
私の判断基準は「世界の経済危機の行方」を考えるときに、 「21世紀の経済成長」の最大の制約要因であるはずの「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点がインタビューを受けた10人の識者に意識されているかどうかです。
①岩井克人・東京大学経済学部教授
資本主義は本質的には不安定●貨幣それ自体が実は純粋な投機●セカンドベストを目指すしかない
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
②行天豊雄・元大蔵省財務官
欲望と倫理 バランス不可欠●責任持つものいない市場万能主義●過剰消費変わるか 米の選択が鍵
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
③入江 昭・ハーバード大名誉教授
大恐慌と同じ道辿らない●国際協調が不可欠と米も悟った●「金融版WHO」構築し英知を絞れ
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
④ポール・サミュエルソン・マサチューセッツ工科大学名誉教授
規制緩和と金融工学が元凶●赤字いとわぬ財政支出不可欠●米政治、民主党主導へ転換必至
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑤本田由紀・東京大学大学院教育学研究科準教授
市場主義の波 家庭・教育にも●崩れた「戦後日本型循環モデル」●個人を守る社会モデル構築を
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑥エマニュエル・トッド 人口統計学・歴史学者
今や米国は問題もたらす存在●中国、輸出頼みを続ければ崩壊する●欧州・北米・極東に保護主義圏を
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑦ジョセフ・スティグリッツ・米コロンビア大学教授
恐慌防ぐ手を正しく打て●企業だけでなく働く人を助けよ●特定通貨に依存しない仕組みを
長期的視野に立って地球温暖化対策に力を入れ、「グリーンなアメリカ」をつくるべきだ。
⑧黒田東彦・アジア開発銀行総裁
背景に経済収支の不均衡●米バブル あくまで国内に原因●アジアに消費・投資増やす役割
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑨武藤敏郎・大和総研理事長・前日本銀行副総裁
繁栄続き、楽観しすぎた米国●世界金融の枠組み、再構築必要●各国の政策、同質化進むだろう
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑩中曽根康弘・元首相
モラルなき拝金主義 背景に●米国に代わりG20を司令部に●日本主導でアジアの声上げよ
現代においては、環境や資源など地球的規模の課題が、かつてのソ連の脅威に匹敵する切迫さをもって迫ってきている。地球規模の環境や資源などの人類的課題について、もっと具体的に、真剣に、対策を講じていかなければならない。
これまでに登場した10人の識者のうち、21世紀の「世界の経済危機の行方」を論ずる際に、「資源」、「エネルギー」および「環境」という実体経済を直接支えている要因に触れた識者は経済学者のステグリッツさんと元首相の中曽根康弘さんのお二人しかおりませんでした。これが現実のようです。
アーカイブ(公開論文集)
10月17日のブログで次のように書きました。
私の環境論が他の多くの日本の専門家の議論と異なるのは、 「環境問題」と「経済(活動)」 を最初から関連づけて考えていること、そして、環境問題の解決のためには 「民主主義の考え方」と「その実践」 が必須なこと、具体的には環境問題の解決は、従来の公害とは違って技術的な対応だけでは不十分で、経済社会の制度の変革をともなうこと、21世紀に主な環境問題を解決した「エコロジカルに持続可能な社会」の創造のためには、さまざまな「政策」とそれらの政策を実現するための「予算措置」が必要なこと、つまり、環境問題の解決に当たって「技術の変革」と「政治と行政のかかわり」を強く意識していることです。
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20世紀の安全保障の議論は「軍事的側面」に特化されていましたが、21世紀の安全保障の概念は軍事的側面だけでなく、さらに広く「経済活動から必然的に生じる環境的側面」へと展開していかなければなりません。戦争やテロ活動がなくなり、世界に真の平和が訪れたとしても私たちがいま直面している環境問題に終わりはないからです。その象徴的存在が「気候変動問題」といえるでしょう。
そして、10月17日から11月8日までに朝日新聞に「経済危機の行方 世界は」のタイトルのもとに10人の識者へのインタビュー記事が掲載されました。11月8日以降は、記事掲載がありません。このまま終わってしまうのかどうか不明ですが、とりあえず、これまでに掲載された記事を、ここで後日必要な時に参照しやすいようにまとめておきましょう。
私の判断基準は「世界の経済危機の行方」を考えるときに、 「21世紀の経済成長」の最大の制約要因であるはずの「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点がインタビューを受けた10人の識者に意識されているかどうかです。
①岩井克人・東京大学経済学部教授
資本主義は本質的には不安定●貨幣それ自体が実は純粋な投機●セカンドベストを目指すしかない
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
②行天豊雄・元大蔵省財務官
欲望と倫理 バランス不可欠●責任持つものいない市場万能主義●過剰消費変わるか 米の選択が鍵
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
③入江 昭・ハーバード大名誉教授
大恐慌と同じ道辿らない●国際協調が不可欠と米も悟った●「金融版WHO」構築し英知を絞れ
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
④ポール・サミュエルソン・マサチューセッツ工科大学名誉教授
規制緩和と金融工学が元凶●赤字いとわぬ財政支出不可欠●米政治、民主党主導へ転換必至
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑤本田由紀・東京大学大学院教育学研究科準教授
市場主義の波 家庭・教育にも●崩れた「戦後日本型循環モデル」●個人を守る社会モデル構築を
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑥エマニュエル・トッド 人口統計学・歴史学者
今や米国は問題もたらす存在●中国、輸出頼みを続ければ崩壊する●欧州・北米・極東に保護主義圏を
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑦ジョセフ・スティグリッツ・米コロンビア大学教授
恐慌防ぐ手を正しく打て●企業だけでなく働く人を助けよ●特定通貨に依存しない仕組みを
長期的視野に立って地球温暖化対策に力を入れ、「グリーンなアメリカ」をつくるべきだ。
⑧黒田東彦・アジア開発銀行総裁
背景に経済収支の不均衡●米バブル あくまで国内に原因●アジアに消費・投資増やす役割
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑨武藤敏郎・大和総研理事長・前日本銀行副総裁
繁栄続き、楽観しすぎた米国●世界金融の枠組み、再構築必要●各国の政策、同質化進むだろう
「資源」、「エネルギー」および「環境」の視点はまったくない。
⑩中曽根康弘・元首相
モラルなき拝金主義 背景に●米国に代わりG20を司令部に●日本主導でアジアの声上げよ
現代においては、環境や資源など地球的規模の課題が、かつてのソ連の脅威に匹敵する切迫さをもって迫ってきている。地球規模の環境や資源などの人類的課題について、もっと具体的に、真剣に、対策を講じていかなければならない。
これまでに登場した10人の識者のうち、21世紀の「世界の経済危機の行方」を論ずる際に、「資源」、「エネルギー」および「環境」という実体経済を直接支えている要因に触れた識者は経済学者のステグリッツさんと元首相の中曽根康弘さんのお二人しかおりませんでした。これが現実のようです。
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