酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

総裁選ではなく総選挙だ

2008-09-15 05:43:56 | Weblog
 14日夕、新潟市で開かれた「自民党総裁選候補街頭演説会」を聞いてきた。聴衆は1500人ほど。場所が狭いせいもあって、それなりの盛り上がり感を見せていた。イベントとしては成功の部類だろう。


 でも、中身となると目を覆うようなお粗末さ。いまの国会議員のレベルの低さを示して余りあった。

 前座では新潟県選出の国会議員6人と次期総選挙候補予定者1人、計7人が登壇し、「この苦境を克服できるのは自民党だけ」と声を張り上げた。これがもう駄目。小選挙区を勝ち抜いた議員は2人だけ、あとは比例で救われたり、惜敗率でも届かなかった連中である。こういう人たちが「自民党、自民党」とがなりたてるほど、「やっぱり自民党では駄目だ」ということになるのではないか。地元の議員なら、中小企業や農業の苦境にどう対処するかなど、具体論を示さなければならない。


 さて、真打というか、大喜利である。

 五人で役割分担し、こもごも「あの党」よりどれだけましかを訴えあう。そんな趣だった。五人が最高権力者の座を懸けて争っている雰囲気や意気込みは皆無、こんな素人芝居を見せられては白けるだけだ。


 石原伸晃は行革担当相や国土交通相当時の行跡は半分棚に上げて「必要な道路は造るんです」などとぶっていた。街宣車が停まっていた場所が、地元3大ゼネコンの玄関先というのが皮肉だ。

 小池百合子は「霞が関をぶっ壊す」と誰かの真似。霞が関におんぶに抱っこだったのはどこの誰。天下りは絶対に認めないとも言う。官僚の究極の天下りである、国会議員への転身はどうなのか。彼らは実力で這い上がってくるわけではない。官僚組織と業界の集票マシンを後ろ盾に、左団扇の選挙を決め込む。所属政党はもちろん自民党だ。こうした点への言及を欠いては、何の説得力もない。


 麻生太郎は疲れていたのだろうか。ギャグも駄洒落もないまともな演説に終始したのは意外だった。新潟を意識して拉致問題から始め、開かれた自民党を強調して終わった。「私が首相になれば、ここに並んだ4人は閣僚や党役員で遇します」。そんなニュアンスがにじみ出る演説だった。


 石破、与謝野は省略。ただ、与謝野氏が車のガードパイプを握り締めて辛そうに立っていたのが印象に残る。体調は大丈夫なのだろうか。


 五人の競り合いで国民にアピールし、その勢いで解散・総選挙になだれ込む。これが自民党の戦略だが、こんな馴れ合いをあと1週間も続けるのは苦しいだろう。ぱらぱらと拍手は起きていても、聴衆の失望感は隠せない。八百長が見え見えだったからだ。


 演説会のすぐ隣で「新潟総おどり」なるイベントが繰り広げられ、総裁選とマイクのボリュームを競っていた。元気度とパワーはイベントの圧勝でした。
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渡世人までキレるとは

2008-09-14 06:25:03 | Weblog
 露天商といえば、的屋(てきや)。寅さんの同業者だ。短気で向こう見ずだが、凶器を振り回したりはしない。と、思っていたら、違った。


 《13日午後10時20分ごろ、石川県白山市鶴来桑島町の桑島神社境内で行われていた秋祭りで、男が持っていた鎌で境内にいた人を次々切りつけ、30代の男性1人が死亡、男性6人が重軽傷を負った。祭りの関係者から「包丁を振り回している男がいる。けが人もいる」との110番通報を受け、県警鶴来署は金沢市法光寺町の露天商、新井敏明容疑者(42)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。

 同署の調べによると、新井容疑者は境内に露店を出していたが、参集者にからかわれたと思い、いったん露店を閉めて乗ってきた軽トラックで帰宅。同10時20分ごろ、乗用車に乗りかえて境内に再び乗り付けて人をはね、持っていた鎌で次々と人を切りつけたという。

 新井容疑者は露店で子どものおもちゃを売っていた。特に抵抗もなく逮捕されたという》=朝日電子版=


 客にからかわれて逆上したらしい。祭りの客は冷やかしが多い。お神酒が入っていて商品にあーだ、こーだ言う奴もいる。それをあしらい、逆にからかい、周りの客をにんまりさせるのが的屋の腕(顎)の見せどころなんだが…。


 的屋の質が極めて悪くなった。屋台一つかけるのにもたもたしている。いっぺんにできないで、坐って煙草を吸いだす始末だ。口上をいえる若い衆なんぞ見たことがない。アルバイトの若い子にいたっては、恐くて近寄れない雰囲気さえ漂わせている奴がいる。


 今回の容疑者は42歳だ。分別が出てくる年頃なのにどうしたのだろう。一連の通り魔事件などとは明らかに様相が違う。


 ポイントは客がからかったというその中身だろう。言ってはいけない言葉を投げかけた可能性がある。家まで取って返して、刃物を持ってくる。この間で頭は多少なりとも冷えているだろうに、行動は直線的であった。


 子どものおもちゃを売る的屋は、田舎の祭りでは食べ物屋についで人気が高い。売れなくていらいらしていたところに、変な声が聞こえてきた。「この野郎、ぶっ殺す」、となってしまった。


 被害者の中に容疑者の知人や顔見知りが含まれていた可能性もある。「こいつにだけは言われたくない」などの事情も考え得る。


 事件のシチュエーションが微妙なだけに、影響が心配だ。露天商への取締りが強化される恐れもある。祭りの規制や警戒が強まるのは必至だろう。そうやって祝祭の空間がまた狭まる。悪循環だと思うが…。
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小泉純一郎のへっぴり腰

2008-09-13 04:49:48 | Weblog
 麻生太郎の勝利が確定している自民党総裁選を何とか盛り上げようと、いろんな方々があれこれ手を尽くしているらしい。その第一弾は、動向が注目を集めている元首相・小泉純一郎の神格化である。

 大衆の面前では誰を支持するかについて「何も言えねえ」と北島語でとぼけていたが、小池百合子陣営の幹部がお伺いを立てると「小池なら小沢に勝てる」とのたもうたそうだ。



 《自民党総裁選に立候補している小池百合子元防衛相の選対本部の12日午前の会合で、選対本部長の衛藤征士郎元防衛庁長官は「10時から30分間、小泉純一郎元首相と会った。小泉さんは『オレは小池さんを支持する。小池総裁になれば、民主党の小沢一郎代表といい勝負になる』と言っていた」と報告した。


  衛藤氏の報告の後、小池氏は「小泉さんは『何も言えねえ』と言っていたが、(自分への支持を)言ってくれた。私は『超うれしい』だ」と喜んだ》=毎日電子版=


 言う小泉も阿呆だが、こんなご託宣に舞い上がる小池はさらに阿呆×3ぐらいの勢いだ。この総裁選の数少ないテーマは、「小泉改革」なるものがもたらした荒廃からどう脱却するかにある。その小泉からお墨付きをもらって「超うれしい」などとはしゃいでいるようでは話にならない。


 小泉のカリスマ性などという当てにならないものにすがること自体、この総裁選のつまらなさ、というよりも自民党のピンボケ具合を示して余りある。


 小泉を奉れば奉るほど、いま戦っている?五人の卑小さが際立つということに気がついていない。国民が小泉にキャーキャー言っているのは、その政治路線を評価してのことではない。タレント人気と同じだ。いわば人寄せパンダ。


 かつて田中角栄も「俺は人寄せパンダでいい」と言ったことがある。このパンダは「国土の均衡ある発展」という一応の背骨を持ったパンダだった。小泉大神には何もない。


 本気で小池支持で動くのかどうかも疑わしい。大衆の面前でライオンのたてがみを振り乱し「小池百合子しか日本を救う人物はいない」とでも絶叫しないと、何のご利益もない。小泉カードの強さは大衆にアピールできる点にある。密室で衛藤征四郎あたりに「小池」などとささやいたところで、何の価値もない。事実かどうかさえ、疑おうと思えば疑える。


 小泉も街頭などで「小池」を絶叫することはないだろう。しょせん負け戦、自分が吼えても効果がなかったとなればカリスマが低下するのは目に見えている。スタイリストの小泉がそんな選択をするとは思えない。


 「五人とも小泉内閣の閣僚経験者です」。この小泉発言にすべてが凝縮されている。口では色々言っているが、基本的に小泉内閣の後継だ、という意味である。これでは総裁選が盛り上がらないわけだ。


 毎日や日経の電子版によれば、小泉の「小池支持」発言に自民党有力者が敏感に反応しているという。これも額面どおりには受け取れない。党内対立や派閥の軋轢を煽りたて、燃えない総裁選に火をつけようという意図が見え隠れするからだ。まあ、ニュースになればいいということだ。

《毎日電子版》
 中川秀直元幹事長=「小泉元首相から強力なメッセージをいただいた」
 小池選対の会議 =中川「さすが小泉さんだと改めて尊敬の念を深くした
 小池氏(記者団に)=「とても心強い」
 森喜朗元首相   =「知らん。(支持)するならすればいいじゃないか」
 
《日経電子版》
 町村信孝官房長官 =「公の前で話したわけじゃない。真偽のほどは分から
            ない」
 (石破茂陣営)  =「うちは小泉チルドレンの支持者が少ない」
 (石原伸晃陣営) =「大勢に影響ない」
 (与謝野馨陣営) =「支持層がかぶらない」
 
 小泉発言の裏側に、総選挙後の政界再編を嗅ぎ取る向きもあるが、どうだろう。それほどまじめな男には見えない。面白半分に再編劇場の舞台監督としてしゃしゃり出ることはあるかもしれないが…。メディアが小泉人気にすがっている罪も大きい。
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まるで●●●に刃物だ

2008-09-12 04:28:00 | Weblog
ロシア空軍の長距離戦略爆撃機「Tu160」2機がベネズエラの空軍基地に着陸した。インタファクス=共同が11日伝えた。「ブラックジャック」の名で知られる同機は、世界最大・最速・最大積載量を誇る戦略爆撃機で、ロシアから無着陸でアメリカ本土に飛来する能力を持つ。スペック的には古くはなっているが、ロシア空軍を象徴する重厚長大な爆撃機といえる。

 ロシアはカリブ海でベネズエラ海軍と合同軍事演習を行う計画を持っており、北方艦隊旗艦である原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル大帝」などを派遣すると見られている。

 ロシア軍のグルジア侵攻に絡み、米海軍第6艦隊の旗艦「マウント・ホイットニー」が黒海のポチ港に入港して沖合のロシア黒海艦隊とにらみ合っている。

 強力な兵器というおもちゃをもてあそぶ馬鹿ものどもといわなければならない。これではやくざが拳銃や人足をあつめて、対立する組を恫喝するのと変わらない。ロシアもアメリカも世界のやくざと言ってしまえばそれまでだが…。

 ロシアがやくざ・マフィア化の道を深めているのは間違いない。政府に批判的な実業家やジャーナリストの暗殺が後を絶たない。ごく最近も南部イングーシ共和国でネットサイトの運営者でジャーナリストのマゴメド・エブロエフ氏が銃で頭を撃たれて死亡している。イングーシ内務省は「爆発事件の事情聴取中の事故」と述べている。

 アメリカはチェイニー=ラムズフェルドという軍需産業の代理人が、アフガンとイラクの戦争を仕掛けいまに至っている。邪魔者は消し、金のためなら主権国家も消し去る。こういう論理をやくざの論理というのだろう。

 山口組と稲川会の抗争でも物騒だというのに、人類を何回も抹殺できる核兵器を抱え込んだ米ロの意地の張り合いなど、まっぴらご免だ。軍事は冗談が本当になる危険性をはらむ。演習が戦争の引き金になるのがそのケースだ。


 まして、ベネズエラは狂信的反米指導者チャベスが君臨する国である。何をしでかすか分かったものではない。現にAP=共同電は「チャベス大統領は爆撃機派遣を歓迎。自ら搭乗する意向を示し『ヤンキーの覇権は終わった』と述べ、米国一極支配への対抗心をむき出しにした。

 冗談はよしこさん、である。チャベスが戦略爆撃機の操縦桿を握らせるなど、●●●に刃物と言わなければならない。


 ロシア国内には「強いプーチン」待望論があるという。若いメドべージェフが「僕だってアメリカを凹ますぐらいできるもん」とムキになるのが怖い。やけどをしないうちに、双方とも物騒なおもちゃは自国に引き上げるべきだ。グルジア問題の仲介に立っているのは、これまた柄の悪いサルコジだ。

 日本やドイツ、カナダあたりが本気で米ロをどやしつけるのが一番いいのだが、頼りになりそうなのがいない。ならずもの国家がのさばるのは、本当に恐い。
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金正日の容態は?

2008-09-11 05:08:58 | Weblog
 10日の産経が「金正日重体」を報じてから、世界のメディアの関心は北朝鮮に釘付けだ。自民党総裁選は国際的にはいよいよ影が薄くなった(もっとも、海外メディアはこんな茶番は端から相手にしていないか)。

 
 核施設の無力化作業停止を発表したあたりから、北の行動の振幅が大きくなったように感じる。将軍様の決済が降りず、軍と党のバランスが崩れたため、と考えると合点がいく。一時は重体だったのだろう。

 《韓国大統領府は10日夜、北朝鮮の金正日総書記(66)が「脳血管疾患による脳卒中から回復中であり、現時点で深刻な状況ではないとみえる」と発表した。北朝鮮内では人民軍も含め特異な動向はないとしている。李明博大統領が招集した関係閣僚会議での報告を受け、明らかにした。
 

 これに先立ち、韓国の情報機関、国家情報院(国情院)の金成浩院長は10日、非公開で行われた国会情報委員会で金総書記の病状について報告。出席議員によると、金総書記は外出はできないものの意識はあり「特に不安定な状態ではない」と説明。北朝鮮の統治体制に空白状態は生じていないとの見方を示した。
 しかし、聯合ニュースによると、出席議員の1人は「手術後、容体は随分好転したが一部に言語障害があり、身体の一部にまひ症状が残っていると聞いた」と語った。
 

 同ニュースは、金総書記が8月中旬以降に循環器系統の異常のため外国の医療陣により手術を受けたと伝えている。
 国情院の報告によると、韓国政府は8月中旬に健康悪化の情報を入手したという》=共同=

 現時点で北の情報を最も的確に掴んでいるのは韓国である。上記報道の確度は高いと見ていい。それにしても、解せないのは共同通信だ。ピョンヤンに支局を開設して2年、一体何をしておるのか。常駐記者はおらず、地元通信員(政府or党関係者?)からは公式見解以外は伝わってこない。支局といっても「日朝国交正常化後への布石です」ということなのだろう。


 それはまだいい。いま、共同のトップらが北朝鮮に滞在しているのに、ピョンヤン電が何もないことをいぶかっているのだ。編集局長や記者も入っているだろう。要人とも会っているはずだ。「日本をはじめ、外国では総書記の死亡説まで流れています。きちんとした情報を発信しないと誤解を招きますよ」ぐらいのことは伝えているのでしょうね。肝心のときに何の役にも立たない支局では、痛くない腹を探られても仕方ない。


 本題に戻る。糖尿病に脳卒中、もはや将軍様はいつお隠れになってもおかしくない。その意味では早大教授にして北朝鮮ウオッチャーの重村智計が先月の「週刊現代」で「金正日はすでに死んでいる」と述べているのは半分正しいだろう。


 問題はその後だ。

 韓国メディアは《「金敬姫・張成沢氏の支援を受けている金正男氏」対「高英姫、リ・ジェガン氏の後光を背負っている金正哲(キム・ジョンチョル)氏の権力対決構図》=中央日報=などと伝える。


 東京ディズニーランド潜入を試みた正男は勇敢でいいかもしれない。正哲はスイス留学で知性を磨いた。どちらが後を継いでも金王朝は万全だ 。北朝鮮国民をはじめ、世界の誰もがそんなことは考えていまい。


 ルーマニアのチャウシェスクやアフガニスタンのナジブラの最期が目に浮かぶ。八つ裂きにされたナジブラの写真には目を覆うしかなかった。正日死去が北朝鮮大動乱の始まりになるのは間違いない。


 日本にそのときへの備えは………。まるでない。
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総裁選祭りの始まりだ~い

2008-09-10 06:30:39 | Weblog
 第23代の自民党総裁を選ぶ総裁選が、いよいよきょう告示される。出馬の顔触れは9日までに固まった。麻生太郎、与謝野馨、小池百合子、石破茂、石原伸晃の5氏である。


 5人で総裁の椅子を争うのは始めてである。これまでは候補者4人というのは何度かあった。記憶に新しいところでは、5年前、小泉純一郎、亀井静香、藤井孝男、高村正彦が戦った例がある。このときは小泉の圧勝ムードで、ほかの連中は派閥事情などからのやむなき出馬だった。今回と似ていなくもない。


 現在の情勢はどうか。毎日新聞の世論調査では次のようになっている。


《毎日新聞は5~7日、面接方式の全国世論調査を実施した。「誰が首相にふさわしいと思うか」を質問したところ、自民党総裁選に立候補予定の5氏では麻生太郎幹事長23%、小池百合子元防衛相、石原伸晃元政調会長各4%、与謝野馨経済財政担当相、石破茂前防衛相各1%だった》


 自民党員以外でこの評価である。いうまでもなく、総裁選は党員と国会議員による投票で決まる。党員票は国会議員票の数百分の一程度の価値しかない。となれば、どう転んでも麻生太郎が第24代総裁の座に着くことは間違いない。


 だからこその百花繚乱、百家鳴動、百鬼夜行…の総裁選になるのだ。これを裏付けるのが、森喜朗の次の証言だ。


 《森元首相は7日、金沢市であった自民党パーティーでのあいさつで、無派閥の野田聖子消費者行政担当相に総裁選への立候補を要請していたことを明らかにした。

 森氏は野田氏について「女性はたくさんいらっしゃるが、一番、女性として、政治家として強い信念を持った人だ。きっと女性候補として出てくれるだろうとの思いがあった」と語った。ただ、立候補を勧めたところ野田氏は拒んだという》=朝日電子版=


 当の野田はこう言う。

 
《野田聖子消費者行政担当相は9日午前の記者会見で、自民党の森喜朗元首相から総裁選に出馬するよう要請されたものの、経験不足を理由に断ったことを明らかにした。それによると、福田康夫首相が退陣を表明した翌日の2日、森氏から電話で出馬を促された。野田氏は会見で「国を背負う、命を懸けてやるという重みと対峙したとき、修行不足と判断し、断った」と述べた=時事=


 野田といえば、郵政選挙での造反でついこの間まで放逐されていた人物だ。要は話題性があれば誰でもいいということだ。佐藤ゆかりや猪口邦子じゃ、ちょっとなあ。トウは立っているけど小池でいいか…。


 振り付け師が森かどうかは怪しいものだが、今回の総裁選を老、壮、青プラス女性の候補者が争う華やかなものにいたいと考えていたことは間違いない。これは誰かの意図というより自民党の自己防衛本能、DNAから来ているのかもしれない。


 安保の石破、40代の石原が立ったのはそういう理由だ。だが、地方選の大半はドント方式になってしまった。国会議員票は3割強が麻生で固まっている。22日までの間によほどのことが起きない限り、1回目の投票で麻生が勝つ。決選投票になるとすれば、麻生VS与謝野だろうが、これも勝敗は動かない。


 問題はその後の衆院選である。麻生が河野洋平に次ぐ二人目の「首相になれない総裁」になる可能性は大いにある。
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「生きてることが辛いなら」

2008-09-09 04:58:07 | Weblog
 森山直太朗の話題づくりにNHKが協力する、そう解釈するのが正しいのだろう。一部で論議を呼んでいるという新曲「生きていることが辛いなら」の扱いのことである。 



 《歌手森山直太朗(32)がNHK「MUSIC JAPAN」(11日深夜0時10分放送)で、一部コンビニエンスストアの店内放送の禁止など、賛否両論の論争が起こっている新曲「生きてることが辛いなら」を約4分半フルコーラスする。民放では、編成上の理由から3分程度の披露だが「今回は作品として、すべての歌詞をきちんと聞いてもらいたい」というNHK側の意向から、異例の、初フルコーラスが決まった。

 フルコーラスが放送される直前には、歌詞の意味や騒動についての思いなどを語った森山のインタビューが約3分間流れる。同番組では異例の構成。不特定多数が出入りするコンビニでは歌詞の一部だけを耳にする可能性があり、一部のチェーンが店内放送を禁止にしたことを重く受け止めたようだ》=朝日電子版=


 歌や詩、小説や短歌、絵に写真に映画…。表現手段はさまざまだ。原則そこでは何をやっても許される。時として「わいせつだ」とか「差別を広げる」とかの批判も飛び出すが、それも含めて受け入れましょう、というのが私たちの社会の基本ルールである。


 もちろん、当該の作品に対する好き嫌いはある。でも作るのは自由なのだから、発表する場も自由であるべきだ。と、考えてくると、この歌を特別な形で紹介すること自体、ちょっと変だ。普通の歌として扱えばいい。どうってことのない歌なのだから。

 

 ただ、作者の次のようなコメントを聞くとアーティストとしてのセンスを疑いたくなる。この子は癒し系で、みんなに受け入れられるのが大切だと考えているんですね。だとしたら、新曲の狙いは外れたかもしれない。奇をてらい過ぎているからだ。


 《「メッセージは詞の全体に込められています。全体を聞いてほしい」とコメントしてきた森山だが、同番組でコンビニの措置について聞かれ「すごくいい判断なんじゃないかとは思いました。誰かをむげに傷付けてしまうっていう、それだけはやっぱ嫌だ。100人聞いて99人がいいと言ってくれても、1人がネガティブな受け取り方をしてしまうのは、望んでいない」》=朝日電子版=


 100人が100人とも「いい」とほめる歌なんかにいいものがあるわけがない。もう少し気の利いた言い回しをないと「表現者」としては失格だ。


 表現者としての未熟ぶりは歌詞にはっきり示されている。「全体に込めた」メッセージとは何か。善意に解釈すれば、自殺なんかやめて、くたばるまで生きようということか。でも、あの歌い出しと2番以下の論理は完全に矛盾している。メロディーラインもつまらない。


 早い話が話題性以外何もない。この歌を一言で評せばそうなる。どんどんテレビやラジオで流せばいい。すぐに消費され、忘れられてしまう。メディアが妙に規制すると、「神秘のベール」がかかって生き残る。本人の意向とは別に? 販売戦略的には後者を選ぶのではないか。やれやれ。
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北の湖をいじめてもねえ

2008-09-08 04:44:13 | Weblog
大相撲の露鵬と白露山の尿から大麻の成分が検出されたとして大騒ぎになっている。簡易検査だけでなく、精密検査でも陽性と出た。吸っていた疑いは限りなく深まったといっていいだろう。


 現在の法体系の中では、大麻吸引はそれだけでは罪に問えない。所持等の証拠が見つからなければ、二人に対する刑事処分はあり得ない。吸引だけでなく所持も重なって逮捕された若の鵬も、今日8日には不起訴が決まるという。


 刑事罰を問われない非行にどこまで責任を負わせるか。なかなか難しい問題だ。まして、当事者は日本の事情に疎い外国人力士である。土俵から放逐するのはいき過ぎだろう。1場所の出場停止と謹慎ぐらいでいいのではないか。


 ただし、親方はそうはいかない。指導監督不行き届きは明白だ。きっちり責任を果たしてほしい。



 と、ここまでは一般論だ。


 メディアでは北の湖理事長の資質と責任を問う声が日増しに高まっている。B検体の検査を待たずに辞任に追い込まれるのではないか。8日中の解任が有力との報道もある。


 身から出た錆といえなくもないが、相撲協会や北の湖に高い見識を求めること自体に無理がある。中学を卒業してから相撲一筋の人たちだ。「関取」「親方」「師匠」とおだてられ、金はタニマチから「ごっつぁん」の体質が出来上がっている。倫理や論理も一般社会とは違うのだ。


 ありもしない「大相撲の精神」や「国技の伝統」を振りかざして、語彙不足の理事長を追い回すなど、あまり感心した図ではない。


 相撲は伝統文化なのか、はたまた格闘技なのか。それらを統合した何かなのか。まず、大相撲とは何かを明確にしてから論じたい。

 相撲が比類のない格闘技、スポーツであることは明白だ。だが、世間の考えは神聖さが前に出ているようだ。もともと相撲は神事だった。取り組みによって吉凶を占ったのである。だから、立会いの掛け声は「八卦よーい」、つまり卦を立てる準備ができました、となるのだ。

 
 いっそ重要無形文化財と位置づけ、横綱や立行司は人間国宝にする。当然強さだけで横綱を張ることはできない。弱いのはもちろん駄目だ。したがって、数年間は空位ということもあり得る。これでどうでしょう。



 
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岡田ジャパン、勝ち点3

2008-09-07 06:16:06 | Weblog
 2010年W杯サッカー最終予選の日本VSバーレーンは日本が3-2で勝ち点3を上げた。アウエーで勝ち点3を持ってくる、これが最大の目標だった。その意味では結果オーライ、「幸先のいい」立ち上がりと言っておこう。


 試合ぶりは相変わらず流れの中で得点できない悪癖が目立った。パスはつながっても、最後が決まらない。縦にいくスピードがない。だから、見ていてもワクワク感に乏しい。勝ち負けとは別に、見るものの心を弾ませるようなサッカーをしてほしい。


 前半の2点はフリーキックとPK。決めたのは中村俊輔と遠藤だ。これも相変わらずだねえ。後半30分過ぎの3点目は中村憲剛のミドル。相手DFに当たってコースが変わるラッキーもあったが、見事な一撃だった。でも、その前のクロスバーをたたいた2本、決めてくれなくちゃ。


 40分過ぎて、人数が少ないバーレーンに立て続けに2点取られたのにはびっくりした。最終ラインに人はいるのに、突っ立っていて対応できない。3点リードで気が抜けたのか、疲れて動けなかったのか。


 スカッと勝ちきれないうらみは残ったが、追いつかれなくてよかった。このグループを勝ち抜けないようでは、W杯の決勝トーナメントなど夢のまた夢だ。 
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NHK会長の「お尻の穴」

2008-09-06 06:12:14 | Weblog
 こういうけちなことを言い出す人物を「『ケツの穴』」の小さい奴だ」と呼んでいたような気がする。

 NHKの会長が、「地球温暖化防止に協力するため深夜放送の一部を自粛する」と発表したのだ。


 《NHKの福地茂雄会長は4日の定例記者会見で、10月から教育テレビの深夜放送を金~日曜の3日間、35~60分短縮すると発表した。

 また、放送終了後も流れているアナログ波を、教育テレビで9月30日から、1日平均2時間17分停止する。

 地球温暖化対策の一環で、二酸化炭素(CO2)排出量を半年間で約300トン削減できるという》=読売新聞=


 300トンのCO2削減量がどういう計算に基づいているか不明だが、NHK自身が排出している量ということなのだろう。まあ、減らないよりは減った方がいい。とはいうものの、NHK教育などという誰も見てないチャンネルを休止したって、ほとんど意味はないだろう。総合にしても同じことだ。深夜に衛星以外のNHKを見ている人など1%にも満たない。


 福地さん、ケツの穴(失礼)小さいねえ。


 最近のNHKを見ていると、実験的な番組や尖がった番組の深夜帯への移行が目立つ。そうやって今度は「環境への配慮」で消してしまおう、という魂胆か。民間放送でもできるくだらないドラマやバラエティー番組、歌謡番組をまずやめることをお勧めする。エンターテインメントは民放に任せればいい。


 NHKは地上波と衛星波を合わせて5波も持っている。もっと有効に各波を使い分けるべきだ。ニュース専用波があってもいい。災害情報はここに一元化する。とにかくスリムになることだ。


 スリム化するのは波だけではない。本体のメタボをどう退治するかが最も大きな課題だ。内務官僚は半分に減らせる。記者やアナ、技術スタッフも多すぎる。高給を食みながら、鼻毛を抜いている人物がわんさかいるようでは困る。


 会長のご機嫌伺いをしているような方々がそれに当たります。「教育テレビを1時間減らしましょう」などと、したり顔をして献策する人から順次消していきましょう。本質的なスリム化を避けたいがための変化球に惑わされてはいけません。
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