酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

第二次朝鮮戦争もあり得る?

2009-06-12 05:01:36 | Weblog
 国連安保理の北朝鮮制裁決議案がようやく最終合意に達した。北朝鮮に出入りする船舶に対する自国領海内で臨検を義務付けるかどうかが焦点だったが、見送られた。公海上については「旗国」の了解を得られれば臨検してもいいことになった。

 《国連安全保障理事会の常任理事国と日韓の7カ国は10日午前(日本時間同日深夜)、2回目の核実験を強行した北朝鮮に対する新たな制裁決議案について最終合意した。中国の要請で、貨物検査の義務化見送りなどの修正が加わった。決議案は同日午前11時から開かれた安保理の全体会合で全理事国に提示された。拒否権を持つ常任理事国が合意したことで、早ければ11日にも採択される。

 外交筋によると、修正された決議案は、北朝鮮を出入りする貨物をめぐり、加盟国が自国領域内で行う検査について、表現を「要請する」に弱めて義務化を見送ったほか、公海上の船舶の貨物検査についても、検査を「許可する」との表現を削った》=朝日com=

 5月25日に北朝鮮が核実験を行ったと発表してから2週間以上が過ぎている。4月のミサイル発射の際は、9日後に議長声明を出した。制裁決議に「格上げ」したとはいえ、時間がかかりすぎだ。一両日中に採択される方向だが、リビアやベトナムなども賛成し全会一致になるかどうか。

 臨検の義務付けは外したが、金融監視強化も打ち出されておりそれなりに厳しい内容だ。問題は各国がこのとおり実行するかどうかである。イランやリビア、シリアなどミサイル技術や核開発での「同盟国」がすんなり応じるわけがない。これらの国と北を結ぶ船が、公海上で臨検に遭う。不測の事態もあり得る。

 制裁を強めても北の核計画放棄は期待できない。それどころか、ますます必死で核開発に励むだろう。ミサイルの長射程も急いでいるに違いない。こうした反応を見越して、アメリカは「日韓には核の傘を差し続けますよ」とささやいている。

 《米国防総省で日本を含むアジア・太平洋安全保障問題を担当するグレグソン次官補は9日、省内で共同通信などと会見し、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応する「新たなアプローチ」を検討しており、その一環として「核の傘」を含む米国の抑止力について日本や韓国と協議を深めていることを明らかにした。

 これまであいまいだった「核の傘」の実効性を具体的に協議しているとみられる。「対話路線」とされたオバマ政権の対北朝鮮政策が「圧力重視」に方針転換したことが明確になった》=共同=

 北の非核化を半ばあきらめたのではないか。そうだとすれば物騒な話だ。日本で敵基地攻撃論が高まり、海上では臨検をめぐってドンパチがあるかもしれない。韓国は前大統領の自殺で、国政が大混乱している。これらの組み合わせが化学反応を起こせば、武力衝突・戦争という最悪の事態もあり得る。

 世界にはそれを待望する輩もいる。見せ掛けの回復を演じている世界経済が、二番底を踏み抜いたときが危ない。シオニストを主席補佐官に据えているオバマは、ブッシュより強硬な手段に出る可能性がある。

 

 
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盲目の天才音楽家たち

2009-06-09 06:02:55 | Weblog
 二十歳の全盲ピアニストがクライバーン・コンクールで優勝した。寒々したニュースや政治のバカバカしさが幅を利かせる中で、こういう知らせはうれしい。 
  
 《日本の関係者に入った連絡によると、米テキサス州フォートワースで開かれた第13回バン・クライバーン国際ピアノコンクールで7日(日本時間8日)、盲目の日本人ピアニスト、辻井伸行さん(20)が優勝した。中国人ピアニストと並んでの第1位だった。

 1962年にスタートした同コンクールでの日本人の優勝は初めて。同コンクールで日本人最高位は69年の野島稔さんの第2位。

 辻井さんは東京都生まれ。生まれつきの全盲だったが、幼少期に音楽を始めた。

 先月31日、日本人としては40年ぶりに決勝(6人)に進出。今月4日に始まった決勝の演奏では、ショパンのピアノ協奏曲第1番、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番などに挑んだ》=共同=

 楽器を操れる人物は、それだけですごいと思う。まして、生まれながら視力がない人が…。でも、目が見えないと音への感覚は鋭くなる。風を感じる力や足の裏の感覚も鋭い。盲人のランナーとジョギングをしていて、驚いたことがある。

 視力障害者はすべて天才的だ。なかでも音楽家が目立つ(ように感じる)。日本の検校(盲目の官僚の最高位)は琵琶や筝曲の始祖とされる。現代筝曲の草分け宮城道雄もこの系譜に属する。三味線では盲目の瞽女たちや高橋竹山らが知られる。

 バイオリニストの和波孝禧の映画に感動したのはいつだったろう。

 ジャズの世界では盲目のプレーヤーは一種の神話だ。ローランド・カーク、ハンス・フォスター、レイ・チャールズ…。数え上げればきりがない。

 これら盲目の天才たちが、伝説になっているのはテクニックや音量だけではなく、そこに魂のほとばしりを感じるからだろう。見えないからこそ、神が見える。神の声が聞こえる。演奏している姿や曲からそれを感じるのだ。

 辻井君にもぜひその域に達してほしい。味が出るのはまだ先のことだろうが、期待は大きい。

 
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岡田ジャパン、まずはおめでとう

2009-06-07 09:41:55 | Weblog
 岡田ジャパンがW杯サッカー2010南ア大会の予選突破一番乗りを果たした。残り3試合のうち1つ勝てばいいという条件とはいえ、追い込まれるにつれプレッシャーがきつくなる。1発で決めたのは上出来だ。

 そのウズベク戦、前半の終盤以降は相手に押し込まれっぱなしだった。笛がどうのいうより、動きの悪さと当たりの弱さが目立った。芝が深いためボールコントロールが思うようにいかない、などとNHKの解説で山本昌邦がしゃべっていた。

 こういう言い方は選手を甘やかすだけだ。日本のピッチは世界でも最上の部類だろう。芝の長さだけでなく、下の土もしっかりしている。だが、国際試合はそうはいかない。芝が深かろうが、穴ぼこだらけだろうが、立ったピッチで最高のパフォーマンスを見せなくては勝利は覚束ない。

 Jリーグは九石ドームの芝生の管理が悪いと、大分に改善命令を出している。

 《Jリーグが大分に対し、九石ドーム(大分市)の荒れた芝生の改善命令を出していたことが5月31日、分かった。大分の溝畑宏社長によると、改善命令を受けるのは02年以来2度目。芝が容易にめくれるなどピッチ状態が悪く、けがに結びつく危険性があるとして、29日に文書通達されたという。大分は芝環境の指定管理業者らと今後の対応措置を検討している。

 今季の九石ドームでは、昨秋の大分国体後に張り替えた芝が根付かないまま開幕したため、選手が足をとられるケースが何度もあった。他クラブから「選手をプレーさせたくない」などの声も出ていた》=日刊スポーツcom=。

 J首脳が、いいコンディションで試合をさせたいと考えるのは当然だ。でも、国内の競技場すべてが同じ芝状態などありえないし、それを求めるべきでもない。

 芝はぼろぼろ、小石が転がるピッチでイレギュラーバウンドするボールを、足に吸い付くように扱うアフリカのサッカーを見習ってほしい。

 
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哀れな警察官

2009-06-06 06:29:04 | Weblog
 何とも情けない事件である。愛媛県警の刑事が引ったくりをして、高校生に取り押さえられてしまった。

 《岡山県警岡山中央署は4日、岡山市内で財布をひったくったとして愛媛県警松山南署刑事1課盗犯係の巡査部長、野村尚史容疑者(29)=松山市北土居3=を窃盗容疑で現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は、4日午後7時50分ごろ、岡山市中区森下町の路上を歩いていた無職女性(75)に背後から徒歩で近付き、女性が胸に抱えていた財布(現金1万740円、クレジットカード在中)を奪ったとしている。

 野村容疑者は逃げたが、自転車で帰宅途中だった私立関西高3年、伊井飛鳥君(17)と同1年の宝来隆太郎君(15)が、「どろぼう」という女性の悲鳴を聞いて自転車で約250メートル追跡、挟み撃ちにして取り押さえた》=毎日jp=。

 29歳の警察官なら二人の男を相手に立ち回り、これを制圧できなくては務まらない。柔道、剣道のいずれかを正式に学び、逮捕術などでも鍛えているは何のためだ。とっ捕まった男は、もともと警官に向いていなかったのかもしれない。

 なぜ、愛媛から岡山まで出掛けていって、引ったくりなのか。ここも分からない。「地元でやるのは、ちょっと」と怖気づいたのかもしれない。気が弱い男なんだろう。そうでなければ、追いかけてきた高校生ぐらい、気合で圧倒できるはずだ。悪事を働いたあとなので、余計に気が動転し、体も動かなかったということか。どこかを患っている疑いが濃厚だ。

 いずれ、岡山県警から高校生2人に感謝状が贈られるだろうが、警察も決まり悪いことだ。なにせ、高校生に「世も末だ」などと嘆かれるのだから。

 でも、警察の実態ってそんなものだろう。清く正しい警察など、映画やテレビの話だ。いまどきそんなことをぼやいても仕方ない。ところが、毎日新聞などは社説にまで取り上げて、「警察よしっかりしろ」と叱咤している。なんだかなあ。

 《警察官が、自ら罪を犯すとは言語道断だ。市民の信頼への裏切りだが、人並み以上に正義感や使命感に燃える若者が巡査を拝命していることに照らせば、警察組織に何らかの欠陥があるように思われてならない》=6日付け社説=

 中学生の作文ならまだしも、中年以上の新聞記者がこんな能天気な文章を書いていることに驚く。警察組織は数ある官僚組織の中でも極めつけの縦社会だ。「何らかの欠陥」どころの話ではない。組織そのものが欠陥なのだ。正義や使命という言葉を、何の定義もなく使っているのも度し難い。


 
 
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「押し紙」暴露にあわてる朝日、読売、毎日

2009-06-05 05:32:17 | Weblog
 週刊新潮が6月11日号から始めた連載「新聞業界最大のタブー 押し紙を斬る」に朝日、読売、毎日が猛反発している。各紙とも発売当日の4日付けで「反論」を掲載、同じ日に載せた「新潮」広告の打ち消しに必至の様相だ。

 《朝日新聞社は3日、週刊新潮6月11日号の掲載記事とその広告について、「朝日新聞の信用を著しく棄損した」として、謝罪と訂正を求める抗議文を同誌編集部に送った。

 記事は「ひた隠しにされた『部数水増し』衝撃の調査データ」の見出しで、朝日新聞の「本当の配達部数」が、日本ABC協会が調べた部数に比べて大幅に少ないとしている。本社は抗議文で、記事が取り上げた滋賀県内での調査データは「実態と異なり、まったく信用できない」とし、広告の見出しについては「全発行部数の34%が捨てられたと誤解される記述で、断じて看過できない」と指摘している》=朝日com=

 《読売新聞社は3日、週刊新潮6月11日号の広告(4日付け本紙掲載)の見出しについて、抗議文を同誌編集長あてに送った。

 問題の広告は、「衝撃の調査データ 読売18%、朝日34%、毎日57%が配られずに棄てられていた」などとする見出し。抗議文は「広告は、読売新聞の18%が配達されずに棄てられていたとの印象を一般の読者に与えるが、事実と異なっており看過できない」としている。朝日新聞社、毎日新聞社もそれぞれ抗議文を同誌に送った》=4日付け読売=

 同じような文面だが、どちらが「衝撃」を強く受けているかといえば朝日だろう。読売は「広告の見出し」に限定して抗議しているのに対して、朝日は「記事と広告」両方を問題にし、広告以外の情報も伝えてくれているからだ。

 朝日によれば新潮が取り上げたデータは滋賀県内のものだという。本当に「実態と異な」っているのだろうか。発行本社が新聞販売店に対して、購読者数を上回る新聞を押し付けるのが「押し紙」だ。比較的良心的な地方紙で3~10%、大手紙は10~30%が押し紙相場らしい。「朝日34%」はこれを上回っており、頭にきたということか。

 発行部数とシェアが広告単価を決める大きな要素になっているからだ。でも、この不況で単価はがた落ち、いまや押し紙で単価を維持する必要はないのだが…。

 押し紙の実態については新潮連載の執筆スタッフでもある黒薮哲哉氏がwww.geocities.jp/shinbunhanbai/で繰り返し述べている。

 朝日は読売と毎日も抗議しているという事実を吹っ飛ばしてしまった。読売、毎日は3紙が抗議ときちんと書いている。小さなことのようだが、大きな違いだ。どうしてこのような歪んだ書き方になるのだろう。

 新潮の連載に朝日が抗議といえば、例の捏造が記憶に新しい。記事を「創る」ことでは定評がある両者のバトル第2弾が楽しみだ。
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「金正雲後継」のはてな??

2009-06-04 04:51:51 | Weblog
 3日付けの各紙が一斉に「金正日の後継は三男」と報じている。朝日は1面トップに据える力の入れようだ。中国大使館から直接取材できたことで「確度は十分」と判断したためだろう。だが、どの新聞を眺めてみても、なぜこの時期に後継指名なのかとなると、依然闇の中である。

 《北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記(67)が三男正雲(ジョンウン)氏(25)を後継者に指名した、と朝鮮労働党幹部が中国共産党幹部に伝達していたことがわかった。正雲氏が今年初め、党や軍の人事権を握る党組織指導部長に就任したとの情報も伝えられた。労働党幹部と関係が深い北京の中朝関係筋と、両国を往来する金総書記に近い北朝鮮筋が明らかにした》=朝日com=

 《韓国の情報機関、国家情報院が、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記(67)の後継者に三男の正雲(ジョンウン)氏(26)が選ばれたことを示す情報を入手したとして、一部国会議員に報告したことが2日、明らかになった。

 同院が入手した後継者に関連する具体的な情報が表に出たのは初めて》=読売ONRINE=

 読売は韓国国家情報院→韓国国会議員のラインで情報を入手している。情報院がどこでキャッチしたかについては「インテリジェンス」として触れていないが、北と国交がある国の大使館筋だということは書いてある。おそらく、中国なのだろう。

 金王朝が動揺している。正日のこうした焦りが、後継作業を急がせていると見るのが順当なところだ。だが、正妻の子ではなく、少年期にスイスに留学して安逸な暮らしを楽しんだ正雲が国民の尊敬を集められるだろうか。きわめて疑問だ。

 中国は35年前の正日継承の際も、「社会主義と世襲は両立しない」と異を唱えた。正雲後継となると3代続きだ。中国指導部がすんなり認めるわけがない。

 各紙の報道によると、北国内では後継についての指令は電話などで行われたという。これもおかしな手続きだ。国家的大事の伝達が事務連絡とかわらないとは…。

 朝鮮労働党の党内手続きを一切経ないで後継が決まった可能性が濃厚だ。正日は継承時には党の枢要ポストに就いており、ナンバー2の地位にあった。正雲は国防委員会に配属されたとも伝えられるが、はっきりしない。

 軍と正日の義弟・張成沢が正日の意を受けて強引にことを進めていると考えられる。その意図は後継をスムーズに進めるためというより、王朝の未来図を示すことで正日自身の権力基盤を安定させたいということだろう。

 安定を求めるとは、現在が不安定であることの裏返しだ。北は今、大きく動揺しているのではないか。
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